「和の国興亡記」 第3話「和の国独立宣言」
**時期**:グランベルク暦1247年夏
序幕 桜半島の現在
グランベルク暦千二百四十七年、夏。大陸の東の果て、海に向かって優美に突き出したその半島は、今やかつての荒涼とした無名の地ではなくなっていた。人々は親しみを込めて、そこを「桜半島」と呼ぶ。
面積は、かつて彼らの祖先が暮らした島国ニッポンの本州の約半分、およそ十二万平方キロメートル。五十数年前、絶望の淵から立ち上がったわずか一万二千の開拓者たちの血と汗は、今や人口四十五万を数える豊かな文明圏へと発展を遂げていた。
半島の心臓部を、母なる大河「桜川」がゆったりと流れる。その両岸には、日本の伝統的な木造建築が持つ繊細な美しさと、現地の桜族が育んできた素朴で機能的な石造建築が、まるで最初からそうであったかのように見事に調和した、美しい町並みがどこまでも続いていた。広大な平野に目を向ければ、彼らが「桜米」と名付けた独自の稲が黄金色の穂を垂れ、穏やかな風にさざ波のように揺れている。山間部に分け入れば、あちこちから立ち上る温泉の湯けむりが、旅人の疲れを癒すかのように白く棚引いている。そして、この土地の名の由来となった桜の木々が、集落に、街道沿いに、そして人々の心の庭に、深く根を張り、季節の移ろいと共にその表情を変え、この土地に比類なき風情を与えていた。
しかし、その絵画のように美しく、穏やかに見える半島の水面下では、歴史の潮流が大きくうねり、地殻変動にも似た、重大な変化の時が刻一刻と近づいていた。
第一場 大和神社・神楽殿
七月十五日、午前九時。半島の中心都市「桜京」の小高い丘の上に鎮座する、大和神社。その最も奥まった場所に位置する神楽殿は、清浄な空気に満ちていた。磨き上げられた床板に二百畳もの畳が敷き詰められたその広大な和室は、神事の場であると同時に、半島における最も重要な議決が行われる、最大の集会場としての役割も担っていた。
今日この日、その神聖な空間に、桜半島全土から選ばれた三百名の代表者が、固唾を飲んで集っていた。彼らは皆、伝統的な作法に則って正座をし、水を打ったような静けさの中、厳粛な面持ちで議会の開始を待っている。
その構成は、この半島の歴史そのものを映し出す、複雑な縮図であった。
最前列に座るのは、第一世代、通称「一世」。五十数年前、あの次元転移に巻き込まれた、最後の生存者たちである。かつて一万二千を数えた同胞は、今やここにいるわずか七名となってしまった。平均年齢は八十九歳。その顔に刻まれた深い皺の一つ一つが、彼らが乗り越えてきた想像を絶する苦難の物語を、雄弁に物語っていた。
続くのは、第二世代、通-称「二世」。一世たちの子供として、この異世界で生を受けた者たちだ。総勢八十九名、平均年齢は五十二歳。彼らは、親世代から日本の記憶を物語として聞き、この半島の開拓という現実をその肌で感じてきた、過去と現在を繋ぐ架け橋となる世代である。
最も多くの議席を占めるのが、第三世代、通-称「三世」。二世の子供たちであり、この半島の未来を担う若者たちだ。百三十四名、平均年齢二十八歳。彼らにとって日本とは、もはや遠い神話の世界であり、この桜半島こそが唯一の故郷であった。
そして、その中には七十名ほどの、現地住民「桜族」との混血の代表者たちもいた。平均年齢三十五歳。彼らはその存在そのものが、日本文化と桜族文化の幸福な融合を体現する、新しい時代の象徴であった。
神楽殿の最も奥、上座の中央に、一人の老人が静かに座している。この半島の生ける伝説、田中源蔵翁、その人である。九十二歳という高齢にもかかわらず、その背筋は凛として伸び、顔には開拓者としての厳しい人生が刻み込んだ深い皺が網の目のように走っているが、その眼光は今なお鷲のように鋭く、衰えを知らぬ威厳に満ち溢れていた。
やがて、しんと静まり返った会場に、彼のしわがれた、しかし芯の通った声が響き渡った。
「皆さん、本日はようこそお集まりいただいた。心より、感謝申し上げる」
その声は、会場の隅々にまで染み渡るかのように、静かに、しかし明瞭に届いた。
「我らが祖先、いや、ここにいる我々自身が、この未開の地に最初の一歩を踏み出してより、五十と七年の歳月が流れた。そして今、ついに、我々自身の手で、我々自身の国を打ち立てる、その時が来たのだ」
会場の空気が、ピリッと張り詰めた。緊張が、肌を刺すように感じられる。
「しかし、皆に勘違いしてほしくない。これは単なる、グランベルク王国からの政治的な独立を意味するものではない。我々が真に目指すべきは、その先にある。すなわち、我々が胸に抱き続けてきた『理想の日本』を、この地に実現することなのだ」
第二場 建国賛成派の主張
田中翁の言葉を受け、静寂を破って最初に立ち上がったのは、武田信玄であった。六十二歳、第二世代の代表格であり、あの偉大なる開拓者の一人、武田信行の嫡男。彼は、亡き父から受け継いだ厳格な武士道精神を、その一挙手一投足で体現する存在として、特に二世世代から神のような尊敬を集めていた。身長は百七十センチと決して大柄ではないが、その体はまるで鋼を打ち鍛えたかのように筋骨隆々としており、年齢というものを全く感じさせない。
「私は、この桜半島が、グランベル-ク王国の庇護を離れ、完全なる独立国家として立つことを、ここに強く支持するものである!」
武田の声は、腹の底から絞り出すような力強さに満ち、神楽殿の梁をビリビリと震わせた。
「その理由は、大きく分けて三つある!」
彼は懐から、入念に準備してきたであろう巻物を取り出し、ゆっくりと広げた。
「第一の理由は、我らが誇るべき、文化的独立の必要性である! すなわち、『純粋なる日本文化』の保護と、そのさらなる発展のためだ!」
その言葉を紡ぐ武田の瞳に、燃えるような熱い想いが宿った。
「顧みよ! 我々はこの五十数年間、血の滲むような努力の果てに、一度は失われかけた美しき日本文化を、この異郷の地で見事に再構築してきた。しかし、我々がグランベルク王国の自治領という、いわば間借り人の立場にあり続ける限り、かの国の文化、価値観、思想といった、外国からの影響を、完全に排除することはできぬのだ!」
その言葉に、会場にいる二世の代表者たちが、深く、そして何度も頷いた。彼らにとって、親から聞かされた「日本」は、何者にも穢されてはならない、神聖な理想郷であった。
「我々が独立国家となることで、初めて、純粋なる日本の価値観、すなわち『和』と『礼』と『武』の精神に基づいた、真に我々らしい社会を、築き上げることができるのだ!」
武田の声に、力がこもる。
「第二の理由は、政治的自決権の確立である! 現在、我々は『自治領』として、内政に関する一定の自由こそ享受している。しかし、他国との外交、そして国家の存亡を左右する軍事といった、最も重要な決定権は、未だグランベルク王国がその手に握っている。これでは、籠の中の鳥と同じこと! この国の真の繁栄など、到底望むべくもない!」
彼は、ぐっと拳を握りしめた。
「我々には、我々自身の運命を、我々自身の手で決める権利がある! それこそが、独立という言葉の本質なのである!」
そして、武田は会場全体をゆっくりと見回した。
「第三の理由は、経済的な飛躍の可能性だ! 桜半島が秘める豊かな天然資源と、我々が持つ勤勉さと高い技術力。この二つを掛け合わせれば、グランベルクに頼ることなく、近隣諸国との独自の、そして対等な貿易関係を築くことができる! この地に湧き出る癒しの温泉、天与の恵みである竹と桜、そして我が国の土壌でしか育たぬ、比類なき品質の桜米。これらは、他国が喉から手が出るほど欲しがる、貴重な戦略資源だ。独立国として、これらの宝を我々の思うままに活用すべき時が、今、来たのだ!」
武田の情熱的な演説が終わると、会場は割れんばかりの拍手に包まれた。特に、理想に燃える若い三世と、純粋な日本を希求する二世の代表者たちからの支持は、圧倒的であった。
第三場 建国反対派の懸念
熱狂的な拍手が鳴り止んだ後、神楽殿は再び静寂に包まれた。その静寂を破るように、一人の老人が、ゆっくりと、しかし確かな足取りで立ち上がった。佐藤健一、八十八歳。彼もまた、転移当時を生き抜いた一世の一人であった。しかし、彼は早い段階で現地の桜族の女性と結ばれ、この半島で誰よりも多くの混血の家族を築き上げてきた人物として、独特の尊敬を集めていた。
「皆の衆。独立という、甘美な響きに胸を焦がす気持ちは、この老いぼれにもよう分かる。しかし、一度立ち止まり、我々が置かれている現実というものを、どうか冷静に見つめてはくれまいか」
佐藤の声は、武田のそれとは対照的に、穏やかで、か細かった。だが、その言葉には、長い人生経験に裏打ちされた、深い憂慮の色が滲んでいた。
「儂が懸念することは、三つある。まず第一に、軍事的な脅威じゃ」
彼は傍らに置かれていた、この地域の地図を、震える指で差し示した。
「我々の総人口は、ようやっと四十五万。それに対して、我々のすぐ西隣にあるベルト王国は人口二百万、北に国境を接するアークス公国は人口百五十万を誇る、れっきとした軍事国家じゃ。今、我々がこうして安穏と暮らしておられるのは、ひとえに、その後ろにグランベルク王国という、大陸最強の軍事力が控えておるからに他ならん。もし独立すれば、その巨大な盾を、我々は自ら手放すことになる。もし、もしも他国が、この半島の豊かさに目をつけ、牙を剥いてきた場合、我々だけの力で、この愛する故郷と家族を、本当に守りきることができるのか?」
会場が、ざわ……と不穏な空気に揺れた。それは、多くの者が心の奥底で感じていながら、意識的に目を背けてきた、厳しい現実であった。
「次に、経済的な孤立の問題じゃ。現在、我々の貿易は、その七割以上をグランベルク王国との特恵的な関係に依存しておる。独立すれば、その最も太い生命線を、失う危険性がある。確かに、我々の技術や文化は、素晴らしいものじゃろう。じゃが、それだけで、四十五万の民の腹を満たし、国家経済という巨大な船を、荒波の中で動かし続けることができるのか、甚だ疑問じゃ」
佐藤の表情が、厳しさを増す。
「そして、儂が最も恐れておるのは、社会の分裂じゃ」
彼の声に、万感の思いがこもった。
「独立への思いは、世代によって、そして出自によって、大きく異なっておる。純粋な日本を夢見る者、この地の平和な暮らしを守りたい者、そして、日本人でも桜族でもある、己のアイデンティティに悩む者……。この独立という劇薬が、我々が五十数年かけて、かろうじて築き上げてきた、この共同体の脆い結束を、根底から引き裂いてしまうことにはならんかのうか?」
佐藤の、魂からの問いかけが終わると、会場は水を打ったように静まり返り、重い沈黙に支配された。賛成論も、反対論も、どちらも揺るぎない説得力を持っていた。代表者たちは、この国の未来を左右する、あまりにも重い選択を、否応なく迫られていた。
第四場 三日間の激論
それから三日間、神楽殿では、桜半島の未来を賭けた、昼夜を分かたぬ激論が交わされた。「理想的な日本とは何か」「自治領体制の何が問題なのか」「独立後の具体的な国家ビジョンはどうあるべきか」。一日目は、そうした基本方針を巡る議論に費やされた。
しかし、議事が進むにつれて、これまで水面下で燻っていた世代間の価値観の断絶が、誰の目にも明らかな形で、顕在化し始めた。
二日目、田中源蔵翁がおもむろに口を開いた。「我々一世は、ただ生き延びるために、必死でこの地の環境に適応してきた。グランベルク王国の保護があったからこそ、今日の繁栄があることも、紛れもない事実じゃ。あまりに性急な独立は、これまで我々が築き上げてきた全てを、水泡に帰す危険性を孕んでおる」
その言葉に、武田信玄が激しく反論した。「翁たち、父たちの世代の御苦労は、我々が誰よりも理解しているつもりです! しかし、我々二世には、我々二世の使命がある! それは、父たちが命懸けで守り抜いた、純粋なる日本文化の魂を、この地で永遠に保持し、さらに発展させていくこと! それこそが、亡き父たちへの、我々なりの最大の恩返しなのです!」
すると、今度は三世の代表である桜井義信が、静かに立ち上がった。「お言葉ですが、武田殿。我々三世も、祖父たちが遺してくれた日本文化を、心から愛しています。しかし、我々は同時に、この土地の、桜族の文化もまた、かけがえのない大切なものであると考えています。独立は、それ自体が目的であってはならない。目的は、日本人であろうと、桜族との混血であろうと、この半島に住む全ての住民が、等しく幸福に暮らせる社会を築くことにあるはずです」
それぞれの世代の、それぞれの正義が、激しく火花を散らす。議論は、国名や政治体制、外交方針といった、より具体的な国家設計へと移っていった。「国名は、古代日本の理想を現代に蘇らせるという意味を込めて『大和国』としてはどうか」「政治体制は、特定の君主を置かず、我々を導いてきた三つの騎士団による合議制が最も現実的であろう」「外交は、グランベルク王国とは友好的な関係を維持しつつ、軍事はあくまで専守防衛に徹するべきだ」
一つの議題が決まるたびに、ある者は安堵の息をつき、ある者は悔しさに唇を噛んだ。
第五場 歴史的な投票
七月十七日、午後六時。三日三晩にわたる、消耗しきるほどの議論を経て、ついに最終投票の時が訪れた。
田中源蔵翁が、投票の規則を厳粛に説明する。「これより、建国に関する最終投票を行う。投票は、後世への責任を明確にするため、記名式とする。賛成、反対、棄権の三択じゃ。心して、己の信じる一票を投じてほしい」
厳粛な空気の中、三百名の代表者たちが、一人、また一人と、自らの名前が書かれた投票用紙を、白木の箱へと納めていく。その所作の一つ一つが、まるで歴史の一ページを刻んでいるかのようであった。
二時間後。午後八時、全ての集計が終わり、開票結果が発表された。
賛成、百八十七票。
反対、七十八票。
棄権、三十五票。
賛成票が、圧倒的な過半数を占めた瞬間、会場は堰を切ったような興奮と歓喜の声に包まれた。
しかし、田中翁の表情は、依然として冷静そのものであった。
「代表者による投票では、賛成が多数を占めた。しかし、この国の主役は、我々代表者ではない。この地に暮らす、四十五万の民、その一人ひとりじゃ。最終的な決定は、彼らの総意に委ねられるべきである。明日より一週間をかけ、半島全住民による、国民投票を実施する!」
第六場 全住民投票の実施
七月十八日からの一週間、桜半島は、その歴史上初めてとなる、全住民を対象とした投票の熱気に包まれた。十六歳以上の全ての住民に、投票権が与えられた。各地の公民館や神社、学校に設けられた投票所には、自らの手で国の未来を決めようとする人々が、長蛇の列を作った。
結果は、世代間の意識の違いを、残酷なまでに浮き彫りにした。グランベルクへの恩義を感じる高齢の一世では反対が多数を占め、純粋な日本を夢見る二世では賛成が圧勝。そして、最も人口の多い三世や混血の住民たちの間では、賛成がやや上回るものの、意見は拮抗した。
七月二十四日、午後八時。大和神社の境内に設けられた開票会場で、田中源蔵翁が、震える声で最終結果を発表した。
「桜半島住民による、建国投票の最終結果を……発表する」
集まった数万の群衆が、息を飲んだ。
「投票総数、二十四万七千八百三十二票。うち、賛成、十二万四千八百九十一票。反対、八万七千二百九票。棄権、三万五千七百三十二票……」
わずか、五〇・四パーセント。あまりにも僅差ではあったが、賛成が、反対を上回った。
「この結果を……この民の総意を以て、桜半島は、本日より独立国家『大和国』として、新たな道を歩んでいくことを、ここに……宣言する!」
その瞬間、会場は歓声と拍手の嵐に包まれた。しかし、その喧騒の中で、喜びの涙だけでなく、不安と悲しみの涙を流す人々の姿も、確かにあった。それは、長い議論と、深い心の葛藤の末に下された、あまりにも重い歴史的な決断であった。
第七場 大和国建国宣言
翌、七月二十五日、正午。大和国の歴史に、永遠に刻まれるべき瞬間が訪れた。田中源蔵翁、武田信玄、そして桜井義信の三人が、世代と理念を超えて神楽殿の前に並び立ち、高らかに建国宣言を読み上げた。
「我々、桜半島に住む全ての民は、本日ここに独立国家『大和国』の建国を宣言する! 国の正式名称は、大和国! その建国の理念は、古の日本の理想郷を現世に再現し、平和と調和の国を築くことにある! 国旗は、平和を象徴する白地に、美しさと変化を象徴する赤い桜の花びらをあしらったものとする! そして国歌は、我らが父、田中源蔵が作詞作曲した、『桜咲く国』とする!」
遥かなる故郷を離れて
この地に桜を植えた人よ
花咲く季節がめぐるたび
心に響く故郷の歌
桜咲く国 我らの国
平和の光 永遠に
異なる心を一つにして
美しい明日を築こう
宣言が読み上げられ、新しい国歌が斉唱されると、境内に集った数千の民衆から、雷鳴のような歓声と拍手が沸き上がった。空には、真新しい国旗が誇らしげに翻り、人々は涙ながらにその光景を見上げていた。五十数年にも及ぶ、苦難と努力の全てが、ついに一つの国家として結実した、感動の瞬間であった。
終幕 新たなる国家の誕生
しかし、その歓喜の輪の中心にありながら、田中源蔵翁の心は、晴れることのない複雑な思いに包まれていた。
「これで、本当に良かったのだろうか……」
九十二歳の老人は、喧騒を離れ、遠い空を見上げながら、誰にともなく呟いた。
「息子よ、孫よ、そしてまだ見ぬ曾孫よ……お前たちが、自らの手で選び取ったこの道が、本当に、真の幸せへと続いておるのか……この老いぼれには、まだ、分からぬのじゃよ……」
新しい国家、「大和国」の船出。それは、希望の光に満ち溢れると同時に、多くの課題と、深い世代間の亀裂という、重い錨を抱えたままの、嵐の中へのスタートであった。
そして、この歴史的な瞬間から、わずか二ヶ月後。一人のごく平凡な商人が、この生まれたばかりの国が抱える、希望と混沌の全てを見届けるべく、東へと向かう荷馬車に揺られていることを、まだ、誰も知る由もなかった。
**次回予告**
新生大和国では、三つの騎士団による政治体制が確立されていた。桜の騎士団(桜井義信)、侍の騎士団(武田信玄)、忍の騎士団(影山無名)。しかし、世代間の価値観の違いは独立後も残り続け、特に血統論争と文化解釈論争が激化していた。そんな中、商人クラウド・マーチャントとして変装したクラル王が、ついに大和国の土を踏む。