表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
59/117

龍人族の堕落と国際信用危機(続き)

鱗売りブームが始まってから2年半が経った頃、想定外の問題が浮上した。


「緊急事態です、不朽の神様!」


経済担当特別顧問のフランシス・ゴールドカウンター(龍人族、67歳、外見45歳)が、血相を変えて王宮に駆け込んできた。彼の金属光沢の肌は青ざめ、いつもは完璧に整えられている髪も乱れていた。


「どうした、フランシス?」


クラル王は、永遠図書館の設計図から目を上げた。最近は国内問題の解決策を模索するため、古代の統治理論を研究していたのだ。


「アルフェリア公国から、公式通告が届きました」


フランシスは震える手で、金縁の封筒を差し出した。


「『グランベルク王国の龍人族による商取引を一時停止する』とのことです」


クラル王の表情が一変した。アルフェリア公国は、グランベルク王国にとって重要な貿易相手国の一つだった。


「理由は?」


「外貨の流出が深刻すぎる、とのことです」


フランシスは報告書を開いた。


「この2年間で、アルフェリア公国の金貨総量の約35%が、我が国の龍人族によって国外に持ち出されたそうです」


「35%?」


クラル王は愕然とした。一国の通貨の3分の1が流出するというのは、経済崩壊に直結する事態だった。


「詳細を説明してくれ」


「アルフェリア公国の状況は、極めて深刻です」


フランシスは震え声で説明を続けた。


「公国の総人口は約80万人、年間金貨流通量は約300万枚でした。しかし、我が国の龍人族が鱗売りを始めてから、状況が一変しました」


フランシスは詳細な資料を広げた。


「初年度は月平均2万枚、年間24万枚の金貨が流出。これは全流通量の8%に相当します」


「2年目からは月平均5万枚に増加。年間60万枚、流通量の20%が消えました」


「そして今年は、月平均8万枚。年間ペースでは96万枚、実に全流通量の32%に達します」


クラル王は計算した。合計で約180万枚の金貨が、アルフェリア公国から流出していることになる。


「公国内では、深刻な金貨不足が発生しています」


フランシスは続けた。


「商店での釣り銭が不足し、労働者への給料支払いが滞り、税収も大幅に減少しています」


「さらに深刻なのは、心理的な影響です」


「心理的な影響?」


「公国民の間で、『グランベルク王国の龍人族が、我々の富を奪っている』という反感が高まっています」


これは単なる経済問題ではなく、国際的な政治問題に発展していた。


「アルフェリア公国だけではありません」


外務大臣のマーカス・ディプロマット(魔人族、139歳)が、さらに深刻な報告を持参した。


「ベルガモット王国、サフラン共和国、クレセント王国でも、同様の問題が発生しています」


マーカスは各国からの抗議文書を机に並べた。


「ベルガモット王国では、金貨流通量の28%が流出」


「サフラン共和国では31%」


「クレセント王国に至っては、38%もの金貨が消失しています」


「38%?」


クラル王は頭を抱えた。これは、もはや地域全体の経済危機だった。


「各国政府は、『グランベルク王国による経済侵略』とまで表現しています」


「経済侵略?」


「我が国の龍人族が、組織的に各国の金貨を略奪していると解釈されているのです」


実際には、龍人族たちは単に個人的な利益を追求していただけだった。しかし、結果として各国経済に壊滅的打撃を与えていたのは事実だった。


事態はさらに悪化した。


「龍人族お断りの看板が、各地で増えています」


商務大臣のジェイク・トレーダー(龍人族、76歳、外見50歳)が、悲痛な表情で報告した。


「最初はアルフェリア公国だけでしたが、今では12カ国で同様の措置が取られています」


ジェイクは各国の街並みを撮影した写真を見せた。そこには、「龍人族入店禁止」「グランベルク王国民お断り」といった看板が掲げられていた。


「宿屋、レストラン、商店……あらゆる場所で拒否されています」


「理由は?」


「『大金を持って現れて、法外な買い物をし、我々の金貨を持ち去る』とのことです」


確かに、龍人族の行動パターンは現地住民にとって脅威だった。鱗を売って大金を得た龍人族は、金遣いが極めて荒く、現地の物価を無視した買い物を繰り返していた。


「実際の事例をご報告します」


ジェイクは証言書を読み上げた。


「クレセント王国の小さな町バターカップでの出来事です」


「人口3000人のこの町に、我が国の龍人族5名が現れました」


「彼らは町で最も高級なホテルに宿泊し、一泊金貨50枚という破格の料金を支払いました」


「通常、このホテルの宿泊料は金貨2枚です」


クラル王は眉をひそめた。25倍の料金とは、あまりにも常識外れだった。


「翌日、彼らは町の全ての宝石店を回り、在庫を一掃しました」


「総額金貨2000枚に上る買い物でした」


「これは、この町の年間商業取引額の30%に相当します」


「そして、彼らが立ち去った後、町には深刻な金貨不足が発生しました」


この話は、龍人族の行動がいかに現地経済を混乱させるかを物語っていた。


「住民の間では、『金貨の悪魔が町を襲った』と語り継がれています」


問題は経済的影響にとどまらなかった。


「人種差別的な事件も増加しています」


人権担当大臣のリサ・フリーダム(龍人族、70歳、外見45歳)が、心を痛めながら報告した。


「各地で、龍人族への暴力事件が発生しています」


リサは被害報告書を見せた。


「サフラン共和国では、龍人族の商人が襲撃され、重傷を負いました」


「ベルガモット王国では、龍人族の学者が宿屋から追い出され、野宿を余儀なくされました」


「クレセント王国では、龍人族の子供が学校でいじめられ、『金貨泥棒の子』と呼ばれています」


クラル王の心が痛んだ。無関係な龍人族まで、偏見の犠牲になっていた。


「さらに深刻なのは、龍人族以外のグランベルク王国民にも影響が及んでいることです」


「どういうことだ?」


「魔人族や純血の人間であっても、『グランベルク王国民』というだけで警戒されるようになりました」


これは、国家としての信用失墜を意味していた。


国際的な批判が高まる中、王室内でも深刻な対立が発生していた。


「お母様、いい加減にしてください!」


エリー(75歳、外見45歳)が、母親のミリリィアに詰め寄った。


「お母様の行動が、王室の品位を貶めています」


ミリリィア(75歳、外見40歳)は相変わらず、全身に装身具をジャラジャラと身に着けていた。最近では、その量がさらに増加し、歩行にも支障をきたすレベルに達していた。


「品位?」ミリリィアの目が縦瞳になった。「私の美しいコレクションの何が悪いの?」


「問題は量です!」エリーは声を荒げた。「昨日だけで、金貨500枚も浪費したでしょう!」


「浪費?」ミリリィアは憤慨した。「これは投資よ。美しいものは価値を増すもの」


「その金貨で、どれだけの国民が助かると思ってるんですか?」


エリーの指摘は正しかった。現在の王国は、労働力不足と経済混乱により、多くの国民が困窮していた。そんな中で、王妃が金貨500枚を装身具に費やすのは、確かに問題だった。


「国民?」ミリリィアは鼻で笑った。「彼らだって、鱗を売って稼いでいるじゃない。私が贅沢をして何が悪いの?」


「お母様!」


エリーは母親の変わり果てた姿に、涙を浮かべた。


アレクサンダー王(79歳、外見55歳)は、妻の変化と国際的な批判の板挟みで苦しんでいた。


「父上、何とかしてください」


エリーは父親に訴えた。


「このままでは、王室の威信が失墜してしまいます」


「分かっている」アレクサンダーは深いため息をついた。「しかし、ミリリィアの龍族の血が強すぎる。理性的な説得が通じない」


確かに、ミリリィアの財宝への執着は、もはや病的なレベルに達していた。


「それに、国際的な問題もある」


アレクサンダーは外交文書の山を見つめた。


「各国からの抗議が日に日に増している。このままでは、グランベルク王国は国際的に孤立してしまう」


「父上が直接、お母様に……」


「試したが、効果がない」アレクサンダーは首を振った。「ミリリィアは『アレクサンダーは龍族の誇りを理解していない』と言って、聞く耳を持たない」


これは、異種族間結婚の予想外の副作用だった。平時には美しい調和を見せていた人間と龍族の血が、今では深刻な対立の原因となっていた。


ついに、アレクサンダーは不朽の神クラル王に直接相談することにした。


「父上、お時間をいただけますでしょうか」


「もちろんだ、アレクサンダー」


クラル王は息子の疲れ切った表情を見て、事態の深刻さを理解した。


「ミリリィアのことか?」


「はい」アレクサンダーは深く頭を下げた。「申し訳ありません。妻の行動により、王室に迷惑をおかけして」


「謝る必要はない」クラル王は優しく言った。「これは、我々が予想できなかった問題だ」


「しかし、国際的な批判が……」


「それも承知している」クラル王は窓の外を見つめた。「問題は、ミリリィア個人ではない。龍人族全体の行動パターンだ」


クラル王は、事態をより大きな視点で捉えていた。


「龍族の血に宿る本能が、現代社会の経済システムと衝突している」


「本能?」


「そうだ。龍族は本来、財宝を集めて洞窟に蓄える習性がある。しかし、現代の経済は流動性を前提としている」


クラル王の分析は的確だった。


「龍人族が財宝を溜め込み、流通から除外することで、各国の経済が麻痺している」


「では、どうすれば……」


「根本的な解決策が必要だ」クラル王は決意を込めて言った。「龍族の本能を、建設的な方向に向けさせなければならない」


翌日、グランベルク王国史上最大規模の経済会議が開催された。


王宮の大会議室には、政府高官、龍族の長老、各業界の代表、そして国際問題の専門家が集まった。


「現在の危機について、率直に議論したい」


クラル王が会議を開始した。


「我が国の龍人族による鱗売りが、国際的な経済危機を引き起こしている」


「まず、被害の実態を確認しよう」


「現在、14カ国で『龍人族お断り』の措置が取られています」


外務大臣マーカスが報告した。


「さらに、6カ国がグランベルク王国との貿易制限を検討中です」


「経済的損失は?」


「我が国の年間輸出額の40%に相当する取引が停止されています」


財務大臣のロバート・コインカウンター(龍人族、93歳、外見60歳)が続けた。


「金額にして、年間400万金貨の損失です」


「一方で、鱗売りによる収入は?」


「年間約200万金貨と推定されます」


「つまり、差し引き200万金貨の損失ということか」


クラル王の計算は冷徹だった。短期的な利益を追求した結果、長期的には大きな損失を被っていた。


「我々には、生活する権利があります」


鱗売り従事者の代表、マックス・スケイルウィング(41歳、外見25歳、ただし肥満により実際より老けて見える)が立ち上がった。


「体の一部を売ることの何が悪いのですか?」


「マックス」クラル王は静かに言った。「問題は個人の権利ではない。君たちの行動が他国に与える影響だ」


「他国のことなど知りません」マックスは開き直った。「我々は自分たちの利益を追求しているだけです」


「その結果、君たち自身も海外から排斥されている」


「それは……」マックスは言葉に詰まった。


確かに、最近では海外旅行もままならない状況だった。


「我々が鱗を売らなければ、外国人が困るのでは?」


別の龍人族、ライアン・ファイアクロー(32歳、外見25歳、同じく肥満)が反論した。


「彼らは龍の素材を欲しがっているじゃないですか」


「需要があることと、経済全体への影響は別問題だ」


クラル王は説明した。


「君たちは、需要側の購買力を超えた量の金貨を吸収している」


龍族の長老ドラコニス・レックスが、重い口を開いた。


『不朽の神よ、この問題の根本は、龍族の本能にあります』


「どういうことだ?」


『龍族は本来、財宝を集めて守る習性があります。しかし、それは洞窟という限定された空間でのことでした』


ドラコニス・レックスは続けた。


『現代社会では、財宝の蓄積が経済全体に影響を与えます。我々龍族は、この変化に適応できていないのです』


「つまり?」


『龍人族の財宝収集欲を、経済循環を阻害しない形で満たす方法を見つける必要があります』


この提案は核心を突いていた。


智龍ネリウスが、学術的な観点から問題を分析した。


『龍族の財宝収集行動は、生物学的本能に基づいています』


「生物学的本能?」


『はい。龍族は財宝を集めることで、安全感と自己価値を確認します。これは、人間の食欲や睡眠欲と同じレベルの基本的欲求です』


ネリウスの説明は説得力があった。


『従って、この欲求を完全に抑制することは不可能です。しかし、方向性を変えることは可能です』


「どのような方向性だ?」


『財宝の質的価値を重視させることです』


「質的価値?」


『現在の龍人族は、金貨の量のみを重視しています。しかし、本来の龍族は、希少性や美しさも重要視していました』


これは重要な指摘だった。


『量より質を追求させることで、経済への影響を抑制できるかもしれません』


ネリウスの提案を受けて、具体的な解決策の検討が始まった。


「質的価値を重視させるとは、具体的にはどうするのだ?」


クラル王が尋ねた。


『いくつかの方法があります』


ネリウスは説明を続けた。


『第一に、希少性の高い物品のみを価値あるものとして認識させることです』


「希少性の高い物品?」


『例えば、古代の遺物、芸術作品、学術書など、世界に一つしかないものです』


「それなら、大量購入による経済への影響は抑制できる」


クラル王は理解した。


『第二に、知的価値のあるものを財宝として認識させることです』


「知的価値?」


『知識、技術、特許など、形のない価値です。これらを収集することは、むしろ社会に貢献します』


アル=ゼイルも、この議論に参加した。


『我からも提案がある』


「聞こう」


『龍人族の財宝収集欲を、王国の発展に直結させることはできないだろうか』


「どういうことだ?」


『例えば、王国の文化的価値を高める事業に参加した者に、特別な名誉や地位を与える』


アル=ゼイルの提案は建設的だった。


『名誉や地位も、一種の財宝として機能する。しかも、これらは経済循環を阻害しない』


「具体的には?」


『大図書館の建設、芸術作品の収集、学術研究の支援など』


『これらの事業に貢献した者に、特別な称号や徽章を授与する』


『そして、その称号や徽章を、金貨以上に価値あるものとして位置づける』


この提案は、龍族の本能を巧妙に利用したものだった。


会議の後、ミリリィアにこれらの提案が説明された。


「つまり、私の宝石コレクションをやめろということ?」


ミリリィアは不機嫌そうに言った。相変わらず、全身に装身具をジャラジャラと身に着けていた。


「やめる必要はない」クラル王は優しく説明した。「ただ、より価値のあるものを集めてはどうかという提案だ」


「価値のあるもの?」


「例えば、世界に一つしかない芸術作品や、古代の魔法書など」


ミリリィアの目が少し輝いた。


「世界に一つしかない?」


「そうだ。君のコレクションが、単なる金銭的価値ではなく、歴史的・文化的価値を持つものになる」


「それは……確かに魅力的ね」


ミリリィアは考え込んだ。龍族の血が、希少性に反応していた。


「でも、そういうものはどこで手に入るの?」


「それを探すことも、収集の楽しみの一つだ」


クラル王は微笑んだ。


「世界中を旅して、真に価値あるものを見つける。それこそが、本来の龍族のやり方だった」


ミリリィアは次第に興味を示し始めた。単なる金貨の蓄積よりも、希少で美しいものを探求する方が、確かに魅力的だった。


「やってみようかしら……」


「素晴らしい判断だ」


こうして、王室から改革が始まることになった。


数週間の検討の後、クラル王は新たな政策を発表した。


「グランベルク王国は、新たな文化政策を開始する」


王宮の大広間に集まった市民たちに向けて、クラル王が宣言した。


「その名も『永遠の遺産プロジェクト』だ」


聴衆はざわめいた。


「このプロジェクトの目的は、世界中の貴重な文化遺産、芸術作品、学術資料を収集し、永遠に保存することだ」


「参加者には、成果に応じて特別な称号を授与する」


クラル王は美しい徽章を掲げた。


「『文化の守護者』『芸術の収集家』『知識の探求者』など、様々な称号がある」


「これらの称号は、王国における最高の名誉であり、金貨では買えない価値を持つ」


龍人族たちの目が輝いた。称号や名誉も、確かに一種の財宝だった。


「さらに、最高位の『永遠の守護者』には、王国の特別顧問として、不朽の神である私と直接協働する機会を与える」


これは究極の名誉だった。不朽の神と直接働けるという価値は、金貨では表現できない。


「プロジェクトは、複数の部門に分かれる」


クラル王は詳細を説明した。


「芸術部門では、世界中の絵画、彫刻、工芸品を収集する」


「学術部門では、古代の書籍、技術資料、魔法書を収集する」


「文化部門では、各地の民族文化、言語、伝統を記録・保存する」


「歴史部門では、失われた歴史の謎を解明し、記録する」


「そして、特別部門として『美の探求者』を設ける」


最後の部門は、特にミリリィアを意識したものだった。


「美の探求者は、世界中の美しいものを見つけ、その価値を評価し、保存する役割を担う」


ミリリィアの目が大きく輝いた。これは、まさに彼女のためのような部門だった。


「報酬システムは、従来の金銭的報酬とは異なる」


クラル王は説明を続けた。


「まず、成果に応じて称号を授与する。称号は昇格制で、より高い成果を上げることで上位の称号を得られる」


「次に、特別な特権を与える。図書館の特別閲覧権、王宮への出入り許可、不朽の神との面談権など」


「さらに、名誉年金を支給する。これは生涯にわたって支給され、子孫にも継承される」


「最も重要なのは、達成した成果が永遠に記録され、王国の歴史に名前が刻まれることだ」


龍族にとって、永遠性は最高の価値だった。自分の名前が永遠に残るという栄誉は、金貨以上の魅力があった。


永遠の遺産プロジェクトが正式に開始されると、予想以上の反響があった。


「応募者が殺到しています」


プロジェクト事務局長に任命されたエリー(75歳、外見45歳)が、嬉しそうに報告した。


「芸術部門に500名、学術部門に400名、文化部門に300名、歴史部門に250名、美の探求者部門に600名が応募しています」


「美の探求者部門の人気が高いな」


「母の影響かもしれません」


エリーは苦笑いした。ミリリィアが率先してこの部門に参加したことで、多くの龍人族が興味を示していた。


「選考基準は?」


「厳格な審査を行います。単なる金銭的余裕ではなく、真の情熱と能力を重視します」


これは重要なポイントだった。鱗売りで得た金を使って簡単に参加できるようでは、根本的な解決にならない。


プロジェクト開始から3ヶ月で、早くも成果が現れ始めた。


「古代エルフの失われた魔法書を発見しました」


学術部門の研究者、エドワード・ブックワーム(54歳、外見35歳)が興奮して報告した。


彼は以前、鱗売りで堕落していた元学者だったが、このプロジェクトにより本来の情熱を取り戻していた。


「この魔法書には、失われた治癒魔法の技術が記録されています」


「素晴らしい発見だ」


クラル王は心から称賛した。


「エドワード、君に『古代知識の発見者』の称号を授与しよう」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ