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メモリー5:中級ボス魔族マカロンと砦

お父さん、お母さん、お元気でしょうか。私は元気です、最近食料について色々悩むことがあったのですがなんとか問題解決しました。サツマイモとダイコンにとても似ていた野菜を収穫したので、サツマダイコンと名付けました。

口が少し甘くなる日々を送っていますが、なんとかこの砦の生活を軌道に乗ってきた感じがします。


いつか成長したサツマダイコンを送るので楽しみに待っていてください。



 



 「ご馳走様。」


食堂で1人、調理したサツマダイコンを食べ、1人ご馳走様を言う。こんなに寂しい生活が他にあるのだろうか、


 「過去も前までボロボロだったのになぁ。今じゃ私のおかげで見違えちゃうくらい綺麗になった。問題は掃除するのも後片付けするのも全部自分ってこと、、」


改めて認識する一人暮らしの大変さ、食器や調理の後片付けくらい誰かがやってくれても良いだろう。っと思っても結局未来の自分の負担になるかもしれないので、今頑張るしかない。

寂しいだけじゃなく大変それが一人暮らしの辛いところでもある。


 「第一私は1人でいること自体に慣れてないんだけどぉ。」


みんながいたら良いというわけでもなく。ただ話し相手がいなく1人寂しく気持ちを口にするくらいなら誰かがいた方が良いと思うくらい。

年頃の魔族の複雑事情的なそんな感じ、


 (だからまぁこの砦での生活は少し期待していたんだけどなぁ。)


裏切られたというわけでもなく、ただ単に情報が間違っていたのか、とか考えたり考えなかったり。ともかくこういう時は諦めるのではなくしっかり、真っ当に生きる。


ということで、いつも通り洗濯、掃除、農業を行い。気づいたら昼頃なので昼食をとって、お風呂を洗って水を沸かして、また掃除をして洗濯物を取り込んで畳んで、木を切りに行って

家具用にするために皮を剥いだり切り分けたりして、お風呂に入って、夜ごはんを食べてまた明日。


 って


 「これじゃあいつもと変わらない!というか、ただ忙しいだけのスローライフ!!!」


これじゃあいけない、いや別に間違っているというわけじゃない。生きていくために最大限のことをしているという点に置いてなんの間違いもない、ただ一つだけ。


このままじゃマカロンは多分死ぬ。


 「ゆ、勇者に殺さられる。こんなスローライフじゃ!」


ということで、私マカロンはかなり漁りつつも、脳内会議。


議題としてはどうやったら勇者を追い返すことができるのか、、


 『どうやったらって普通に罠敷くしかないでしょ』


マカロン一号はそう言った。しかしマカロン二号はその発言に眉を顰めて次のように言う。


 『どうしてだい?マカロンのかわいさは世界一だよ?』


 『世界一で勇者から逃げれたら苦労はしないよ二号。』


当たり前だがとても重要なこと、しかし戦闘面では役に立たない。


 『…肉体を変えることができるならウニにでもなれば?トゲだらけだから剣でもなんでも防ぎそうな気がするけど。』


三号は閃いたような顔をしながらスラッとそう言ったしかし周りの顔を見れば一目瞭然。


 『かわいさのアイデンティティの喪失を確認するからパスで。』


 『まぁそうだよね。』


言った本人(三号)までもが納得してしまう。そう、マカロンは可愛いのだ、逆に言えば可愛い以外に取り柄が何かあると聞かれれば特にない。強いてあげてもちょっとしぶといくらい、、


 『うーん、やっぱり一号の案が一番まともなんじゃない?』


 『でも、それシナリオ通りにやったら死ぬパターンでしょ?どうするよ、、』


 『うわーんもうだめだぁ。一周回って砦を放棄しよう!』


 『『それはダメ。』』


砦を放棄して自給自足ができるほど今のマカロンはたくましくない。野生に帰って生きるにしても力仕事が特別できるわけじゃないマカロンに、この世界は厳しすぎる。人間に見つかりでもすればやれ「厄介になるから」とかいう理由で討伐対象になりかねない。


勇者が魔王を倒したあかつきには、残党狩りなんていう名目で狩られてしまう可能性だってある。そうなるとただの問題の先延ばしだ。


 『ほら、早まらないの!くるかわからないなら、別に砦で過ごしても良いんじゃん。』


六号が逃げ出そうとしていた五号を羽交締めにして引き止める。


 『来たら死んじゃうじゃん!!』


 『まぁ、そのための今の会議なんだけど。もし来ったらっていう……』


 『でもマカロンの罠ってどんなのがあったっけ?仮に罠を張るっていう戦法を取ったとしても普通の罠なら多分突破されるでしょ?』


 『えーと、私の罠。私の罠はぁ』


 『シビレ串刺し罠、落とし穴(即死)、天井から岩が落ちてくるやつ、制限時間以内に条件をこなさないと水責め、火責め、雷責め、通ったら問答無用に絵に閉じ込める罠、メガネに変えられる罠、ジャンプ禁止の中足場の飛び越え、射的を外すと最初からやり直しの罠、キャラクターの育成に失敗すると落とし穴で即死の罠、全く同じ動作で人形を10体作らないといけない罠、鉄骨綱渡の罠、連立方程式を利用した罠、6万ピースのパズルを作らないといけない罠、知恵の輪の罠、マッピングしてないと即死の罠、百問百答の罠、間違え探しの罠、死んだ回数が一定以上に達してないと最初からの罠、マカロンと人生ゲームする罠、ナゾナゾゲームの罠、ゲームを10時間以上つけてないと突破できない罠、筆者の心情を答えないといけない罠、ケーキを作らないといけない罠、紐なしバンジージャンプをしないといけない罠、マカロンが用意した専門書10冊を読んでそれぞれ感想を一万文字以上書き上げないといけない罠、モンスターと戦いながら野球拳しないといけない罠、指スマして勝たないといけない罠、1時間座禅しないといけない罠、マカロンと隠れ鬼しないといけない罠、円周率を100桁まで言わないといけない罠、塩と砂糖が混ざった山からそれぞれを分けないといけない罠、操作が六秒遅れて動く部屋でマカロンにじゃんけん10勝、etc』


 『確かそれでもまだ1/10のくらいだったでしょ。一応全部覚えてるけど、逆にこれ作るの難しくない?』


 『新しいのがないというか、そんなのありえないくらいの量あったよね。だから、マカロンの罠はこのゲーム屈指の可愛くない難易度なんだよ。』


 『でも、全部世界観準拠だし、絶対無理がないよね。』


 『じゃあいっそのこと絶対無理系作る?。』


 『良いんじゃない?倒されないならそれが一番だし』


 「いや、ちょっと待って。」


私は現実世界に戻り、そう口に出す。


 「マカロンの記憶じゃ、本人が攻略できないとトラップとして成立しないって。」


詰まるところ、自分がクリアできないのに、他人にやらせるものなのか?っと言ったところ。そりゃそうだと納得する話だが、それは遠回しにゲームの世界の方のマカロンはこの難題たちを1発クリアできた張本人だということ、中には即死のものもあるため、マカロンは即死を回避しながらやり切ったということ。


 「ここまでの罠全部回避できるなら、魔王すら夢じゃない気がするけど、王様なんてめんどくさそうだとかマカロン思いそうだなぁ。」


その結果が1人寂しい砦の主人なら、まぁ納得はできる。客観視してみるとマカロンのかわいさだけではない異常性や、ゲームで語られていない部分が出てくるのは少し個人的に嬉しい、なんせ前世はファンなもんだから。


 「うん、とりあえず罠を作るために頑張るって方針で行こうかな。でも罠って、」


記憶を辿ってみると、罠を作るためにはそれ相応の魔法が必要であり、マカロンはその魔法を習得していない。第一そんな魔法は高等的なものであり、マカロンはそれに触れすらしていない。


 「誰かから教えてもらうか、本から読み解くか。」


そのためには一度戻る必要がある。懐かしの学校に、里帰りといえばそうかもしれないけど。


 「いや、何がなんでも早すぎる。もう少し待ってからでも良い気がする、だって問題自体はまだまだあるわけだし。」


どういうことかと言うと、私マカロンの食事事情はとりあえずクリアしただけであり、このままサツマダイコンを食べるわけにも、1日の半分以上を家事に費やすことも、外装補修すら済ませていない砦で働くことも、全てあまりにもリスクが高いということ。


きっちりとした時間確保ができないまま、ここを留守にするのは少し不安。給料は一応口座に振り込まれているらしいけど、ここに銀行なんてものはないし、


 「誰かがここに引っ越してくれたらなんだけど。」


そんなことまずないので後で考えるとして、今日はもう寝るしかない、歯も磨いたし。


 「よし、おやすみ。」








 


次回 中級ボス魔族マカロンと問題

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