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メモリー3:中級ボス魔族マカロンと遅れてくる記憶

お父さん、お母さん、お元気でしょうか。マカロンは一応元気です、最近は多忙に多忙を極めることが多くすぐ電池切れしてしまう今日この頃。なので、今日はフリーデイという名の休日をもらうことにしました。


働きすぎは体に毒というのを聞いたことはあったし、体験したこともあります。でも……私の仕事が終わるわけではないという現実に心がやられそうです、他の誰かが仕事をやってくれたらなぁっとも…思ったり、、思わなかったりー。


でも、挫けちゃダメなので…がんばります!なにせ給料はいいので、、現金マカロンではなく、しっかりとやりがいマカロンとして来週も頑張ります!!




今日の私、マカロンは休日です。と言ってもただ単に掃除やら砦の修復やらをお休みするだけの日っていうことなんですけどね。

だから今日は久しぶりにマカロンはお昼寝三昧したいと思います。


お昼寝はそんなに好きな方じゃないのですけど、ここ最近の忙しさというか自己労働というか、そんなんで体がもうゴリゴリというかバキバキというかボキボキなので、いい加減休まないと無理が祟ってしまうかなぁっと思いましてですね。


 「ぁぁあ〜。」


情けない声を出しながらベットに体を預けるのはとても気持ちがいい。毎日ベットを洗い続けて、このお日様の香りを手に入れるのはちょっと苦労した。ところどころ綿が出てきそうな部分も全て手作業で縫い合わせをして、埃っぽさを取るために毎日しっかりと丁寧に洗い、部屋の掃除をいつも以上に頑張り、姑にチェックされないレベルの完璧具合。


部屋は清潔感漂っているし、マカロンはお風呂も入れてご満悦……


 「今日は休むぞー、マカロン休んでやるんだぁー。」


暖かい日差しが窓を通して私の腹部へあたる。気分を害さないレベルのちょうどいい、まさにパーフェクトデイが如く。大の字になって目を瞑ればすぐ眠りに入れる。


 「はぁ〜恐悦至極。」



そして私は睡眠に入った、もちろん朝食は食べたし朝風呂も済ませた。朝にやることは全部やって二度寝という禁じられた世界に足を踏み込む。


ある意味1人っていいのかも…っと思ってしまう。



このままなんにも考えず、砦を修復して掃除して……マカロン砦みたいなのを作ってずーっと静かに過ごしていけば、ここに勇者が来ることも……。、、、ん?


 (あれ、勇者って確か…スィート砦に、)


その時私に電流走る。それは前世でやっていたゲームの内容、オーソドックスなRPGで、ニートの姉に勧められてやってみてハマったゲーム、姉のことはそこそこ気にはしていたが仲が良かったわけではあまりなかったため、そのゲームを通じて姉という存在を良く認知できたのだとという記憶……、いやいやそんなこといい!!


問題は、


 「………もしかして私マカロン、殺される?」


目をぱっちりと開き、私はそう口にする。ゲームでは隠しボス(みたいな)扱いだったため正直に言えばこちらに来る可能性はほとんどないと見ていい、しかし万が一、億が一という可能性は否定しきれない。


 「そ、そう考えるとお昼寝している場合じゃない気がする。」


勇者が魔族絶対殺すマンだった場合、私はこの砦に籠るだけでは済まされないのかもしれない。かなり温厚な魔族としての自覚があったのにこんなのないとマカロン率直に思うんですが、向かって来るなら仕方ない、


 「第一私マカロン勝てるのか、勇者に。」


…………無理だな。


 「まず、私自身が弱い…中級ボス魔族の中でも最弱な能力を誇っていた私、なんせ特技は自己変造だったし思い出してみれば攻撃方法があまりにもしょぼかった気がする。」


って自分で言っててかなり凹む、いくら前世がマカロンのこと好きでも自分で自分をボロクソに評価するのは、いけない。下手したら実家に帰ってしまう。


 「そうか、実家にって………それはダメだよー。」


上に、「私もう数勇者に殺される気がしたので実家に帰ります」っで辞表出せたらどんなに楽か、それにここはスィート砦…破棄されてこんなボロっちい状態になっても魔族が作って誇り高き砦だ、下手したら適当な罪とかに問われないかな、とも思ったり思わなかったり、


 「つまりは逃げばなし。」


私マカロンの優位性なんて一つしかない、それは圧倒的可愛さ(前世の自分評価)ゲームで入った私だが、マカロンのグッズだけは買っているというなんとも気持ち悪いことをしていたことも同時に思い出してきた。


ていうか、運営が完全にマカロン推しのせいで、勇者や魔王よりよっぽど展開が多い、わかってるなという他ないのと同時に。もうマカロンの外伝作品でも出して仕舞えばよかったのに、っとも思う。


 「まぁ勇者より美形なんだけどさ、ほんと。可愛い美少女で参っちゃう。」


でも今はこの可愛さを引き換えに力が欲しいと願ってしまう。


 「……………いやそれはマカロンじゃないな、」


っといったん冷静になって今重要なのは、勇者との戦いが避けられない以上、どうやって勇者と戦うかというか迎え撃つかだ…


 「ゲームと同じなら普通に向かっている途中の村で依頼を受けて、結構な難関を突破した後に出てくるのが私だ。」


依頼は確か『近くに魔族がいるので倒してください』、、私何もしてなくない?。これってマカロンが普通に過ごしているだけで、襲われたって感じじゃない?。


 「………ふ、不遇すぎる。マカロン転生はある意味失敗だったのかもしれない。」


じゃあ諦めるってそうじゃない、ゲームではマカロンを倒すのになんの努力も入らずに倒せた気がする、なんならその前にギミックがとても難しくて。


 「それだ、」


マカロンの何が苦戦したかって、砦前のトラップだ。単純であるが、その分専門的な問題が出てきたりして結構勉強していた私ですら、難しいと感じるほどに…


 「確かにマカロンは秀才タイプでわらながら頭はバカじゃないと思う…バカだったら私が泣いてる。」


ならば自分自身の実力で勝負するというよりも姑息なトラップで立ち回った方が自分を生かす確率が高くなる。


 「うん、姑息はどうかと思うけどこれならいいかも…何せ自分の手を汚さないのが一番だもんね…ってマカロンてこういう子じゃないよね、」


やっぱりというかベースはマカロンだけどアクセントに私が加わっている気がする、でも変に共存関係を築いている……双方とも嫌な気持ちはしないものの、それはそれで自分自身を失いそうな危険がある。


 「でも、私もマカロンだから、そこら辺は気にしない方がいいよね。どっちもこの体の中にある一つだけど、今の人生というか魔族生はマカロンなわけだし。」


そう、人格が二つあるというわけじゃなく、いずれも地続きの人生であるようで人格としてはかなり違っているので……うまく表現しようとすると頭が痛くなるのでここまで、、


 「そうと決まれば、"明日から"頑張ろう。今日はお休みマカロン、パンも寝かせるっていうし、」


私は再びベットに横になって、目を瞑る。なんか大変なことがこれから続いていく気がするけど、まぁなんとかなるよね。危機感がないって言っても、前世と違って苦労もあるけどそこそこ自由というか何にも縛られてないから、、


 (前世はちょっと生きづらかったしなぁ〜主に姉のせいで)


でもここでは自分が何をするにも制約なし、自分のためだけに自分のことしかやることがない。ある意味スローライフみたいな感じだ。役目は重かったり殺されそうな未来があるかもだけど、そこはそれ…今はただただおやすみマカロン。



次回 元ヒキニート勇者リンとゲーム式異世界召喚

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