表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
6/7

おにぎりを食べて両想い

昼飯時になって、俺と美琴は備え付けてあるベンチに隣同士で腰かけた。


どこかへ食べに行くのもいいが、何か買って食べるのも捨てがたいと先ほどから顎に指をあてて思案している。


俺は口角を上げて言った。


「食事なら俺に任せてもらおう」

「不動さん、おいしいお店を知っているんですか」

「そうだな。少なくともお前が何よりも喜ぶ料理は知っているつもりだ」


俺は指を鳴らして虚空から重箱の包みを取り出した。


スター流メンバーは指を鳴らすことで何でも出現させることができるが、こういうときは荷物が少なくて便利だと思う。


「開けてもいいですか!?」

「当然だ」


美琴がワクワクしながら包みを解いて、重箱のふたを開けると中から三角や俵型に握られたおにぎりが姿を現した。


「いただきます!」


彼女はさっそく手を合わせてぱくぱくと食べ始める。


「うまいか」

「はい!」


握り飯は箱から次々と消していく。


最後の一個が残ったところで美琴は俺に握り飯を差し出した。


「不動さんも食べてください」

「俺はいらん」

「せっかくのおいしいおにぎりですから不動さんにも味わってほしいんです」

「……」

「お口を開けてください」


俺が言われるがままに口を開けて握り飯を食う。

多少冷えてはいるが味は悪くない。


「おにぎりは大好きな人と一緒に食べるともっとおいしくなるんです」


妙なことを言ってから美琴は耳まで赤くなりあわあわとしはじめた。


美琴よ。お前の想いは確かに受け取った。


「これからもよろしく頼む」

「はいっ!」


俺と美琴は軽く拳を突き合わせて、デートは終了するのだった。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ