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青色の薔薇  作者: キハ
1オレンジの薔薇「信頼・絆」
8/26

運動会に向けて

久しぶりに会話のシーン入れたな…

 運動会の練習も本格的になってきた。

 6年生の出し物は組体操とフラッグダンス。

 組体操は足がふらつくし、バランスがむずかしい。

 フラッグダンスは振り付けを覚えるのに苦労をする。

 でも、栄生はそれを全て難なくクリアした。

 栄生にとっては簡単だったのだ。


 しかし、100メートル走は足が遅いので不安しかない。


 それはともかく。


「プログラムです」 

 運動会まであと3日のときにプログラムを配られた。

 栄生は配られると自分の担当の放送のところに印をつける。


「ん?なんで印つけてんの?」

 近くの席の晃が?顔で見てきた。

「おまえそこやらないだろ」

「自分の放送するところだから」

「そういうこと」

 晃は納得したのかふうんと言う。

「おれここでするよ」

 と、印の指したところを指差した。

「そ、そうなの?」

 別に栄生は晃に特別な感情は何も抱いていない。

 クラスメイトの男子として見ているだけだ。

 そのせいで余計に返答に困る。

「その時に放送やるんだ」

「…そうだよ」

 晃が応援しているときに放送をする──そう言われたみたいで、ドキリとした。



「栄生ちゃん、この絵でいいと思う?」 

 休み時間リコがフローガン係の絵を栄生に見せてきた。

「上手い!リコが描いたの?」

「いや…」

 リコは少し渋い表情をした。ほんの少しだけだが。

 それだけで、付き合いの長い栄生に悟られた。

「いや?何?」

「それ、沙羅ちゃんが描いたの」

 そこへ沙羅がひょこっと現れる。

「そう!私が描いたの。上手いでしょ??」

「う…ん」

 沙羅のことは褒めたくない。

 しかし、上手さは本物だ。褒めるしかない。

「リコが描いた絵は?」

「……いや、私絵下手だから」

 リコはそう言い、沙羅と絵の紙を持って作業を始める。

 リコは絵が下手じゃない。沙羅と比べると引け目を感じるが、それなりの腕前はあるはずだ。

 なぜ、下手だというのだろうか。

 そう栄生が首をひねっていると、「ああそれ」と返ってきた。


「!?」

「口に出てたから答えた」

 返事をしたのはシュンだった。

「出てた?」

「うん」

 栄生は思ったことが口に出ていたらしい。

 恥ずかしくなる栄生。

「リコの絵のことでしょ?それさ、沙羅が邪魔したらしいよ」

「え…?どういうこと?」

 栄生は目を見開いた。

 沙羅が邪魔をした。どういうことか。予想外のことだ。

「リコと沙羅で分担しようとしたんだけど、沙羅が全部やっちゃって…おれは全部見てたよ」

「リコは一つも描いてないの?」

「そうだよ。フローガン係だったから分かる」

 シュンは淡々と言う。

「ありがとう、教えてくれて」

「だから、答えただけだから!」

 少しキツめに怒鳴るシュンはさておき。

 栄生は沙羅の元にかけよった。

「──!?」

 沙羅は振り返る。


「リコの邪魔、したの?」

 ストレートすぎる言葉。

 いきなりのことで沙羅は面食らう。

「邪魔って何よ?何を言い出す気!?」

「リコの絵描かせてないんだね」

「描かせてない…いや、描きたくないって言ったから!」

「言うと思う?…リコが」

「……っく」

 沙羅は言い返せないのか唇を噛んだ。

「言ってたよね?リコ!」

「ん……──」

「はっきり!」

 リコが言い淀む。

 そこに沙羅はたたみかけた。

「ほらっ!」

「うるさい」

 シュンが止めていた。

 沙羅の続きの言葉を。

「見てたから」

「…シュンまで?」

 はぁと沙羅はため息をつく。

「でも、私の方が上手いでしょ?」

「それは認める。けど、リコだって下手じゃないから分担するべき」

 栄生の言葉に、そして睨んでいるシュンに観念したのか、沙羅は再びため息をつく。

「分担するわよ…栄生、棒読みで読んだら許さないからね」

 そう言って沙羅はリコと話し合うことにした。



 そして──運動会まであと3日。

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  忘れな草作
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