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青色の薔薇  作者: キハ
1オレンジの薔薇「信頼・絆」
3/26

運動会準備

(うわ…栄生ちゃん放送係になった!)

 栄生が勝ったところを見たリコは小さく微笑んだ。

 栄生はリコに「絶対放送」と言っていた。だから、親友が望む係に行けて自分もうれしい。


「フローガン係をやりたい人」

「「はい」」   

 リコが手を挙げる。

 誰かと声がかぶった。

「じゃあ、中山さんと如月さんだね」

 もう一人は沙羅だった。

「あと二人空きがあるので、やりたかったら言ってください」

 リコは心の中で冷や汗を垂らす。

 中山沙羅。

 クラス委員長で目立つ存在。もちろん、気配もすごく、隣にいると圧倒される。

 そんな彼女と同じ係──不安しかない。

「じゃあ、フローガン係入ります」

 と手を挙げたのはシュンだった。

 自分のやりたい希望におちたから、フローガン係にしたのだろう。

「じゃあ、あたしも」

 もう一人クラスメイトの女子も手を挙げる。

「はい、うまりました」

 フローガン係は以上の4人となった。


「ねえ、聞いてよ」

 休み時間。リコはふいに声をかけられた。

「!?」

 ふりむくと沙羅だった。

 勝ち気な瞳に怒りをためている。

「フローガン係よろしく」

「…はい。よろしく」

 リコはおどおどしながら返した。

 怖い。なぜか沙羅は怒っている。

 逆鱗に触れたくない。触らぬ神に祟りなしだ。

 リコは去ろうとした──が。


「フローガン係になりたくてなったわけじゃないの。そこは承知しといてね」

「なりたかったわけじゃないの?」

 沙羅はニヤリと笑った。

 リコはしまったと思う。

 つい答えてしまったのだ。

「そう。放送係で負けたのよ」

「栄生ちゃんが勝ったんだよね…?」

「うん。棒読みのくせに」

 沙羅は栄生の悪口をスラスラと言う。

「ね、そう思わない?棒読みだと思わない??」

 リコの表情が強ばる。

「別に…」

 とっさにそう答えた。

 沙羅があっそと冷めたように言う。

「ま、フローガン係でよろ〜」

 リコは固まったまま沙羅の後ろ姿を見つめる。

 栄生本人に言うべきか。

 しかし…。

『影の悪口は本人に言わないほうがいいです。本人が傷つくので』

 と言う教えがある。

 それはだいたいの人が言っていることだ。

 リコは栄生にこのことを話さないことに決めた。 



 沙羅は栄生を目の敵にしているであろう…

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  忘れな草作
― 新着の感想 ―
[良い点] 沙羅ちゃんみたいなタイプの子、いました! 平気で悪口言っちゃうんですよね〜。 でもリコちゃん優しくて安心しました(*´-`) 本人が聞いたらやっぱり傷つきますからね(>_<)
2022/02/10 07:39 退会済み
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