いろは坂
いろは坂ごときに、説明が長引いてしまった…
カクン、カクン、とバスが揺れる。
これは、観光バスだ。
しかし、それでも多少の揺れはあるのだろう。
中では、子どもたちの笑い声と熱狂が響いていた。
栄生たちのビンゴなど、バスレクが終了し、バスは高速をぬける。
「はい、みなさん。バスは日光につきました。これから、高速道路をぬけて奥日光に向かいます。そしたら、華厳の滝を見学する予定です」
バスガイドさんの案内を聞きながら、みんなは談笑する。
華厳の滝の説明が続いている中、栄生とリコは話していた。
「日光もう着いたんだね」
「意外と早かった〜!あと30分……か」
腕時計を見ながら栄生がつぶやく。
「華厳の滝見学まで30分なの?なら、その30分はどこを走っているの?だって、高速ぬけたじゃん?」
「たぶん、いろは坂だと思うけど……」
栄生の返答にはてな顔のリコ。
「なんか、さっきクイズでなんか言っていたけど…」
「それ。答えが48カーブだったでしょ?それを上下に分けて、山を登るの」
「う……ん」
そこへ、ちょうど良くガイドさんの説明が入る。
「華厳の滝につく前に、いろは坂を登ります」
困惑する生徒たち。
「いろは坂というのは、急な斜面を車が登りづらいため、作られた道です。先程、みんなが答えていたクイズでもあったように48カーブあります」
ガイドさんは、栄生のクイズを聞いていたらしい。
「では、ここで質問!上りと下りで別れているのですが、上りは何カーブでしょうか?」
しまったと栄生は顔をひきつらせる。
そこまで調べてこなかった。
痛いところをついてくる。さすが、バスガイドさんだ。
「……24ですか?」
「違いまーす」
みんなの答えをハズレといいのけるバスガイドさん。
ようやく、的も絞られていき。
「20カーブ?」
「正解です」
と栄生ではないクラスメイトが正解した。
悔しそうにする栄生。
「はい、そうです。いろは坂は20カーブと28カーブに別れており、上りが20。下りが28です。行きに登るのは、上りカーブの方です。ちなみに、いろは坂はいろは歌の字とカーブ数を合わせているのですが、いろは歌、全部いえる人ー!」
自信満々に栄生は手を挙げる。
実は、日光前に必死に覚えたのだ。
「いろはにほへとちるぬるを わがよたれぞつねならむ ういのおくやまけふこえて あさきゆめみじよいもせず」
ガイドさんはにっこり。
「だいぶあってます。最後、よいもせずではなく、”よいもせすん”です。香り豊かで色鮮やかに咲き誇る花も、いずれは散ってしまうという意味で、早く仏教の道に入りなさい、という言い伝えと言われています」
いろはにほへとちるぬるを
わがよたれそつねならむ
ういのおくやまけふこえて
あさきゆめみしよいもせすん
色は匂へど 散りぬるを
我が世誰ぞ 常ならむ
有為の奥山 今日超えて
浅き夢見じ 酔ひもせず
いろは歌は日本の昔の「あいうえお」にあたる──。
「そろそろ、いろは坂が近づいてきました。ここは馬返しです。いろは坂が急なため、馬では進めないと、馬を返す場所でした。今は、バスとか車があるから便利ですが」
少し行くと”い”と書かれた看板が見えてきた。
カーブごとに、いろは歌の文字の看板があるのだ。
「では、看板を見つけて楽しんで下さい」
ガクン
少し、揺れるがシートベルトをしているため栄生には普通にしか感じない。
だが、周りの生徒は酔うのも何人か出てき始めた。
看板を見つけ、いろは坂20カーブを登り切る。
いよいよ、華厳の滝の見学だ。
ルート説明(1日目)
7:20 出発式
7:30 学校出発
9:00 羽生PA休憩
10:30 華厳の滝見学 ⇦
11:15 華厳の滝発
11:30 昼食(中禅寺湖)
12:05 中禅寺湖発
12:30 湯ノ湖着
ハイキング開始
14:00 湯滝着
14:10 湯滝発
14:30 竜頭の滝着
14:45 竜頭の滝発
15:25 宿舎到着
(以下、宿舎でのことは複雑なので略します)
栄生のクイズは次回に後回しですm(_ _)m




