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青色の薔薇  作者: キハ
2緑の薔薇「穏やか」
19/26

行動班

 レクなどの通しも終わり。

 他にも日光移動教室で説明されることは多かったが。


 7月17日から8月22日までは夏休みとなった。


 ──と夏休み入る前に決めることがある。


 そう、一番大事な行動班だ。


「まずは、同性で3人ずつ組んで下さい」

 女子なら女子と3人組む。

 男子なら男子と3人組む。

 つまり、同性なら、仲が良い人と組んでいいということだ。


「栄生ちゃん♪」

「もちろん、リコ」

 栄生とリコは速攻組む。

「わたしも入っていい?」

 そこへ、リコの友達であろうあみも入ってきて、3人となった。

 女子3人、決まりだ。


 他の生徒も同性同士で3人組んでいる。

 みんなを見渡した先生はくじを取り出す。

「今から、3人グループの中で一人代表として、くじをひいてもらいます」

 女子は5グループ、男子も5グループ。

 女子と男子、両者とも、1〜5の書かれたくじを引いて、同じ数字同士だったグループが「行動班」として形成する仕組みだ。


「誰引く?」

「……──」

 栄生が代表をリコに推薦しようとしたが、無言で断られた。

「去年、林間学校でくじ引いてくれたでしょ?その時のくじ運よかったし……」

「何か嫌な予感がするから」

 ちなみに、去年は同じ決め方でリコと栄生は同じで、リコがくじを引いたら、嫌いではない普通の男子と同じになったのだ。

 なので、そこそこのくじ運だと栄生は解釈したのだが……。

「嫌だ」

 と断られてしまったのである。

「じゃあ、わたしがやるしかないのか……」

 栄生が、仕方ないと言いたげに引こうとした矢先。


「じゃあ、わたしが引くよ」

 あみが割り込んできた。

「!?」

「リコちゃんが引かないんなら、引いてこよっか?」

「おねがい」

 あみが分かったと承諾し、くじの引くところに行く。

「好きな人の組が当たりますように」

 かすかだけど、栄生にはあみがそうつぶやいたように感じた。



「何番引いた??」

 あみが戻ってきた瞬間、栄生は詰め寄った。

「3‼」

 3番。

 果たして、男子側で3を引いたのは誰だろうか。

 胸がドクンドクンと高鳴り始める。

「では、発表です。1番引いた方ー」

 自分が引いた番号に手を挙げて顔を見合わせる形式らしい。

 あみが3番に手を挙げる。

 男子の方からは……。


「はい?シュン!?」


 固唾を呑んで見守っていた栄生は情けない声を出した。


 3のくじを引いた男子グループの代表はシュン。

 たまに喋るシュンであった。

 まあいいか、と栄生は思ったが。

「……最悪」

 隣でリコが震える声を出した。

「!?」

「意地悪そうな男子じゃん……後の二人が誰なのかにかけないと」

 と、心底嫌そうな顔をしていた。

 その雰囲気に気圧されて、栄生は後退りする。

 そこに、あみが笑顔で戻ってきた。

「やった〜‼願いが叶った〜!」

 こちらはリコと違って心底嬉しそうな顔をしている。

「あと二人だれ?」

「う〜ん、シュンくんと、晃くんと、(みなと)くん!」

 湊くん、の部分を語句を強めてあみは言った。

次回日光移動教室出発♪

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  忘れな草作
― 新着の感想 ―
[良い点] 班決めってドキドキですよね! あの時の気持ちが蘇ってきました(#^^#)
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