行動班
レクなどの通しも終わり。
他にも日光移動教室で説明されることは多かったが。
7月17日から8月22日までは夏休みとなった。
──と夏休み入る前に決めることがある。
そう、一番大事な行動班だ。
「まずは、同性で3人ずつ組んで下さい」
女子なら女子と3人組む。
男子なら男子と3人組む。
つまり、同性なら、仲が良い人と組んでいいということだ。
「栄生ちゃん♪」
「もちろん、リコ」
栄生とリコは速攻組む。
「わたしも入っていい?」
そこへ、リコの友達であろうあみも入ってきて、3人となった。
女子3人、決まりだ。
他の生徒も同性同士で3人組んでいる。
みんなを見渡した先生はくじを取り出す。
「今から、3人グループの中で一人代表として、くじをひいてもらいます」
女子は5グループ、男子も5グループ。
女子と男子、両者とも、1〜5の書かれたくじを引いて、同じ数字同士だったグループが「行動班」として形成する仕組みだ。
「誰引く?」
「……──」
栄生が代表をリコに推薦しようとしたが、無言で断られた。
「去年、林間学校でくじ引いてくれたでしょ?その時のくじ運よかったし……」
「何か嫌な予感がするから」
ちなみに、去年は同じ決め方でリコと栄生は同じで、リコがくじを引いたら、嫌いではない普通の男子と同じになったのだ。
なので、そこそこのくじ運だと栄生は解釈したのだが……。
「嫌だ」
と断られてしまったのである。
「じゃあ、わたしがやるしかないのか……」
栄生が、仕方ないと言いたげに引こうとした矢先。
「じゃあ、わたしが引くよ」
あみが割り込んできた。
「!?」
「リコちゃんが引かないんなら、引いてこよっか?」
「おねがい」
あみが分かったと承諾し、くじの引くところに行く。
「好きな人の組が当たりますように」
かすかだけど、栄生にはあみがそうつぶやいたように感じた。
「何番引いた??」
あみが戻ってきた瞬間、栄生は詰め寄った。
「3‼」
3番。
果たして、男子側で3を引いたのは誰だろうか。
胸がドクンドクンと高鳴り始める。
「では、発表です。1番引いた方ー」
自分が引いた番号に手を挙げて顔を見合わせる形式らしい。
あみが3番に手を挙げる。
男子の方からは……。
「はい?シュン!?」
固唾を呑んで見守っていた栄生は情けない声を出した。
3のくじを引いた男子グループの代表はシュン。
たまに喋るシュンであった。
まあいいか、と栄生は思ったが。
「……最悪」
隣でリコが震える声を出した。
「!?」
「意地悪そうな男子じゃん……後の二人が誰なのかにかけないと」
と、心底嫌そうな顔をしていた。
その雰囲気に気圧されて、栄生は後退りする。
そこに、あみが笑顔で戻ってきた。
「やった〜‼願いが叶った〜!」
こちらはリコと違って心底嬉しそうな顔をしている。
「あと二人だれ?」
「う〜ん、シュンくんと、晃くんと、湊くん!」
湊くん、の部分を語句を強めてあみは言った。
次回日光移動教室出発♪