レクのイベントがハラハラ
次の日。
レクレーションのメンバーが会議のため集まった。
まずは、顔見合わせと何をするかについての説明だけだ。
「集まりましたね」
先生は一同を見渡すと、司会台本を配った。
「流れとしては、歌を歌って火を点火。その後にダンスをします。2日目は肝試しですね。やりたい司会の部分に手を挙げて下さい」
進行司会
火の精
ルール説明係
大きく分ければこの3つである。
進行司会は一日目と2日目、そして状況によって変わる。
火の精は火を灯した棒を持つ係。基本4人。火の神は先生が。
ルール説明係はダンスや、肝試しのルールを説明する係。
とまあ、大役や小役とあるが、栄生は火の精に迷わず挙手。
「なんで、栄生は迷わず手を挙げられのよ?」
刺々しく言う沙羅がいつの間にか隣りにいた。
「去年の林間学校での火の精がいいなって思ったから」
「……そうなんだ」
ボソリと言う沙羅。
「去年の火の精をやっている人に憧れたの?」
「そんなんじゃない。私はやっている人に憧れたわけじゃなくて、その役に憧れたの」
「あっそ」
「あっそって言うなら聞かないでよ……」
「別にいいでしょ、聞いたって」
相変わらず無愛想な沙羅であった。
一通り、人数が決まった後は説明だった。
まずはキャンプファイヤーの一日目。
歌を歌った後に火を点火。
その後、オクラホマミキサーとマイムマイムというダンスをするらしい。
次は二日目の肝試し。
昼に肝試しのコースを歩いて記憶し、夜に暗い中のコースを歩くという。
4人グループで出発。男女二人ずつ。
という男女交際が多いハラハラ展開のものばかりだったが。
トドメはフォークダンスであるオクラホマミキサー。
「これは、男女手をつないでダンス。どんどん相手が変わっていきますが、はじめのペアは後日に決めます」
そう、男女手を繋ぐということがない栄生たちのハプニングの始まりだった。