次のイベントは…
運動会が終わり、学校の行事は一段落した。
「大変だったな…運動会!」
「……──」
「ねえ、やるとこ間違えてるよ、沙羅」
「…貴方に言われたくない」
「掃除はきちんとしておくものだよ?」
「──それは認めるけど」
正論を栄生は言った。なのに、沙羅はしかめ面でまるで「おまえがまちがってんだよ」と言いたげに睨んでくる。
今は、掃除の時間だ。
6月になって、掃除の当番をまた決め直したのだが…なんと沙羅と一緒になってしまった。
なんとなく苦手意識しかないので、少し面倒。
そして、もうひとりの掃除当番は、うるさいと言いたげに睨んでくる。
「…静かにもできないの?」
「あのさ、私沙羅に注意してただけだし」
「違う。おれは沙羅に言ってるの」
「なら、良かった」
しかし、沙羅はムッとした顔になり
「うるさいのはそっちじゃないの?シュン」
「……──」
シュンは何を言っても無駄かと思ったのか無視。
「無視、しないでくれる?」
そこに沙羅がつけ込んできた。
「はあ…だって言い返したら余計うるさくなりそうだもん」
「誰が!?」
そんな二人を栄生は笑って見つめている。
「仲がいいの…?おもしろ」
「わたしはこんな不良男子、嫌いだわ」
「不良…?!」
今度はシュンがムッとした顔になる。
「っぷ!?シュンは不良じゃないよ」
栄生は少し笑いながら庇ったが。
「笑うな」
シュンに睨まれた。
「はいはい。掃除やって」
もう一人の掃除当番であるリコに仲裁される三人。
「はーい」
「えー」
「私は悪くないのに」
「とにかく、やって」
4人は文句を言いながらも、掃除を再開した。
「運動会が終わったー」
「だね。あっけなかったよ」
掃除が終わって戻るときに、栄生のつぶやきにリコが同感と言う。
「わたしは大変だったよ。沙羅に文句言われるし」
「でもまあ、認められたからよかったんじゃない?」
実際、沙羅は悔し紛れに認めてくれた。
あの顔、もう一度見たい。
「次は…日光移動教室かなー?」
リコのつぶやきに栄生が反応する。
「お‼大イベントだ‼」
「いつだろうね、まだ日程知らされてないけど」
「楽しみー!去年の林間学校より面白そうだし」
「私も楽しみ」
二人は日光移動教室に思いを馳せた。
どんなことをやるんだろ。
どこに行くのだろう。
そして…いつ行くのだろう。
6年生の大イベントは日光移動教室だ。
作者からのつぶやき。
あーあ、コロナで林間学校行けなかったんだよね…
悲しい。栄生は楽しんで行っただろうな。