カフェっていうより喫茶店
カフェっていうより喫茶店が好き
どちらも一人で入るのには勇気がいるけれど
喫茶店のほうが似合う
一人で入るのが似合う
渋みの滲むマスターだとか
綺麗な笑顔の店員だとかよりも
おじいちゃんとおばあちゃんが二人でやってるから
ほっとするのがいい
大概のことはしても恥ずかしくない
そんな喫茶店が好き
くつろげる
昭和の匂いのするワインレッドのふかふかの椅子に座って
水を飲んで
水を飲んで
水を飲んで
たまに苦いコーヒーを飲む
やはりブラックがいい
ティーカップみたいにヨーロピアンなコーヒーカップで
苦さを味わって
舌をびえ~~~って出して
水を飲んで
水を飲んで
水のむこうに残ってる
香りの記憶をたのしむ
ねこがいたりもする
あの虫が床を這わないかドキドキするけど
いない
ねこのアゴの下を撫でにいきたいのを我慢して
ワインレッドに塗られた木製の広いテーブルにキーボードを置いて
タブレット立てて
あたしの世界に入り込む
微かな音量で
イージーリスニング
誰も邪魔しない
あたしだけの世界
香りの記憶
うっかり雨漏り
おじいちゃん寝てる
おばあちゃん奥でテレビみてる
あたしだけの世界
それが喫茶店