floor.8 永久の悪夢の誘い
永久の悪夢の文字が宙に浮かびあがる。
浮かび上がった文字をタッチすることでさらに下にステータスの詳細が表示される。
永久の悪夢は複合スキルという形になっていて、複合スキルは細かい複数のスキルで構成されている。
粒粒の各スキルがそれぞれの能力を持っているので、そのスキルの能力や効果を把握しながらやっていく必要があるのだ。
永久の悪夢は様々なスキルからなる。
敵の攻略に重要になりそうなものは以下のスキルだ。
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・催眠 LEVEL.MAX
・悪夢 LEVEL.MAX
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簡単な話、催眠で眠らせて、悪夢で相手にトラウマ級の夢を見せることで相手のHPを削るのが基本的な動きになる。
他にも永久の悪夢は色々なスキルがあったりするが、ひとまずこの辺で十分だろう。
俺は頭の中でスキルの発動のために念じ始めた。
スキル、催眠、発動!
次の瞬間、俺の周りの地面に薄く発色する桃色の魔法陣が浮かび上がる。
その魔方陣からはほわほわと神秘的な泡が浮かんでは消えを繰り返す。
「汝、ただ休みたまえ。永久の彼方へと誘う悠久の微睡よ。迷える子羊に久遠の平和と安寧を。エターナル・スリープ!」
これは俺が過去に作成した設定集の本に書かれていた詠唱である。
歴史の闇に葬る予定だったが、まさかまた使うことになろうとは……。
俺が詠唱を終えると、魔法陣の発光は強くなり、そして大きく広がっていった。
そして敵の元に魔法陣が届くと同時に、彼らはすやすやと眠り始めた。
「悪く思うなよー」
そして俺は次のスキル悪夢をイメージて詠唱を始める。
「汝、ただ怯えたまえ。永久の彼方へと誘う悠久の微睡よ。揺蕩う子羊に久遠の苦痛と絶望を。エターナル・ナイトメア!」
その瞬間、モンスターの元まで広がっていた魔法陣から、どす黒い瘴気のようなものが漏れ出してくる。
その瘴気は角と耳が生えたファンシーな悪魔のような形をかたどり、ぎひっという笑い声が聞こえそうな不気味な笑みを浮かべてモンスターのそばに鎮座する。
次の瞬間、モンスターたちは呻き悶え始めた。