floor.4 永久の悪夢と聖騎士クレアタン
俺はためを作ってしっかりと彼女の瞳を見つめる。
「中二病をどれだけこじらせていたかだ、聖騎士クレアタン」
その瞬間、紅麗亜の顔は太陽かよっていうぐらい真っ赤になる。
太陽……! まぶしい……っ! いや、それハゲに対してする反応だったわ。
「永久の悪夢の二つ名がうずくぜ、なあ聖騎士クレアタン」
「やめてええええええ、言わないでええええええ」
「なんでだよ、火炎龍イフリートの心臓をコアとして形成した聖剣イフリタスを使いことができるこの世に存在を許されたただ一人の火炎の聖騎士だろ?」
「いやあああああああああ」
あれがあれであれな記憶を呼び覚まされ、彼女の中に宿るイフリートの心臓が共鳴して悲鳴を上げている。
ちなみにこいつには、自身の心臓とイフリートの心臓で心臓が二つあるらしいぞ(笑)
「まあそういうことだ。俺はお前のダンジョンを攻略する際は永久の悪夢で使ってた設定を駆使して戦ってた。その設定がスキルとかになって俺に還元されてたんだ」
「灯夜よくそんな羞恥プレイ耐えれたね!? マジで尊敬に値するわ!」
「まあ細かいことは言ってられねえ。とりあえず、あのダンジョンを放置したままでいるわけにはいかないだろ?」
そうやって色々話しているうちに、血まみれの人型の生命体が廊下に出てきた。
その生命体は俺の方に視線を向ける。
「オォォォォ」
不気味なうめき声をあげながら俺たちの方を見る。
俺はひとまず一歩紅麗亜の前に出ていつでもかばえるような体制をとる。
まだ距離はある。何か飛び道具を使ってこなければ安全なはずだ。
ただ、俺の予想もむなしく、その人型の生命体は、何やら野球の投球フォームのような姿を取ったと思ったら、そのままおもむろに血塊を投げてきた。
大きく外れてボール!
俺は球審さながらの選別眼でその血塊が俺たちに当たらないことを見抜いた。
そのままその血塊は俺たちの横を通り過ぎていく。
コントロールが甘いな、あとで監督に言いつけとくか。
俺はマジでしょうもないことを考えていたことを反省し、まじめに遠めにいる生命体をかいくぐる方法を考える。
ダンジョン内でないと永久の悪夢は使えない。
リアル世界に現れでたモンスターには対処できないということだ。
しょうがない、イチかバチか……。
俺は決死の作戦を実行に移すことにした。
第1章完結までは毎日更新予定なので、ちょっとでも先が気になったり面白いと思ったらブックマークお願いします!