floor.3 ダンジョンはモンスターを吐き出す
俺と紅麗亜は顔を見合わせて、一気に生徒会室を駆け出して職員室へと向かう。
職員室からは、次から次へと教員が走り出して四方八方に逃げ去っていた。
俺と紅麗亜は走りながら話す。
「なんだろうあれ、完全に何かあった感じだよね?」
「だな。俺たちが見に行って何とかなるものか分からないが、ひとまず行ってみるしかないだろ」
「そだね。ちょっと注意しよう」
そう話しているとすぐに職員室のそばまで来ることができた。
職員室から逃げ出ている一人の先生に声掛けして早口で尋ねる。
「何があったんですか?」
「分からない、早乙女先生が突然いなくなったと思ったら、空中に渦みたいなものが出てきて、そこから血まみれの人型の生き物が出てきたんだ、とにかく早く逃げろ!」
先生は言い終わるが早いかさっと駆け出して逃げていった。
「渦……。血まみれの人型の生き物……。ダンジョンから湧いて出てきた、モンスターなのか?」
「怖い……。私のダンジョンには脂肪まみれの白いスライムしか生息してなかったはずなのに……」
「いや、紅麗亜のダンジョンにはポテチを食いまくる女性型の生命体とかアイスを食いまくる女性型の生命体とかいっぱいいたぞ」
「……確かにそういったものもいたわね……私の食生活を見直す時が来たようだ……」
「その人の負の感情に連動したモンスターが湧いて出てくるのかもな……」
どうやら、紅麗亜以外にもダンジョン化してしまった人物がいるようだ。
早乙女先生が今回は犠牲になったのだ……。
「なあ紅麗亜、ダンジョン攻略にいそしんでみる気はあるか?」
「え? 私戦えない……」
「大丈夫だ。お前なら戦える」
俺は紅麗亜の手をキュッと握った。
「灯夜……」
紅麗亜が濡れた瞳を俺の方に向けてくる。
「紅麗亜のダンジョンに潜った時にはっきりと分かったんだ。ダンジョンで戦えるやつの条件が」
「ダンジョンで戦えるやつの条件……?」
「ああ」
「その、条件って?」
「それはな……」