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floor.13 ダンジョン解放

 黒い人型は絶命すると光となり周囲の空間に分散していった。


 その瞬間、早乙女先生を拘束していた水晶が青白い発光を始める。


 これは俺が紅麗亜を助けたときと同じ展開だ。


 水晶に触れると思念体が発生し、対話が可能となる。


 さて、ここからは長谷川先生の番だな。


 俺は職員室から出て先生がいないかあたりを見回す。


 すると先生が見つかった。


 先生は背中に「如月灯夜」と書かれた黒板消しの前で手を合わせて南無阿弥陀仏を唱えていた。


「先生、勝手に殺さないでもらっていいですか?」


 先生はぎょっとしたような顔をして俺の方を見る。


「き、如月!? まさか幽霊!?」


「いや、まだ死んでないです。割とぴんぴんしてます」


「そうか、よかった……。悲鳴が聞こえたからてっきり……」


「それは相手が素晴らしい傑作に出会ったから放たれた喜びの歓声でしたよ」


「どういうことかさっぱり分からないが、終わったのか?」


「ええ、なんとか。あとは長谷川先生の番です」


「そうか、分かった。職員室に入るよ」


「よろしくお願いします」


 そういって俺は長谷川先生を招き入れる。


「しかしお前、あいつをよく倒すことができたな」


「まあ、俺そこそこ戦闘能力が高いスキルを使えたので」


「なるほど……スキルが使えるのは俺も確認したが、俺は戦闘向きじゃなかったからな……」


「先生はどんなスキルだったんですか?」


「お経 LEVEL.1」


「マジでゴミスキル感がすごいですね……。だからさっき南無阿弥陀仏を……」


「人間一人くらいであれば成仏させてやれるらしい」


「戦闘力皆無すぎて誰かを成仏させる前に先生がお陀仏されないか非常に心配なんですが……」


「ちなみに、俺が死んだ場合でも自分自身であれば成仏させるために使えるらしい」


「死んだ場合をすでに想定している!? 悲しすぎるスキルですね……」


「便利だよな」


「便利ですけど誰も求めてない利便性はもはや不便でさえあります」


 俺と長谷川先生は謎のやり取りを繰り返しながら水晶の前へとたどり着いた。


「先生、この水晶に触れると早乙女先生の思念体が出てきます。そこからは悩み相談なのでよろしくお願いします」


「わかった」


 そういって長谷川先生は水晶に触れた。


 すると、水晶は発光を強めていき、水晶から浮かび上がるように早乙女先生の思念体が現れた。

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