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糞の証言

 第一発見者の老人の所へいく。監視カメラだらけの街中。目撃者の主観の入った、聞き込みはあまり意味がない。

「あれは、昼すぎ、そう3時頃だったかの。いつもの犬の散歩コースを歩いておったら、シロのやつがほえるのでな、もしかしたらお宝でもあるのかと思ったら亡骸があったというわけじゃ。ありゃ、おもしろくなかったかの。」

 どこまで真面目に答えているのか。近頃の年寄りは暇をもてあましていて、話がうけねらいになっている。

「で、朝も同じ所を散歩されますか?」

 火蔵は、にこりともせず老人に質問をする。

「道は違うが、あの木の下は必ず通る。なにせ、シロのお気に入りでな。あの日の朝もごっそり、うんちをしてな。」

「で、犬の糞は持ち帰ってますか。」

 火蔵の問いに、老人はばつの悪そうに小声で

「あの日は、袋を忘れてそのままにしてもうた。いや、いつもは持って帰ってるぞ。たまたまじゃ。」

 と、やけに必死になって答えた。

「死体の尻のあたりについていたものは、その犬の糞で間違いなさそうですね。今回は見逃しますが、きちんと糞の始末はしてくださいね。」

 火蔵は老人に言い含めると、その場を後にした。


「糞の確認とれたと。」

 いや、そこ重要?僕がそう思ってもAIは質問しない。それどころか、

「あそこの桜だけ元気なのは、そういう理由ですね。」

 と、冷静に分析していた。

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