脅迫
「どうやら、君がオーナーたちの秘密をにぎって脅迫したということなんじゃないか?」
火蔵は薄笑いを浮かべて僕に行った。いや、僕は何も知らない。なんで、そうなる?
「サギソウやユスリカは暗号だな。」
サギソウは詐欺や偽装を、ユスリカはゆすりを連想させる。かれらへのメッセージとしてこれを送ったんだろう。
まって、僕は花屋がお客さんからといって置いていったのを受け取っただけで、僕が指定した訳じゃない。伝票だってとって置いてあったはずだ。
「花屋の鉢に赤虫がはいってるのが不自然だろ。誰かが後で入れたか、花屋が偽物だったか。」
「水受けがなかったから金魚のえさ用の赤虫の皿に時々つけてただけです。」
僕は少々怒っていた。
「育てやすい花だけど、一年以上もたせてるってのはすごいな。」
僕はCくんを見直した。
「君が記憶を失ったのは、当日この店で起こったことに原因があるにちがいない。真犯人が君に罪をかぶせようとしたとも考えられるが、だったらなぜ一年もそのまま生かして置いたのかが謎だ。君が犯人かもしれないと思った誰かというほうが自然だ。しかし、オーナーもなぜ、早く処分しないのだろう。」
真実を知るには、僕らはまだ情報が足りなかった。さすがに一年も前の花屋の受け取りは残ってないだろうし、送り主を突き止めるのは難しい。ただ、僕が犯人じゃなかったら脅迫はまだ続いたはずだ。もしかしたら、この前、かれらが料亭にあつまってたのも関係があるのかもしれない。