今更ながらリンフォンについての考察
リンフォンというホラーアイテムについての考察です。
始めに
リンフォンとは
正二十面体の手のひらサイズの立体パズル
非常に精巧な造りで正二十面体の面や角などを押したり引いたり回したりすることで形状を変える事ができる。
形状は
熊→鷹→魚と変わっていき、最後は門になる。
英語とラテン語で書かれた説明書が付く。
ローマ字での綴りは
「RINFONE」
正体は極小サイズの地獄の門でパズルは封印であり、解いていく毎に地獄の門を少しずつ開いていく仕組みになっている。
門を開いてしまったら最後、魂を吸いとられ恐らく死んでしまうとおもわれる。
世にも恐ろしい呪物である。
「RINFONE」は地獄を意味する「INFERNO」のアナグラム。
パズルを解いている時は面白くて夜も眠れなくなるほどハマるとのこと。
既にネットの怖い話の掲示板などでご存じの方もおられるであろうこの呪物。
いったい誰が何のために作ったのか、気にはならないだろうか。
これからこの呪物、「リンフォン」について私なりの解釈と推測による考察を発表していきたい。
あくまで個人的な解釈及び推測なので
「へぇ~そんな見方もあるのか~」
程度に読み流して頂ければと思う。
まず、リンフォンがたどっていく変形の過程で現れる動物(生き物)の形
熊→鷹→魚
とあるが、これは自然界での弱肉強食を示している。
この三種類の生き物の中で一番弱いのは魚だ。
熊も鷹も魚に取っては命を狙ってくる天敵である。
しかし、何故、弱肉強食をモチーフにしたか、ここに作り手の意図が、呪いの意味が隠されているのだ。
では解いていこう。
門になる前の「魚」の形状。
これは何を意味しているのか。
私なりの推測だがこれは恐らく
「イエス・キリスト」
を表していると考えている。
何故なら、「魚」は「イエス・キリスト」の象徴だからである。
キリスト教のシンボルは現在でこそ十字架を用いているが、それよりもっと以前
原始キリスト教の時代には魚がシンボルに使われていた。
4世紀以前、ローマ帝国がまだ信仰の自由を許していなかった時代。
例に漏れず多くのキリスト教徒達が迫害の憂き目にあっていた。
この時、迫害から免れるため、キリスト教徒達は「魚」の印を共通記号に使っていたのだ。
何故「魚」なのか。
ギリシャ語で「魚」はΙΧΘΥΣと表記する。
これは即ち
ΙΗΣΟΥΣ ーイエス
ΧΡΙΣΤΟΣ ーキリスト
ΘΕΟΥー神の
ΥΙΟΣー子
ΣΩΤΗΡー救世主
を意味する頭文字を並べたモノグラムなのだ。
これらの情報から推測するにこの呪物を作った者は迫害にあっていたキリスト教徒ではないかと考えられる。
木工職人か何か、もしくはこういった仕掛け玩具の専門職人か後にその技術を何者かから学んだ人物と考えられる。
このリンフォンの作り手の恐らくキリスト教徒とおぼしき人物は
これも推測だが、家族や仲間の多くを弾圧により失った。
彼の喪失感、絶望は図りしれないものがあっただろう。
そして、そんな彼の心の隙間に入り込んだものこそが
悪魔である。
悪魔は彼に囁いた。
お前の家族を、仲間を奪ったもの達に復讐すればいい。
キリスト教徒ではないものを
キリスト教徒を迫害する
ものを
魚の命を狙う、熊や鷹のような奴等を地獄に導けばいいのだ。
と
リンフォンの構造、もし現実に実物が存在するのであれば
その仕掛けは余りにも複雑過ぎて余程の技術や知識がなければ解読する事はほぼ不可能な気がする。
人間業では造れないとすれば神か悪魔のどちらかの力を借りたとしか考えられない。
しかし、私は思うのだ。
神は「復讐」はけして望まないだろう。
ましてやキリスト教なら尚更である。
つまりリンフォンは悪魔の意図によってこの世に産み出された物なのである。
人間業ではない仕組みを絶望にうちひしがれた人間に悪魔が教え
その人間の怨み憎しみ、悲しみ等のマイナスの感情が全てのピースに込められ悪魔によって組み直された地獄に繋がるパズル。
それがリンフォンなのだ。
そして多くの方が求めてやまない疑問の1つ
リンフォンに二つ目はあるのか。
リンフォンの存在が初めて世に知らしめられた、あの怖い話の掲示板で語られた体験談でのそれは
残念ながら世界中に無数に散在しているうちの1つに過ぎないと私は考えている。
何故なら、キリスト教徒は世界中に存在している。
彼等彼女等の祖先がまだ異教徒だった時代
少数派のキリスト教徒は紛れもなく弾圧に喘いでいた事は説明するまでもないだろう。
日本でも例外ではない。
信仰心のために大切な人の命を奪われた
残された人間の絶望は図りしれない。
そんな絶望にうちのめされた人間の心に寄生し悪魔は地獄に繋がるパズルを製造させ続けた。
全ての国、全ての時代の中でリンフォンは量産され続けたのである。
英語とラテン語で書かれた説明書が付けられるようになったのは1800年代に入ってからと思われる。
例にあげると
アメリカでは「ウィジャボード」と呼ばれる、死者と交信するボードの玩具が普通に売られている。
そういった“悪趣味”な玩具でも進んだ時代の人間は面白がり
呪物をモデルにこれまた大量生産したと思われる。
機械も随分進化し量産はわけもなかったはずだ。
これも悪魔の思い通りだったはずである。
例の怖い話の掲示板で語られた体験談のそれは恐らく後世の時代の物だろう。
後世に製造された物にも勿論呪いは宿っている。
最後に門を完成させてしまえば永遠に地獄に閉じ込められてしまう。
リンフォンの実物はまだまだこの世のどこかに存在しているはずだ。
現に私はそれとおぼしき物を見た事があるからだ。
島根県に家族で旅行に行った時、松江城の近くの土産物店にそれはあった。
情報どおり、正二十面体の立体パズルだった。
一瞬興味を引かれたが、家族に呼ばれ時間もなかったため入手はできなかった。
もし、あれがリンフォンだったとしたら
現代もなお製造され続けている事になる。
もし、これを読んでいる皆さんがこれからの人生でそれとおぼしき物を見かけても絶対手にはしないほうがいいだろう。
もし、既に手にしてしまっていても、パズルは解かずにタンスの奥にでも閉まっておくか
殺したいほど憎い相手(地獄に閉じ込められて当然のような相手限定)に送り付けてやるぐらいしかオススメできない。
以上
なお、リンフォンを製造した者はどうなるか、恐らく地獄に一緒に閉じ込められてしまうのではと考えられます。
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