取り合えず、来ちゃいましたけど…メイドさんお願いします。
「はい、と言うことでどういうことでしょう。」
そう言うと、メイド型ロボットの通称、レミアにご飯のお替りを他所ってもらっている、パジャマ姿の男、鷹島慶が引きつった笑顔でご飯を一口食べた。
「これはどういうことだろう、レミア明らかに僕たちの目の前にいる人たちは、魔導士的な服装をしており、僕たちの足元には怪しげな、魔方陣的なものがあるのだが…
なるほど、これはドッキリだな俺の中二病的な、趣味を踏まえて異世界に転生しちゃいました的な、どっきりだ。そうに違いない!!」
そう言うと、慶はゆっくりレミアの方に目線を向ける。
「残念ながら、慶様この部屋をサーチしましたが、明らかに私たちがいた時代の材質や様式が異なっており、GPSの通信も途絶えています。
そして私たちの、前におられる魔導士的な服装の人たちからは、異常なほどの体温上昇とアドレナリンの分泌が見られ、どちらか言えば、魔導士様の方がドッキリを受けている状態に近いようです。
そして何より、慶様にはドッキリを仕掛けて貰える様なご友人は一人もいらっしゃいません。」
「マジで?」
「はい、一人もいらっしゃいません」
「そっちじゃねえよ!!」
「じぁあ、俺たちマジで異世界来ちゃってるんの?」
「マジで来ちゃってます。」
「マジかよーーーーーーーーーーーーーー!!」
翌日
魔術師さんたちの話によると、俺たちを召喚した術は元々、転移魔法で魔導士さんたちの師匠を転移させる予定が、事故で僕たちの世界に繋がってしまい、転移させられたという話だ。
魔術師さんが言うには、ある紋章がないと繋がらないはずらしいのだが、見して貰った紋章が通販で買って、僕たちのいたリビングに敷いてあった、【これで、貴方も黒魔導士の仲間入り召喚カーペット】の模様と瓜二つだったのはレミアには黙っておこう。
「しかし、やったーーー、来ましたよレミアさん!!異世界ですよ!!
冒険とかしちゃいます!魔法とか使っちゃいます!魔物とかたおしちゃいます!?」
「慶様、転移の影響で頭がおかしくなられたのですか?異世界に来たからって魔法が使える訳ないじゃないですか。」
「あまいね、レミア君僕が魔導士さんたちから教えてもらった情報によると、転移魔法の事故でこっちに来てしまった物は存在情報が異世界の存在に書き換わって、転移されるのだと!!詰まりこんな俺でも魔法が使えてしまうのだよ、そして、転移された物は例外なく、とてつもない魔力を秘めていたとね…」
「なんと、前の世界ではニートだった慶様が魔法が使えると!」
「その通りだ!」
「親の遺産を食いつぶすだけだったボッチの慶様が冒険者になれると!!」
「その通りだ!!」
「DTのまま孤独死を迎えるはずだった慶様が、魔物を倒しちゃったりして、英雄になれちゃったりしちゃうと!!」
「その通りだよレミア君!!いざ、ギルドへ行って俺の才能(魔力適正)を見てもらいに行こうではないか!!」
そう言って、走って行く慶の目に大粒の水滴が溜まっている事に、レミアは触れないことにした。