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第20話 新型波動ビーグルと涙


「なんじゃこりゃあぁぁ」


どっかの刑事ドラマの決め台詞で反応してしまったユウト。

こっちの世界の人には分からないし、前世の同世代の友人もわからないだろう。


「ねこ・・・ですかね」(ひそひそ)

「ねこバスです」(きっぱり)


前世の有名アニメーターが作った人気の子供用アニメに出てくる「ねこバス」そっくりなのがサンダーレオがあった場所にあった。

どういうことだ?


「波動クリスタルが10個あるとこんなのも作れてしまうものなんですか?」

「そんなはずないでしょ。波動クリスタル10個と言ってもカブトガニタイプがドロップするアイテムじゃ、普通はレベルアップ

しかできないものなんです」

「では、なぜねこバスが?」

「私に聞かないでください」


全く分からない。

分からないから、装置から出てきたカンナさんに聞いてみた。


「これは、ねこバスですよね」

「ねこバス?何それ」

「ねこの妖怪とバスがくっついて・・・説明できないなぁ」


これが何かは追及しても無駄だということは分かった。

問題はなぜ、ねこバスになってしまったか、ということだ。


「サンダーっていうのは、雷で電気びりびりってイメージ。だから、それは無視して、レオだけイメージしたの。

レオって、ライオンだから、大きな猫だって聞いたことあるから」


なんとなくわかった。

カンナのレオのイメージが大きい猫。

だから、そのイメージで波動変容が起きて、ねこバスかぁ。


「波動錬成というのは、操作している人のイメージで結果が変わるんです」


やっと、カンナのイメージが理解できて、ねこバスになったしまった理由が分かったチャーリーが得意そうに話す。


「だけどさ。なんで、カンナさんの波動錬成で変容が起きたりするの?」

「それは・・・きっと、とんでもなく波動錬成スキルの潜在能力があるから、なのかも」

「本当ですか?」

「それ以外では説明不能です」


もしかしたら。

モノリスで覚醒した僕らってとんでもない波動合成スキルがあるのかも。


だとしたら、僕もできるかな。

僕のイメージはあの有名シューティングゲームの主人公メカだな。


「僕もやってみていいですか?」

「はい。結果どうなるか保証できないですけど」

「もちろんです」


妙に自信があって波動合成マシンの操作席に入る。

スイッチオン。


ぐおんぐおん。

装置が波動をもう一機のサンダーレオに送り込んでいる。


僕の身体が波動をまとい、急激に熱くなる。


「イメージだ、イメージ」


かっこいい主人公メカをイメージしてみる。

サンダーレオよ、かっこよくなあれっ。


サンダーレオが白く光り始める。

だけど、光はそれほど大きくはならない。

サンダーレオの形のまま、白く光り続けている。


「あれ、繭にならないじゃん」


カンナさんのときと違うなぁと思っていると、サンダーレオの光りが弱くなっていく。

うーん。失敗かな。


「普通のレベルアップ合成が起きたみたいですね」

「そこそこ成功ってこと?」

「はい。初めてですから、ほら、サンダーレオ2・・・じゃないか、サンダーレオ3!」


なんと。レベルアップは果たしたけど、予定より一段上になってしまったらしい。

やっぱり、波動錬成には僕らは適正があるみたいなだな。


チャララチャッチャチャー♪


おっ、チュー太じゃん。それもレベルアップだね。


「その通りです。ユウトは波動錬成のスキルをマスターしました」

「やっぱり、だね」

「レベルいくつたと思います?」

「おや、素直に教えないとこみると、高めかな」

「その通りです。レベル6になりました」

「おおっ、すごいね、それ。なんでそんなに?」

「予想どおり、ルートモノリス効果です」

「そうなんだ。でも確か、ルートモノリスのレベルって1しかなかったよね」

「はい。だけど、モノリスは高次元な存在なのでレベル1でもとんでもない効果があるんです」

「そうなんだ。やったね」


それでは、って言ってチュー太は消える。



「かっこいいですね。これがサンダーレオ3なんですね」

「そうです。サンダーレオ2がレベルアップするとサンダーレオ3になるんですが、いきなりですか。びっくりです」

「すごい?」

「サンダーレオ3自体は私でもサンダーレオ2からレベルアップしたことありますが。そのときは、波動クリスタルが30個も必要でした」

「おおっ、僕の方がお得ってことだね」


僕の予想では、チャーリーの波動合成レベルは3か4と見た。それを一気に僕は超えてしまったらしい。


「いいなぁ、おふたりさん。私も波動錬成できるか知りたいな」


対抗してエルヴィンもやりたがる。


「蒼い血を持つエルヴィンさんも、できる可能性ありますね」

「でも、波動クリスタル、あとふたつしかないですね」

「それなら、波動レーザーだけでもレベルアップさせてみてください」

「やってみます」


結果だけ言うと、何も起きなかった、です。残念。

エルヴィンには波動合成のセンスはそれほどないらしい。

訓練によってはある程度スキルを身に着けられるかも、だけどね。


「じゃあ、僕がやってみていいですか?」

「サンダーレオ2をですね」

「そうそう」


ちょっと思いついてしまったことがある。試してみたくなっちゃったんだよね。


「サンダーレオ2をリーダー機にっ」


イメージは角付き。カブトガニタイプも角ついていたし、某アニメの赤いのにもついてたし。

リーダー機は角付きがいいと思うんだ。


サンダーレオ2の先端上部が光りだした。

にょきっと白い光が伸びる。


「おおっ、できた。これはサンダーレオ2改。リーダー用チューンナップ機だね」


チャーリーもエルヴィンもあきれている。

初心者なのに、好き勝手に波動合成を使いこなしている僕にね。


「やるわね」


対抗意識を持つのはカンナさん。

ねこバスを作ったのは、すごいことなのか、変なことなのか。

判断不可能だから。笑



「サンダーレオ3、ユウト。出ます!」

「サンダーレオ2、エルヴィン。出ます!」

「サンターキャット、カンナ、いきまぁーーーす!」


性能チェックのために、三機の波動ビーグルが出る。


サンダーレオ3は確かに性能向上がされている。

サンダーレオ2に比べて全体的に25%程度性能があがっている。


それに対して、サンダーレオ2改は基本性能はサンダーレオ2のまま。

でも、探知能力や通信能力、コンピュータの演算能力といったセンサー等の性能が格段にあがっている。

さすが、リーダー機。


問題なのが、サンダーキャット。


まず、防御能力が上がった。機体全体を覆う、トラ縞毛皮装甲がやたらと強い。

あと、追加武装としてエリア波動攻撃が増えた。


猫の口から、「にゃおーーーん」って叫び声が出て、それを受けたら波動の乱れが起きる。

一時的に波動ビーグルや宇宙怪獣はマヒ状態になる。


「チャーリーさんの評価はどうでしょう、ねこバス」

「すごいですね。全くの新機体としていけるかもしれません」


チャーリーさんの評価ももらえたということで。


エルヴィン隊は、サンダーレオ2改、サンダーレオ3、サンダーキャットの三機構成で宇宙怪獣を討伐することになった。


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