気にしなくていいよ
「気にしなくていいよ」
その言葉は私の人生を変えた。
幼い頃両親が離婚し、私は父親一人で育てられた。父親は仏様のように優しく、学校に遅刻して遅れた時も、無断欠席した時もいつも微笑みながら、
「気にしなくていいよ」
と頭を撫でてくれた。
私が妊娠して、中絶した時も、
離婚して実家へ帰った時も
「俺が面倒みてやる。幸恵は悪くない」
と涙枯れるまでそばにいてくれた。
父親がガンで亡くなって、私はその悲しさに博打に明け暮れ、文無しとなった今、その苦しさに泥棒をし、人を殺めてしまった。
私は殺した事は気にしていない。
罪を問われる意味もわからない。
なぜならそれは父の教えだからだ。
私の人生は父がぶち壊したのだ。