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〜一年〜
一年生は十一人もいて全員に名前を付けるのも大変なのでここではA・H・I・K・M・N・O・S・T・Y・Zとします。
若い新任教師はRとしておきます。
R「それでは一年生緊急ミーティングを始めます。今日はいつものミーティングとは違い今思っているこの部活について話し合おうと思います。みんなは今この状況をどう思ってる?」
レギュラー組のKMYS(N)の意見は「中学よりも緩いけど・・・・・別にどうも思ってない」
あまり部活に来ないNOの意見は「あんま着てないからわかんないっすけど楽しく卓球が出来てると思います」
残りのAHITZの意見は「楽しくできている」
全体をまとめると「別にどうも思ってないけど卓球は楽しくできてる」という意見でまとまった。
R「先輩との関係は?」
全員一致で別に普通だと思いますと言う答えだった。
Kは「部長のような存在の先輩は二年生にはいないと思う」と言う。
ましてや一年は何でこんなことをするのか意味が分からないと言う顔をしている。
《中略》
R「何でこのミーティングをやるかと言うとね、今一年全員が思っていることはほぼ俺からすれば間違ってるって思う。先輩に対してこれとか言うのも俺は違うと思う。どんなに自分より弱いからと言って舐めた態度を取ったりするのはまず違うと俺は思う」
一年の心に響いたか、めんどくせぇと思っているのかは分からないが真剣にRの話を聞いている。
「台だしだってそう。昔は運動部なら先輩に準備をしてもらうことは恥ずかしいとまでは言わないけど後輩がするのが当たり前で、みんながそうしていた。今はどうか分からないけどそれでも先に卓球場に来ているならすぐにゲームをするんじゃなくて台を出してからゲームをやるなりサーブ練をするなりなんじゃないかなぁ?」
この後もミーティングは続き結局一年は球を打たずに終わった。
《リアルと妄想》
「ちょっとなんですかこの手抜きは? 一年の名前と若い新任教師の名前がA・H・I・K・M・N・O・S・T・Y・Z・Rなんてかわいそうだし、大事なところを中略なんて本当にあなたは小説家の先生なんですか? もう書けないのであれば引退したらどうですか?」
美梨さんの顔にはふざけていっているときの顔ではなく、いつも以上に真剣な顔をしていた。
「この作品が世に出されるなら中略の所の個人名も考えますので・・・・すみませんでした」
美梨さんはいつも以上に鋭くにらむ。
その姿の美梨さんを一度でいいから写真に収めてスマホの待ち受け画面にしたいと心から思ってしまっている自分をひいた。
「てか、これダメですね。面白さのかけらもない。卓球が好きな人でも面白さを感じられないと思います。よくこんなくそ作品をここまで長々と書けたよね? ある意味尊敬しちゃいますよ。最終的にこれはどういう終わり方をするんですか?」
「卒業して終わると企画書には書きましたが、最後の総体で優勝して終わるにしようと思います」
美梨さんは原稿を投げ捨てた。
「はい、はい。どちらにしてもありきたりすぎて初め読んだだけでも想像できます。お疲れ様でした。この作品はなかったことでお願いします。次の作品を持ってきてください」
美梨さんはそのまま僕が飲んでいたコーヒーを飲みほした。
部活やってた時、僕も卓球部に所属してまして、拓海と同じような経験をしました。
僕は全然強くなく大会も一回戦敗退が多かったですね。
でも、卓球って楽しいですよね?
お久しぶりです。「わーたく。」です。
今回の拓海・卓球部(仮)は実話に近い作品になってます。
もしかしたら、本文中に美梨が日記じゃんと言った通り日記になっていないか心配な作品ですがどうだったでしょうか?
さて、次の章は前章の「放課後の宮殿。」のスピンオフ作品のような作品です。
次の章も読んでいただけたら幸いです。
Twitter:@real_wildfancy