挿絵表示切替ボタン
▼配色







▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる
異世界は幸せ(テンプレ)に満ち溢れている 作者:うっちー(羽智 遊紀)
しおりの位置情報を変更しました
エラーが発生しました

ブックマークしました。

設定

更新通知 0/400

設定を保存しました
エラーが発生しました

カテゴリ

ブックマークへ

以下のブックマークを解除します。
よろしければ[解除]を押してください。

ブックマークを解除しました。

94/427

89話 王都出発前1ヶ月前 -やる事がいっぱいですね-

何を準備されたのかサッパリ分かりません。
「リョージ様、来月の半ばに王都に行かれるんですよね?」

「そうだよ、メルタも知ってることじゃん。何で急にそんな確認を?」

 久しぶりの休日をドリュグルの屋敷で過ごしていた亮二はメルタから来月の予定を聞かれて戸惑い気味に答えた。

「もちろん知ってるんですが、慌ただしくなるなって。準備は全部出来ていますか?忘れ物は無いですか?」

「いや、メルタが全部用意してくれてるから、俺は何を用意されているかも分からないよ?」

「分かった!メルタさんがそわそわしてるのはリョージ様が王都に行くから寂しいんでしょ!」

「そんな事ないですよ。リョージ様が王都に行くのはユーハン伯から直々に頼まれたからですよ。名誉な事なのに私が寂しいからってそわそわする訳ないじゃない。ちょっとシーヴさんとはゆっくりとお話しする必要がありますね」

 シーヴから指摘されたメルタはニッコリと笑ってシーヴの首根っこを押さえると「リョージ様、ちょっと失礼しますね」と挨拶をして真っ青な顔になっているシーヴを連れて別の部屋に歩いて行くのだった。

 ◇□◇□◇□

「とにかく、来月には王都に行くんだから出来る限りの事はしておこうか」

 亮二はそう呟きながらユーハン伯よりさらに拡張許可を貰った区域に着くと【土】属性魔法を唱えてイオルスを祀る為の建物を立て始めた。通常より大きな建物を作った亮二は、中に入ると天井の中央部を高くし、空間に広がりを持たせ天井部や柱にスキル「デザイン 5」を使って装飾を施しだした。信者用の椅子も【土】属性魔法で300脚ほど用意し地下室には礼拝堂を作り、有事の際に住民が逃げ込んだ時の為に井戸を2つ用意した。祭壇にはイオルス像を設置しドリュグルの街の教会よりも立派な物が出来上がった。

「よし、これでイオルスへの恩返しは少しは出来たかな。後は神官を呼ぶ必要があるからユーハン伯にお願いしておくか」

 亮二はそう呟くとユーハン伯に神官を頼むために手紙を書くのだった。亮二からの要請を受けたユーハン伯は王都にまずは内覧会を行ってから要望を募る予定だったのが、内覧会の段階で神官就任希望者が殺到し、当初2名要望だったにもかかわらず教会本部からの要望で5名を採用する事になった。

「それにしてもリョージ様は信仰心が篤い敬虔な信者でいらっしゃる。イオルス神もきっとお喜びになられるでしょう」

「そうですね、きっと喜んでくださっているでしょう。教会を見ていただくにあたって足りない物がありましたら屋敷の方まで遠慮無く仰って下さい。当面はこちらの資金をお使い下さい」

 1人の神官が代表して亮二にお礼を言うと亮二はストレージから金貨が入った袋を出して代表者に手渡した。袋の内容から貨幣50枚程が入っている事が分かった神官は、恭しく受け取ると後ろに控えている神官に手渡して「イオルス神のご加護が有りますように」と祈りを捧げるのだった。

 亮二が教会から出た後で中身を確認した神官たちは銀貨だと思っていた貨幣が金貨である事に仰天し、王都にも引けをとらない教会と多額の寄付を行った亮二についての報告を王都の枢機卿に送っていた。

””ドリュグルの英雄”と呼ばれるリョージ殿は王都に負けない規模の教会を用意した上に高額な寄付を行い、また、赴任した5名の神官及び家族の衣食住も提供するなど敬虔な信者であり懐深き人物である。牛人4体を倒す武勇だけでなく駐屯地の経営も順調であり、伯爵であるユーハンを始めマルコ氏、カレナリエン氏、アウレリオ氏とドリュグルの街でも著名な人物が万全の体制でサポートしており、人脈の広さも相当なものである。よって中立派に属している貴族とは言え、教皇派に取り込むべきである”

 ◇□◇□◇□

「シーヴは王都に行かないのかい?」

 コージモは愛娘が王都に行かないと聞いてホッとしたものの、亮二付きのメイド見習いとして雇われているのに一緒に行かない事に疑問に思いながら、鍛冶屋の手伝いをしてくれている娘に話しかけた。

「だって、お父さんも駐屯地に工房を移したばっかりじゃない。それにリョージ様のお屋敷が空っぽになるのもダメだもんね。見て!お父さんこれ凄いでしょう!」

 シーヴに見せられたのは銀で作られた馬車のネックレスだった。柄の部分に自ら装飾を施す武器職人であるコージモから見ても、かなり精巧に作られており価値の高さも推測できないレベルの逸品だった。

「凄くいい品だね。どうしたんだいそれ?」

「リョージ様にもらったの!これを御者に見せたら無料で馬車に乗せてくれるんだって。これで移動して、駐屯地とドリュグルの街のリョージ様のお屋敷の掃除をしてくれって頼まれたの。リョージ様が王都に行って寂しいけど『たまに帰ってくるからいつもきれいな状態にしておいて』って頼まれたから。私以外にもメイドを雇ってくれて、私がメイド長になったんだよ!」

「メイド長?シーヴはまだ未成年だけどメイド長なんて務まるのかい?」

「リョージ様は『指示出すだけでいい』って言ってくれたから大丈夫!それにリョージ様との約束もあるしね」

 クスクス笑いながら楽しそうに話す娘をコージモは微笑ましそうに見ていた。実は、新たなメイド達は亮二にかなりの好待遇で雇われた優秀な人物たちであり、シーヴをメイド長とはしているものの実質的には彼女たちがメイド長として屋敷を守ることになる。シーヴが親元を離れるには早すぎる年齢のために、メイド長としての役職を与えて駐屯地に残りやすくするための亮二の気遣いであった。
もうすぐ出発ですね。
よければこちらもご覧下さい!

召喚されたおっさんには異世界知識もチートもないけどいいですか?

https://ncode.syosetu.com/n7502eh/




+注意+
特に記載なき場合、掲載されている小説はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている小説の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による小説の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この小説はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この小説はケータイ対応です。ケータイかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。
小説の読了時間は毎分500文字を読むと想定した場合の時間です。目安にして下さい。
↑ページトップへ