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異世界は幸せ(テンプレ)に満ち溢れている  作者: うっちー(羽智 遊紀)


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85話 パレード再び -恩賞がいっぱいですね-

2015.09.20追加

恩賞が少ないとの指摘がありましたので100枚から500枚に変更しました。

---

この街はパレードが大好きだね

 ユーハンよりドリュグルの街に”試練の洞窟”の解放と洞窟が優良な鉱山であった事、そして鉱山の開発を行うための鉱山夫を大々的に募集する事が公布された。そして、”試練の洞窟”を解放したのは”ドリュグルの英雄”であるリョージとマルコ、カレナリエンのB級冒険者を始めとする冒険者達、駐屯軍の20名と部隊長である事、これからは牛人の脅威に怯える必要はない事も伝えられた。住民にとっては全てが歓迎する事であり、さっそく鉱山夫として応募する者が受付所に詰めかけ人数制限が行われる事態となった。


「おぉ、それにしても凄い人だな。これって全員が鉱山夫なの?」


「最初は鉱山夫のみの募集だったんですが、別の案件でも人を募集しているのでそっちに人を割り振るみたいですよ」


 亮二が集まった人を眺めながら呟いた感想に答えたカレナリエンの内容に引っ掛かった亮二は「別の案件?」と質問を行った。


「それは今ちょっと言えなくて。もうすぐパレードが始まりますからユーハンから聞いてくださいね」


 亮二の質問を笑顔で躱しながらカレナリエンはパレードに参加するために決められた位置に戻った。今、亮二たちが居るのはドリュグルの街の外であり、亮二を先頭にパレードを始める為に待機中であった。


「本当にユーハン伯はパレードとか好きだよね」


「それはそうだろう。なんせ「試練の洞窟」が解放されて鉱山になったんだぞ。前回よりも盛大なパレードになるに決まってる」


 亮二のゲンナリした呟きにマルコが笑いながら答えた。彼も功労者の1人なのでパレードに参加する為に亮二の後ろで控えている。


「そろそろ門が開きますので準備をお願いします」


 文官からパレードの開始を伝えられた亮二は軽くため息を吐くと開き始めた門に向かって馬を進ませるのだった。


 □◇□◇□◇


「それにしても”試練の洞窟”を解放するとは、流石は”ドリュグルの英雄”ですな」


「牛人3体を1人で討伐したとか」


「しかも1体は希少種との事ですよ。彼の戦闘能力は恐ろしい限りですね。ユーハン伯はどのような報酬を彼に渡すのか楽しみですね。新たな爵位を王都に推薦ですかね?」


 小声で話していた貴族たちの会話で最後に発言した人物に視線が集まり、改めて亮二の戦闘能力の高さとこれから亮二に渡される報酬について貴族達は派閥ごとに分かれて亮二の扱いや報酬について話を始めた。


「それにしても人が悪い。今の発言はわざとでしょう」


 ある意味、今日の主役であるユーハンから声を掛けられたアウレリオは軽く肩をすくめると議論をしている貴族達を眺めなからユーハンの方を向いた。


「少なくとも彼らにはリョージさんを脅威に思ってもらい、爵位なんて腹の足しにもならない虚像について議論しとけばいいのです。鉱山の利権については我ら商人ギルドが押さえさせて頂きます」


 名より実を取れの見本を見せられたユーハンは力強く頷くとアウレリオの肩を軽く叩いた。


「頼むよ。その為にリョージの報酬については極秘事項にして側近達にもほとんど伝えてないんだから」


「もちろんです。我ら商人ギルドにお任せ下さい。ユーハン伯が損をされない事を確実にお約束しますよ」


 2人は和かに笑い合うと亮二達が舞台に上がってくるまでしばらく歓談を続けるのだった。


 ◇□◇□◇□


「リョージさまぁ!こっち向いてぇ!」


「有難う!主人の敵の牛人を倒してくれて!」


「リョージ!万歳!」


「今度のお祝いは俺が企画するからな!」


「カレナリエンとメルタと結婚するって本当か!絶対に許さないぞ!!」


「カレナリエンちゃん!リョージは5人愛人を囲ってるぞ!そんな奴止めとけ!」


「おい誰だ!今適当な事言ったやつ!出てこい!」


 亮二達はパレードで街中を行進中に熱烈な歓迎を受けながら中央部に向かって進むとそこは、普段は広場として使われているが前回と同じように式典用に舞台が作られており、その周りには群衆が詰めかけていた。亮二達は控室に案内されユーハンから呼ばれるまで待機するようにとの事だった。


「ユーハン伯、今回も張り切ってるな」


「当たり前だろ、今まで頭痛の種だった”試練の洞窟”が無くなって鉱山になったんだぞ。それに今まで多大な負荷をかけていた駐屯軍を解散できるんだ。これが一番大きい」


「おっ?それって俺がめっちゃ関わってるじゃん」


 亮二の嬉しそうな声にマルコは呆れた声で答えた。


「何を今更な事を言ってるんだよ。全て(・・)お前が関わってるんだよ。駐屯軍の武装変更や経営改善、食生活や衛生管理の充実。今後の軍の運用に関しても一気に強化が出来る目処が立ったんだ。ユーハンにとったらお前はまさに救世主なんだよ」


「お、おう。そうか俺は救世主か」


 マルコから的確な説明といつもになく真剣な褒め言葉に明後日の方向を見ながら、いつもらしくない返事をした。よく見ると若干、頬が赤くなっているので照れているのは一目瞭然だったが。


 ◇□◇□◇□


「では、これよりリョージへの恩賞を与える。リョージ、前へ!」


 亮二が壇上に立つと群衆から大地を震わすような拍手と歓声が上がった。ユーハンは亮二の横に立ってにこやかな笑顔のまま亮二の肩においてしばらく歓声が鳴るに任せた。鳴り止まない拍手を眺めていたユーハンが手を振りかざして拍手を止めると今回の恩賞について説明を始めた。


「リョージ、今回の活躍も見事なものであった。前回の討伐を含めると牛人4体の討伐、そしてその内の1体は希少種であり、リョージが倒さなければドリュグルの街は滅んでいたかもしれない。さらには牛人の討伐だけでなく魔物の発生原因を突き止め、二度と牛人たちが出てこれないように処置を行った。お陰で”試練の洞窟”は解放され良質の鉱山になったとの報告も聞いている。そして駐屯兵達が生き残れるための武器の開発、支給への道筋を整えた。そして、負担が掛かっていた駐屯軍の経費削減。俺はこれが一番嬉しいがな。リョージがドリュグルの街に来てから一気に事態は好転している!私はこれに応えるために最大限の恩賞を用意したので受け取って欲しい」


 ユーハンは後方に控えていた文官から勲章を受け取ると亮二の胸に付けた。


「これは騎士の証である勲章である!これよりリョージは「名誉騎士」では無く「騎士」として我が配下となった。その他に金貨500枚と冒険者ランク【C】から【B】への特別ランクアップとする」


 ユーハンが告げた恩賞の大きさに群衆と参加者からどよめきが起こった。通常、武勲を立てただけでは騎士になれないからである。ユーハンはどよめきを楽しそうに聞いていたが両手を上げて「静粛に!」と叫ぶともう一枚の羊皮紙を手に取ると大きな声で読み上げた。


「我が騎士!リョージ・ウチノ!最初の命を伝える。”試練の洞窟”の跡地である鉱山及び新たに建設する街の防衛及び経営を命じる!補佐としてはアウレリオ、カレナリエンを付ける!」


 今度こそ大地が割れんばかりの歓声が上がった。亮二は呆然としながらもスキル「礼節 7」を使って完璧な受け答えをするのだった。

おぉ!領地経営がこんなに早くできるとは!!

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