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異世界は幸せ(テンプレ)に満ち溢れている  作者: うっちー(羽智 遊紀)


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83話 最深部での発見 -未踏の場所では色々と発見されますね-

色々と調べることが多いです。

「今回の魔物って全部で何体居たんだ?」


 ベースキャンプを構築するためにテントを立てていた冒険者の1人が呟いた独り言を確認すると亮二は「68体だよ」とその冒険者に説明した。


「何で、そんなに詳しい数が分かるん…なっ!」


 答えの返ってきた冒険者がテントを張り終えて亮二の方を振り向きながら確認をしようとした際に広場の風景が目に入って硬直してしまった。先ほどまで魔物の死体が溢れんばかりに積み上げられていたのはずなのに綺麗さっぱりと無くなっていたからである。


「え?片付けといたぞ。あのままだったらベースキャンプを作るのに邪魔だろ?安心しろよ、種類も数も分かってるから山分けはちゃんとするから」


 邪魔だからちょっと掃除しといたと言わんばかりの言葉に絶句した冒険者に、獲物が横取りされたと勘違いした亮二は「大丈夫だよ、盗らないから」と説明したが、言われた冒険者と周りで聞いていたマルコ、カレナリエン、部隊長、冒険者達から一斉にツッコミが入った。


「「「「そんな話じゃない(ねえ)!」」」」


 周りから一斉にツッコミを受けた亮二は困惑した表情で説明を求めるように周りを見渡すと、興奮したライナルトが代表で答えてくれた。


「いいですか、軍曹!アイテムボックスは便利な道具ですが、何でも入れられる訳では無いんですよ。まずは袋の入口より大きい物は入れられません。それに小さくして入れたとしても無尽蔵ではなく所有者の魔力量によって収納量が変わるんです。ですからリョージさんが持っているアイテムボックスは、ここにいる人間からしたら驚愕以外の何物でもないんですよ。魔物をそんなに大量に一気に入れるなんてアーティファクトでも聞いたことがないんですからね」


 ライナルトだけでなく部隊長や冒険者達から「この作業が終わったら絶対にそのアイテムボックスを見せてもらう」と物凄い視線で訴えられ、マルコからは「自重しろって言っただろう」と呆れ気味の顔で言われた亮二は「でも、前の牛人の時も同じ事やったよ?」と首を傾げるのだった。


 □◇□◇□◇


「それにしてもこの魔法陣の用途は何ですかね?牛人が召喚していましたが、召喚陣だけでは無さそうですね。ところでリョージさん、この広間以外にまだ行けそうな場所は有りますか?」


「え?ちょっと待ってね」


 亮二はインタフェースの索敵モードを起動させるとマップの確認を行ったが隠し部屋のようなものは無く、どうやらここが真の最深部のようであった。


「やっぱり、ここが最深部だね。これで「試練の洞窟」は全て完全攻略って事で良いんじゃない?」


「ひょっとしたら召喚陣だけではなくて…。となると、あっちの可能性があるか。分かりました、後は我々の仕事ですね。これから魔法陣を含めて調査を行いますので、皆さんはベースキャンプの構築や近辺の鉱石の調査や警備をお願いしていいですか?」


 ライナルトから広場での調査以外を頼まれた一行は部隊長の指揮のもと「ベースキャンプの構築及び防衛」「鉱石探索」「周辺の魔物の討伐」などを分担して行うこととなった。


 ◇□◇□◇□


「それにしても、部隊長がリョージから借りている”コージモの剣”は凄いですね」


 部下から羨望の目で見られている部隊長は嬉しそうに説明を始めた。


「だろ?属性付与がこんなに簡単に出来て、しかも持続力はいつも使っている剣よりも長いんだぞ。だがお前ら安心しろ。この”コージモの剣”はユーハン伯にお願いして駐屯地への配備が決まっている」


 属性付与が簡単に出来る”コージモの剣”が自分たちにも配備され、全体的な攻撃力が上がり生き残れる確率も上がる事が分かった駐屯軍の兵士達から「おぉ!これで俺達も簡単に属性付与が出来るようになる!いつ配備されるんですか部隊長!」と興奮を隠し切れない声で尋ねるのだった。


「俺とリョージでユーハン伯に依頼をしていてマルコさんの話では近々許可が出るとのことだ。まあ、その前にリョージが自らの資金でコージモに作成依頼を掛けてくれているらしい。1週間後には5~6本は来るだろう。今回の最深部での奮闘者から優先して配備するつもりでいる」


「流石だなリョージは。俺達の事をそこまで考えてくれてるなんて。あとで礼を言っとかないとな。ちなみに配備の順番って、今からの掃討戦も評価対象になりますよね?」


 張り切ってアピールを始めた部下たちに苦笑いを浮かべながらも力強く頷くのだった。


 ◇□◇□◇□


「じゃあ、早速鉱石の調査を始めようか。って言っても俺が解析するしか無いんだよな?」


 亮二は問いかけるように周りを見わたしたが、返ってきたのは力強い頷きだけだった。


「当たり前ですよ、リョージ様。ここに居るのは冒険者か駐屯兵なんですから鉱石を見て何かが分かるなんて鉱夫か魔道具を作る人かアルケミスト職の人だけですよ」


「了解。片っ端から解析していくから、適当に拳大くらいの石を持ってきてもらっていい?」


 カレナリエンの答えに「アルケミストって職業有るんだな。他の職業も後で調べておこう」と呟きながら冒険者や駐屯兵達が持ってきた石を次々に解析をしていった。


「えーと、解析の結果だけど”金鉱石””銀鉱石””鉄鉱石””ミスリル鉱石”って感じで有るみたいだね」


 気楽に答えた亮二に対して、”ミスリル”の単語が出てくるとは思っていなかった亮二以外の一同は硬直してしまった。亮二の唐突さに最近慣れつつ有るカレナリエンがいち早く回復すると震え声で確認を行った。


「リ、リョージ様?いま”ミスリル鉱石”っておっしゃいました?ミスリルは簡単に見つからないから希少価値が有るんですよ」


「え?そうなの。でもほら」


 亮二が手のひらをカレナリエンに向けると拳大の鉱石が見ている間に砂状になって亮二の手から零れ落ちていき最後に銀色の真珠ほどの玉が残った。


「ね?ミスリルでしょ?」


 先ほどの鉄鉱石と同じ対応をしたが、その時には現場にいなかったカレナリエンは理解不能な事態に口をパクパクとさせながら「あげる」と手渡されたミスリル玉と亮二を見比べるのだった。

ミスリルが有れば色々と作れそうです。

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