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異世界は幸せ(テンプレ)に満ち溢れている  作者: うっちー(羽智 遊紀)


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62話 結婚の申し込みを再び -確実にモテ期が来ましたね-

イキナリ詰め寄られるのは恐ろしいです

「ちょっと、リョージ様!!どう言うことですか!!」


 鬼の形相で迫り来るメルタに、今までのどの戦闘よりも素早い動きで掴みかからんばかりのメルタを躱すとシーヴの後ろに隠れた。メルタの鬼気迫る表情を間近で見たシーヴは真っ青な顔で気絶しそうになっていたが。


「どういう事って何が?なんでそんなに怒ってるの?メルタさん」


「なんで?なんでって聞かれますか?さっき、ギルドでカレナから「にゅふふうふふ」って物凄く嬉しそうな顔と声で結婚の申し込みをされたと聞かされ続けたんですよ。私のこのやるせない気持ちをどうしてくれるんですか!責任をとって私にも結婚の申し込みをしてもらっていいですか?」


「分かった。じゃあ、今から宝飾店まで行こうか」


 余りにアッサリと「お茶でも飲みに行く?」ばりの話し方に固まったメルタに亮二は不思議そうな顔をすると「行かなくていいの?」と問いかけた。


「もちろん!もちろん行きますよ!でも、いいんですか?」


「え?嫌なの?」


「嫌な訳無いじゃないですか!もちろん嬉しいですよ。でも、言った私がこんな事を聞くのも変ですが、そんなに簡単に決めるもんじゃないかと思うんですが…」


 だんだんと消えるような声で、先ほどの勢いはどこに行ったのかと思われるほどメルタの背は縮こまり、声にも勢いも自信もなく目も泳いでいた。気絶しそうになっていたシーヴが回復してメルタの背中を撫でる様に「大丈夫ですか?」と声を掛けているのを見ながら亮二は考えていた。


 - きたぁ!これってテンプレだよな!カレナリエンの時は鈍感系の主人公だったけど、今度は向こうから来てくれたぞ。全力で好意を示してくれているんだから、結婚の申し込みをしても問題ないもんな。メルタの場合は男前系の主人公の様に「俺に付いて来い!」って感じでグイグイ行くぜ! -


「カレナリエンさんはドリュグルの街で初めて会った時に一目惚れしたんだ。次の日にギルドで会ったメルタさんも素敵だと思った。ギルドの2枚看板娘って評判も物凄く分かった。そして、メイドとしてこの家に来てくれた時に運命を感じた。それが理由じゃダメかな?それに、カレナリエンさんとやり取りをしている笑ってない笑顔も俺にとっては無くてはならないものなんだよね」


 亮二はメルタの顔を見詰めながら一言一言区切るようにしっかりと言葉にして伝えた。グイグイと行くつもりだったが、言葉を伝えていく内に恥ずかしくなってきたので最後は茶化してしまったが。だが、メルタには気持ちが通じたようで目に涙を浮かべながら嬉しそうに何度も頷いていた。


「いいなぁ」


 声のした方を見るとシーヴが羨ましそうな顔で2人を目ていた。メルタは今までの話が全部聞かれていた事に今更気づいて真っ赤になっていた。亮二はそんなメルタを愛おしげに見るとシーヴに向いて気軽な感じで声を掛けた。


「シーヴも結婚の申し込みをして欲しいの?」


 子供っぽい聞き方だったがシーヴには効果てきめんだったらしく、真っ赤な顔になりながら「知らない!」とそっぽを向いてしまった。


「ごめん、ごめん。シーヴはまだ子供だから、大人になった時に俺の事が好きだったら結婚しよう!今日は日頃の感謝の気持を込めてシーヴにも何か買ってあげるから勘弁してくれるかな?」


「もう!子供扱いして。でも、今日はメルタさんに免じて許してあげるね。もちろん、私の分も何か買ってよ」


 ぷくっと頬を膨らませながらも自分の分はしっかりと請求しているシーヴの逞しさに笑いながらも了解すると、2人を宝飾店に連れて行くのだった。


 □◇□◇□◇


「いらっしゃいませ、リョージ様。今日はどうかされましか?先日お渡ししたカレナリエン様への指輪の調子が悪いのですか?それなら、早急に修繕させていただきますが」


 宝飾店に入ると昨日の店長がにこやかな笑顔と共に亮二に近付いて来た。亮二はメルタにも結婚の申し込みを行うことと、シーヴには何か宝飾品をプレゼントする事を伝えてカレナリエンの時と同じように魔道具を中心に宝飾品を何点か取り出してもらった。


「こちらなど、如何でしょうか?メルタ様は普段ギルドの受付と、リョージ様の邸宅でメイドをされておられるのですから疲労が溜まりやすい環境にあると言えます。こちらの魔道具は体力、魔力の自動回復が従来よりも大きく、疲労軽減にも効果のある指輪になります。シーヴ様はまだ成人をしておられないので、筋力アップの腕輪などは如何でしょうか?こちらの腕輪については魔石をはめ込んで置くと、緊急時にキーワードを唱えると3分だけ速力アップ効果も付与されます。付与する魔石もキノコのお化け程度で大丈夫ですよ」


 店長がなぜ、2人の名前や年齢、職業を知っているのかについては追求せずに「いつもの特殊能力有難うございます」と心の中で感謝をすると金額の確認を行った。


「2つとも頂くとなると、どの位になりますか?」


「両方ご購入頂けるのでしたら少し割引をさせて頂きます。体力・魔力自動回復と疲労軽減の指輪が金貨300枚、筋力アップの腕輪が金貨50枚になり、合計金貨350枚でお願いします。端数は切り捨てさせて頂きました」


「前より安いね」


 亮二の確認を兼ねた質問に「冒険者専用の宝飾品は高価になりますので」と申し訳無さそうにメルタとシーヴを見ながら店長は頭を下げて答えるのだった。

ちょっとお金を使い過ぎと反省

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― 新着の感想 ―
[気になる点] まだ子供だからと言いつつ金貨50枚の指輪をプレゼント これ、日本の感覚だとざっくり一億円を超えてるんだよねw 子供だから一億円ので我慢してね? マジで?
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