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異世界は幸せ(テンプレ)に満ち溢れている  作者: うっちー(羽智 遊紀)


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54話 屋敷での一コマ -メイドは萌えますね-

可愛いメイドなら何人でも来い!

「え?彼女たちは本当にメイドとして働くんですか?」


 キョトンとした顔で亮二はユーハン伯を眺めながら確認を行った。ユーハン伯は、そんな亮二を見ると含み笑いをしながら重々しく頷くフリをすると亮二に説明を始めた。


「そうだ、せっかく屋敷を渡したのに男の一人暮らしでは荒れてしまうだろう。家を守るものが居ないとゴミ屋敷になってしまうかもしれない。リョージはこの街にとって重要な人物であるとの自覚をもう少し持った方がいい。なので取り敢えずメイドとしてカレナ、メルタ、シーヴを用意した。カレナは警備隊長も兼ねていて定期巡回する警備隊を管理してもらう予定になっている。メルタはメイド長として主に屋敷の維持管理や食事の用意や来客対応をメインにシーヴは見習いメイドとして雑用全般をしてもらう」


 マルコが呆れ顔をしながらエレナを見て苦言を呈した。


「勘弁して下さいよ、エレナ姫。こんな事したら俺達が怒られるじゃすまないんですからね。いいかリョージ、エレナ姫は回収するからな。王女のメイド姿を見たのはここに居る6名だけだ。絶対に誰にも言うなよ。王女がメイド服を着てリョージに『ご主人様』なんて言ったと聞いたら王がドリュグルの街まで攻めに来るぞ。物凄い子煩悩だからな」


「私としては楽しかったんで、リョージ様のメイドでもいいんですけどね。またメイド服を着たいんで」


 エレナから満面の笑みで返されたマルコとユーハンは「「お願いですから、もうやめて下さい」」と本気でお願いをしていた。エレナのメイド服を着たいと聞いた亮二は喜んでエレナに提案を行った。


「じゃあ、エレナ姫。俺んとこに金貨5000枚で就職されませんか?」


「ダメに決まってるだろ!お前は王家とストークマン家を全面戦争させる気か!」


「ストークマン?」


「俺達の家名だよ!名誉騎士になったんだから主家の名くらいは覚えてろよ!それと、エレナ姫も満更な顔をしないで下さい」


 亮二とマルコがいつも通りの掛け合いを始めたのを聞き流しながらユーハン伯は考えを巡らせていた。


 - エレナ姫をドリュグルの街に呼んだ分に関しては完全に裏目に出たがリョージが見事に挽回してくれた。”試練の洞窟”についても牛人スタンピードが起こっているにも関わらず死者ゼロで、牛人もリョージが討伐してくれている。それに屋敷を渡してカレナやメルタをメイドとして用意して、リョージがドリュグルの街から出て行く理由を減らした。これで何とかリョージが学院で地位を築いてくれれば完璧だな -


 ふと亮二に視線を向けると亮二がユーハンをジッと見ていた。いつもの様なふざけた感じではなく真剣に値踏みするように覗きこんでおり、ユーハンは自分の心が読み取られたのかと焦ったが気持ちを整頓する前に亮二はいつもの顔に戻って話しかけてきた。


「ユーハン伯、本当に有難うございます!屋敷だけでなくメイドを3名も派遣して下さり感謝しております。しかも全員が美少女ですよ!リョージ・ウチノは一生ユーハン伯に付いて行きます!」


「あ、あぁ。そんなに喜んでくれると準備したこちら側としても嬉しいよ。リョージはまだ未成年だから結婚は先の話になると思うけど、この国で爵位を上げて3人共娶ってくれると助かる」


 表面上は和やかな感じで会話は進んでいたが、見るものが見ればユーハンの方が若干冷や汗を掻いてるようにも見え、それが分かっていながら亮二が笑顔で話し続けている様な感じだった。


「ところで、リョージさんはいつ、この屋敷に越してこられるのですが?」


 何気に聞いてきたエレナに感謝の目を向けているユーハンには気付かないフリをして亮二はエレナに答えた。


「そうですね。宿屋の主人には今日が最後と言ってますので、明日の朝にはこちらに引っ越しと考えています。必要な物も明日買いに行けばいいかなと」


「私達はどうすればいいですか?」


 メルタが3名を代表して亮二に質問すると、亮二はしばらく考えて皮袋に手を突っ込むと金貨を20枚取り出してメルタに渡した。


「これで、必要な物を買ってきてくれる?4人で生活する物資の他に、皆が必要と思う物や引越にかかる費用についてもそこから出してくれて良いよ。ちなみに給与はどうすればいい?初めて自分でメイドを雇うから1ヶ月にどの位の金額を渡したら良いのか分からないんだけど」


「そうですね。さっきの様に金貨5枚も貰うと周りから『どんだけもらう気だよ!』と怒られそうなので通常のメイドの給金でいいのではないでしょうか?私とカレナリエンが銀貨5枚で見習い扱いのシーヴが銀貨1枚でお願いします」


「そんな金額でいいの?」


 メルタが答えた給金の額が思ったよりも安いのと輪をかけて安いシーヴに戸惑いながら亮二はメルタに尋ねた。


「これでも貰い過ぎだと思いますけどね。メイド経験が殆ど無い私達に銀貨5枚は本来なら多いですし、見習い扱いのシーヴは給金がもらえるだけでも凄いことなんですよ。ねぇシーヴ」


「はい、そうですね。リョージ君、じゃなかったリョージ様が寛大なご主人様で良かったです。本当に雇って頂いて感謝しております」


 カレナリエンは「そうそう。ギルドの受付より安いけど、衣食住が付いてくるのは大きい」と頷いており、話を詳しく聞くと基本的には見習いは衣食住を与える代わりに無給で働くのが常識との事だった。

上げ膳据え膳生活が目の前に待ってます!

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