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特別編 クロスオーバーをしてみますね(旧サブタイトル:間違って別作品をアップしたので差し替え予定)

2018.03.11 22:20

間違って「召喚されたおっさんには異世界知識もチートもないけどいいですか?」の82話を異世界テンプレにアップしてしまいました。全く違う作品を掲載して申し訳ありません。


「作品の削除はご遠慮ください」とありましたので、本文にはあらすじを載せておりましたが、それではあまりにもですので、生まれて初めてクロスオーバーをしてみました。


異世界テンプレのみ読者さん:軽く読み流してください

異世界おっさんのみ読者さん:主人公の出番は少ないです

両方呼んでくれてる読者さん:本当に軽く読み流してください! お願いします!


少しでも楽しんで頂けると幸いです。


2018.03.11 00:38

ごめんなさい……

ちょっと間違って別作品の話を上げましたので差し替えるまでしばらくお待ちください。


なろうではアップした作品の削除は推奨されておりませんので、しばらくこのままにしております。


「なんか間違いが起こった気がする!」


 亮二が突然立ち上がり叫んだ。ふんすふんすと鼻息荒く叫んでいる婚約者を見ながら、いつもの事だと達観した表情でカレナリエンとメルタが紅茶を用意して話しを聞く体勢になる。


「突然どうされたのですか?」


「間違いが起こったのですか?」


 不思議そうにしている婚約者の二人に亮二は勢いよく話し始める。


「なんか急に『間違った! 別の世界をくっつけた!』との声が脳内に聞こえてきたんだよ」


「イオルス神からの啓示ですか?」


「違うと思うぞ。男の声だったからな」


 亮二の言葉にカレナリエンが首を傾げ、メルタもどう答えて良いのか分からない表情になっていた。三人の間に微妙な空気が流れる中、突然轟音が響き渡る。


「な、何事!?」


「外からですね!」


「二人は屋敷の中で待機! それと中の被害状況確認とシーヴやソフィア達の安否確認! 戦闘職の者は完全装備をするようにも伝えてくれ! 俺は外を見てくる」


「「お気を付けて!」」


 亮二はストレージからミスリルの剣を取り出すと窓から勢いよく飛び出していった。




「痛たたた。な、何事? エルミとの約束までは時間があったはずだが? それにここはどこだ? 外? 城?」


 一人の男性が不思議そうな顔をしながら周囲を見渡していた。42才の健太と呼ばれる男性で、異世界の少女エルミに召喚されたアイテムボックスのみを所有している人物であった。


「取りあえずは……」


「動くな! お前は完全に包囲されている! 大人しく出てこい!」



 突然、背後から声を掛けられた健太は困惑した顔になる。出て行くもなにもだだっ広い庭の一角であり、周りには草しか生えていなかった。


「お母さんは泣いているぞ! 『まさお! あんたなんて事をしてくれたんだい!』」


「立てこもり犯じゃねえよ! 誰だよ! まさおって!」



 殺気混じりの誰何(すいか)に冷や汗を流しながら硬直していた健太だったが、その人物からの言葉に思わずツッコんでしまう。


「おお。まさか的確な反応が返ってくるとは。あれ? 日本人?」


 健太の反応に周囲を埋め尽くしていた殺気が一瞬で霧散し、気の抜けた声が耳に入る。健太が安堵のため息を吐きながら声の主に視線を向けると、可愛らしい少年が剣を片手に不思議そうな顔をして立っていた。


「ねえ。日本人でしょ?」


「ああ。そうだ。君は?」


「俺の名前はリョージ・ウチノだ。えっと。内野亮二の方が分かりやすいよね。おっちゃんの名前は?」


打塀 健太(うちへい けんた)。ここは日本なのか? 亮二君」


 日本人に会った事で緊張の糸が途切れたのか、健太は尻餅をついて亮二に確認をした。


 ◇□◇□◇□


「なるほどね。亮二君は転生? 転移? をしたのか。なおが聞いたら大喜びしそうだな」


「テンプレ三昧で楽しい毎日だけど、今日は最高だよ。まさかクロスオーバーが出来るなんて! 健太さんもアイテムボックスを持っているなんてね! どんなテンプレだよ! 斬新すぎるだろ!」


「テ、テンション高いね。亮二君」


 亮二と健太は応接間で盛り上がっていた。亮二の年令が違う理由を聞いた健太は驚きながらも、ハイテンションで語っている亮二を見て、部下でラノベ好きの直章(なおあき)の姿とダブらせていた。


「そう? 俺はいつもこんな感じですよ! それで健太さんのアイテムボックスはどんな仕様なんですか?」


「ああ。最近やっと使い方が分かってきたんだが、2つに分かれていて日本と異世界の物を同時に入れるのが出来ないんだよ。枠があって、その一つはどちらでも自由に出し入れを出来るが――」


「ちょっと待ったぁぁぁぁ! なに! 健太さん! ちょっと待って! 日本の商品を持ってるの!?」


 亮二の勢いに完全にドン引きしながら健太は頷く。


「あ、ああ。そんなに種類はないぞ。カップ麺にお菓子だろ。それにペットボトルのジュースにコーヒーもあるぞ」


「なにそれ! 完璧じゃん! ちょっと! 健太さん! 持っているの下さい! 本気で! お願い! ぷりーず!」


 あまりの勢いに健太がドン引きする中、亮二の背後からハリセンが襲い掛かった。


「……。痛ぃ! なにすんだよ! マルコ! 俺の人生が掛かってるんだから邪魔するなよ!」


「なんの人生だよ! 怯えているじゃないか! 大丈夫ですか? しっかりと確保しておきますのでご安心ください」


 突然現れたマルコと呼ばれた男性に苦笑を返しながら問題ないと伝える。


「同郷と久しぶりに会ったので興奮したのでしょう。私は気にしておりませんので大丈夫ですよ」


「みろ! 健太さんはマルコと違って大人なんだよ! そんな簡単にハリセンで叩いたりはしないんだよ! これだからツッコみマエストロは……。痛ぃ!」


「ツッコみマエストロじゃねえ! そもそもハリセンはお前さんが俺に渡したんだろうが! ちょっとこっちに来い。一から教育してやる。すいません。こいつに教育をしてきますので失礼します」


 亮二の首筋を掴んでて引きずっていくマルコを眺めながら健太は呆然としつつ頷くのだった。


 ◇□◇□◇□


 応接間で待たされている健太の元に一人の女性がやって来た。見る者を惹きつける美貌と、吸い込まれそうな視線に呆然となっていた健太だったが、慌てて(かぶり)を振ると挨拶をする。


「こんにちは。亮二君は時間が掛かりそうですか?」


「そうですね。マルコさんのお説教ですからしばらくはかかりますね。初めまして。健太さん。私はこの世界を司るイオルスと申します。貴方は別次元の歪みに巻き込まれてこちらに来られたようです。今なら私の力で元の場所に送る事が可能です。本当なら亮二さんも戻してあげた方が良いかもしれません……」


「イオルスさん? どうかされましたか?」


 最初は微笑みながら説明していたイオルスだったが送還出来る話になり、亮二も含めて日本に返す話しなると泣き出しそうな顔になっていた。健太が心配そうに声を掛けたが、イオルスは俯く(うつむく)だけで黙ってしまった。


 沈黙が包む中で健太が心配から困惑に表情が変わろうとするタイミングで二人に声が掛かった。


「必要ないぞ。俺はこっちの住人だからな。勝手に送還なんてするなよ」


「亮二さん……。でも……」


「いいって。こっちにいればテンプレ三昧なんだぞ! 婚約者もカレナリエンにメルタ、シーヴにソフィアにクロだろ。エレナにライラやマデリーネやフランソワーズもいる。これだけ酒池肉林状態で元に世界に戻るわけないだろ」


「亮二さん! 私が抜けてますよ! 神である私を婚約者から抜くなんて神罰を落としますよ!」


 泣きそうな表情からプリプリと怒った顔になったイオルスを見て亮二が微笑む。亮二の意図を感じたイオルスは頬を膨らませるとそっぽを向いた。


「わざとですね! 知りません! 亮二さんなんて!」


「はっはっは。元気になったようだな。すいません。健太さん。痴話喧嘩をみせてしまって。俺は残りますので健太さんだけ日本に戻ってください。でもカップ麺は売ってくださいね」


 仲よさそうにしている二人を見ながら健太は苦笑を浮かべつつ質問をする。


「亮二君。婚約者が10人もいるのかい?」


「ええ。テンプレ的にはハーレムはありですからね。ただ、俺もここまで増えるとは思いませんでしたが」


 苦笑しながらも楽しそうな表情を見て健太も笑い返すとイオルスが話しに参加してきた。


「そろそろ健太さんを送還しますね。よろしいですか?」


「ああ。健太さん。もう会う事はないと思います。お元気で主人公を頑張ってください」


「はは。亮二君のような物語の主人公にはなれそうにないけどね」


 亮二と健太は握手を交わすと笑い合った。その様子を眺めながらイオルスは亮二に離れるように伝えると、健太に向かって右手をかざして詠唱を始める。


『創造神にて幸福の神イオルスの名において。迷いし者を元の世界に還す。彼にとって今回の旅が幸せに満ち溢れん事を願う』


 健太の身体が光りに包まれ少しずつ消えていく。手を振って別れを告げる亮二に笑い返しながら手を上げる。


「戻ったかな?」


「ええ。私の力を使ってますから間違いないですよ。人間には出来ない芸当です。やっぱり後悔してしていますか?」


「まさか。さっきも言ったが、俺はこっちでテンプレをコンプリートするんだよ。後悔なんてしている暇はない! まあ、取りあえずはカップ麺を食べようぜ。これもセーフィリアに広めてやるから楽しみにしてろよ!」


 イオルスの言葉にニヤリと笑い返すと、亮二は健太から売ってもらったカップ麺を天に掲げて力強く宣言するのだった。

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