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後日談6 お正月はマッタリとしますね

2018年明けましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします。

亮二君は相変わらずです。

「やって来ました新年! ロニーとマディナにお年玉だよー」


「あー。はい!」

「うー? はい」


 亮二が嬉しそうにしながらアイテムボックスを手渡す。新年早々やってきたのはマルコの屋敷であり、主人であるマルコは新年の警備のため王城に詰めていた。そのマルコの子供達ロニーとマディナの双子の兄妹は1才半になっており成長の差が現れ始めていた。

 ロニーは元気に返事をするが、その場でじっとしながらアイテムボックスを振り回しており、マディナは不思議そうにアイテムボックスを眺めていたが、投げ捨てると亮二に向かって突撃をしてきた。


「おお。マディナは元気があっていいな。ロニー。それは振り回す物じゃないぞー」


「ごめんなさいね。マルコがいなくて」


 二人の違いを微笑ましそうに眺めていると、メイドを連れたナターシャがやってきた。


「気にしなくて良いよ。あっ! これナターシャさんへのお年賀だよ。エレナとフランが考えたデザインのドレスが入ってる。帰ったらマルコに見せて上げて。それ意外にソフィアとクロにライラの合作のスイーツも入ってるよ。こっちは後でメイドさん達と食べて欲しい」


「ありがとうございます! リョージ様! 奥様。さっそく、すいーつの試食を」


「そうね。貴方達で試食をしてきなさい。全部食べちゃ駄目よ? 休みの子もいるし、私達も後で食べるからね。ちょっと? 貴方、全部食べる気だったでしょ?」


「い、いえ! 大丈夫ですよ? 一人1個にしておきますね。残念です……」


 ナターシャからアイテムボックスを受け取ったメイドが目をキラキラとした感じに輝かせながら確認をしてくる。そんなメイドをジト目で見ながらナターシャが確認すると、慌てた様子で両手を振って残念そうにしながら否定すると亮二に挨拶して去って行った。


「物凄く残念な感じだったな」


「まあ。この年明けに無理を言って残って貰っているからね。後で少しは多めに渡しておくわ」


 亮二の呟きに苦笑しながら答えるナターシャ。その話しを聞いた亮二は、マディナが身体をよじ登り始めているのを支えつつ、ストレージからブレスレットを取り出すとナターシャに手渡す。


「さっきのメイドさんに渡しておいて。疲労回復ブレスレットなんだ。ワイバーンの魔石を使っているから、いつもに比べると楽に作業が出来ると思うよ」


「いいの? 来年の子も期待しちゃうわよ?」


 ブレスレットを眺めながら悪戯っぽく笑うナターシャに亮二は特に問題ないと返事をする。


「いいよ。アレくらいの魔道具なら大量に用意が出来るから。そんな期待されるかな? おっとっと。マディナは元気だな。もう頭の上までやって来たか」


「魔道具をもらうよりも、リョージ君からのプレゼントが人気あるのよ。知らなかった? リョージ君は憧れの的なんだからね。もうちょっと自覚した方が良いわよ」


 亮二がマディナをあやしながら答える内容を聞いてナターシャは苦笑をする。そして、年長者として注意をするのだった。


 ◇□◇□◇□


「それでロニーとマディナはなにをもらったのかしら?」


 ナターシャが投げ捨てられているマディナのアイテムボックスを拾い上げて中身を確認する。中には食べやすいようにペースト状にされた果物や、甘さ控えめのスポンジケーキの他に、服や下着に知育玩具が大量に入っていた。


「これは凄い量ね。これがオトシダマとリョージ君が言っている物なの?」


「そうそう。俺の国では年明けに年長者が親しい子供に渡すんだよ。普通は金銭だけど、二人は小さいからね。ちょっとした物の方が良いと思って」


「……。『ちょっとした物』ねー。相変わらずリョージ君は非常識ね」


 亮二の説明を聞いたナターシャが小さな声で呟く。アイテムボックスの中に入っている物は、特注品と言って良い逸品であり、特に服は知り合いの子持ちの母親が見たら羨ましいを通り越して唖然とするレベルの物であった。


「えっ? ナターシャさん。何か言った? おぉぉ。ロニー。そこでハリセンでツッコみ出すか。将来有望だな」


 取り出したマディナへのお年玉をみて苦笑を浮かべているナターシャを見て首を傾げていた亮二だったが、ロニーが腰に差していたハリセンを抜いてアイテムボックスを叩いているのを見て満面の笑みで近付く。


「あー! あい。はい!」


「そうそう! その勢いだ! もっとスナップを利かせて! そう! 痛たた……。えっ? なんでマディナは俺の髪を引っ張るの?」


 ロニーに熱血指導をしていた亮二の髪を思いっ切り引っ張ったようで、痛みのあまりマディナを頭の上から引きはがして目の前に移動させて確認する。


「あー! やっ!」


「なんだよ? なに怒ってるんだよ?」


「ふふ。マディナも女の子ね。自分だけを見て欲しいんだよねー」


「えっ? そうなの? 可愛いい! マディナを嫁に欲しいなら俺を倒せるのが条件だな! それ以外には認めん!」


 ナターシャの台詞に亮二は嬉しそうにすると、マディナを抱きしめながら叫ぶ。その台詞を理解しているのか分からないが、マディナが嬉しそうにキャッキャとはしゃぐ。


「リョージ君を倒せる人物? 魔王すら討伐する勇者を? マディナのお婿さんはリョージ君に決まりかな?」


 ナターシャは嬉しそうにしている亮二とマディナを見ながら、マルコに報告するのを楽しみにするのだった。

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