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395話 宴会と騒動と混乱と -どうなってるか分かりませんね-

ステータスを確認して硬直しております。

 ステータスを確認した亮二は、その内容に釘付けになっていた。


ステータス

名前:リョージ ウチノ

年齢:十八歳 大人な感じで格好良いですよ!

職業:使徒(イオルス神)

レベル:七十

ランク:S 勝手にSにしてみた! 後悔はしていない!

 筋力:二一〇

 魔力:四二〇

 俊敏:二二〇

 器用:二五〇


スキル

 パッシブスキル

 ・料理 一〇

 ・交渉 一〇

 ・創薬 一〇

 ・建築 一〇

 ・採掘 一〇

 ・鑑定 一〇

 ・無詠唱 (一〇)

 ・礼節 一〇

 ・武器製造 一〇

 ・防具製造 一〇

 ・デザイン 一〇

 ・魔力検知 一〇

 ・聞き耳 一〇

 ・抽出 一〇

 アクティブスキル

 ・火属性魔法 八

 ・水属性魔法 八

 ・風属性魔法 八

 ・雷属性魔法 一〇

 ・氷属性魔法 一〇

 ・回復属性魔法 六

 ・光属性魔法 五

 ・闇属性魔法 二

 ・時空属性魔法 一〇


使用スキルポイント:一二〇

残スキルポイント:四九〇

備考:そろそろスキルの統合をしてもいいのでは? ほぼマックスですよね? 統合もテンプレだと思います!


「おい! イオルス! ステータスを勝手に修正したな! ん? 声の感じがおかしいぞ? 視線も高くなってる? ま、まさか……」


 ステータスを確認した後に違和感を感じた亮二は慌てて立ち上がると、ストレージから手鏡を取り出して確認をする。そして、手鏡に映っている自分の姿を見ると小刻みに震えながら叫んだ。


「なんじゃこりゃ! おい! イオルス! なにしてくれてんだよ!」


「服はサービスしておきました! やったね! これで心置きなく結婚が出来ますね! 日本でも一八歳になったら結婚できるでしょ? えっ? な、なんで皆さんは苦虫を噛み潰したような顔を?」


「イオルスさんはなにも分かってないですわ。徐々に成長されるリョージ様を愛でるのが楽しみでしたのに!」


「そうよ! 今のお姿も素晴らしく格好良いですけど、リョージ様の可愛い時期をもっと満喫したかったのに!」


 イオルスの対応を暴挙と言わんばかりにエレナとカレナリエンが噛みついた。二人の台詞に他の婚約者達も力強く頷きながらイオルスに詰め寄っていた。


「突然、私と同い年と言われても困ります! お屋敷に用意したリョージ様の服を買い直さないと! それにリョージ様を元に戻して下さい。可愛いリョージ様を返して!」


「どうしよう。リョージ君……。じゃなかった。リョージ様が大きくなっちゃったよ! こんなに格好良いなんて反則だよ。そうだ! あのリョージ様なら剣の長さが合わないよね? すぐにお父さんに連絡して剣の打ち直しをお願いしないと。イオルス様! 急にリョージ様を大きくしたら武器のサイズが変わるじゃないですか!」


 メルタからは可愛い亮二を取られたと言わんばかりに詰め寄られ、シーヴは恥ずかしそうに亮二をチラチラと見ながらも、背丈にあった剣のサイズが必要だと呆れたように言われた。その様子を眺めていた残りの婚約者達は文句や苦情ではなく、亮二を見ながら興奮しているようだった。


「あわわわ。リョージ様は大人になっても格好良い。このお姿はすいーつじゃないけどスケッチをせざるを得ない!」


「私みたいに大人になったり、子供になったり出来るの?」


「これは母様に報告しなくては。リョージがいつでも子孫を残せる状態になったと」


「……。はっ! こ、これが大人なリョージ様? どうしよう? 恥ずかしくって直視出来ない。急にこの姿は反則だよね? どうしよう? お兄様に報告する? 『マデリーネは予定より早くお嫁に行きます』と言えばいいのかしら?」


 ソフィアは真っ赤な顔になりながらスケッチを始め、クロは単純に感想を述べていた。ライラは母親であるフェリルに連絡が必要だと呟いており、マデリーネは全身を真っ赤にしながら身悶えしつつブツブツと呟いていた。そんな婚約者達の様子を見ていた亮二は、ため息を吐きながらストレージからミスリルのハリセンを取り出すとイオルスに全力で叩きつけた。


「痛ぃ! なにするんですか! 痛いじゃないですか! 亮二さんを大人にしたら全て解決なのに、皆さんが怒っている理由も叩かれた意味も分かりません!」


「分かれよ! そこは分かれよ! いきなり人を急激に成長させるなよ! 大きくなっても違和感ないけどさ! 俺はともかく、婚約者達が困惑しているだろ!」


「ちょっと、いいですか? イオルスさん」


 亮二の言葉に首を傾げていたイオルスだったが、カレナリエンに肩を叩かれると身体を震わせつつ振り返った。


「ひっ! な、なんですか? カレナリエンさん。コンドハオコラレルヨウナコトハナイトオモウノデスガ……。ちょっ! 引っ張らないで! 助けて! 亮二さん!」


「ちょっと、こっちに来ましょうね。ダイジョウブデスヨナニモシナイデスヨハナシアイヲスルダケデスヨ」


「達者で暮らせよ」


 首根っこを掴まれた状態で引っ張られていくイオルスを、亮二は生暖かい表情で見送るのだった。


 ◇□◇□◇□


「それにしても、大人になったリョージ君は完全体だよね。背も高いし、顔も良いし、剣を使えて魔法も自由自在。食文化への貢献だけでなく、文化そのものへの影響力も計り知れない。それに、なんと言ってもイオルス神の使徒だろ? 嫉妬なんて微塵も出てこずに、ため息しか出ないよ」


「そうか? オルランドも大概だろ? 教皇で剣も魔法も使えるじゃん」


「君に言われても説得力がないよ」


 亮二とオルランドが軽口を叩き合っている横で、ラッチスや枢機卿達の他に一緒に宴会に参加していた信徒達は、間近で見た神の奇跡で失神している者や、感涙のあまり床に崩れ落ちている者。興奮して神の力はどこまで細やかに使えるのかの討論を始める者。周りを見ておらず無心に食事を続ける者など、完全に混沌な状態になっていた。


「それにしてもリョージ君の奥方達は遅いね」


「そうだよな? なにを話し合ってるんだ? 俺も出来れば元に戻して欲しいよ。子供の方が都合がいい場合があるからな。そう言えばツッコミを極めし者のマルコは?」


「マルコ卿なら『ツッコミの奥義を教えてやる』との台詞と共に、エリーを連れて別の部屋に行ったよ。目を輝かせながらハリセンを振りつつ付いていった彼女にどう声を掛けた方がいいと思う?」


 オルランドの言葉に亮二は苦笑を浮かべながら、婚約者達が帰ってくるのを待つのだった。

またこのパターンか。早く元の状態にして欲しい。

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