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異世界は幸せ(テンプレ)に満ち溢れている 作者:うっちー(羽智 遊紀)
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371話 教会での一コマ -突入しますね-

ヴェンダー枢機卿と直接対決!
 扉を開いて中に入ろうとした亮二達の前にヴェンダーの配下である神官が立ち塞がった。

「失礼。今は枢機卿であるヴェンダー様がミサを行っておられる最中です。途中での参加は失礼にあたりますし、見たところ信徒では無いですよね?」

「ん? 信徒じゃないけど、イオルス神に頼りにされている男の二つ名は持ってるぞ。オルランドとも学友だから、信徒扱いしてもらっても良いんじゃない? 途中で参加するのは申し訳ないけどさ」

 唐突にイオルス神の名前を出してきた少年に戸惑った表情を浮かべていた神官だったが、亮二の装備に気付くと思わず大声を出してしまった。

「ミスリルの装備? ……はっ! サンドストレム王国大公のリョージ様ですか! あのドリュグルの英雄の!」

「そうだよ! 神都まで来たら色々と周ってみたいじゃん! ここでミサをしているって聞いて偶然(・・)来たんだけど、中に入っても良いよね? サンドストレム王国の大公として、教皇の友人として神都に来てるんだから枢機卿のミサを見せて欲しいんだけど? だめ?」

 神都でも有名なドリュグルの英雄からの依頼を断れるわけもなく、気圧されるように後ずさると亮二達一行をミサが行われている場所に案内をするのだった。

 □◇□◇□◇

 亮二達一行が案内されたのは、信徒達がひしめき合うように集まっている暗い場所だった。その中を神官に案内されながら入ってきた亮二達を好奇心で満たしながらも、ミサが続いている為に中途半端な視線しか投げられずにいる信徒達だった。

「おぉ! 物凄く注目を浴びているな」

「そうだと思いますよ。神官が(かしこ)まって案内している一同ですからね。それは興味を引くと思いますよ」

 亮二の呟きにカレナリエンが苦笑しながら答えた。亮二が周りに視線を向けると、信徒達は一瞬目は合うが慌てて()らしていた。その中で好奇心旺盛に亮二達を見ている集団が居た。

「やあ。俺達を見ているけど、珍しいかな?」

「お兄ちゃんたちもヴェンダーさまのおはなしをききにきたの? なんでいっぱいできてるの?」

 自分達とは違う服装をしている事を不思議そうな顔で問い掛けてきた少女に、亮二はしゃがみながら答える。

「ああ。俺達もミサに参加しようと思ってね。俺の名前はリョージって言うんだけど、君の名前は?」

「わたしリサ!」

 紙芝居を見に来ていた幼女の友達だと分かった亮二は、嬉しそうに口元を緩めながら背後に居た神官に話し掛ける。

「ねえ。この子達にお菓子を上げるのはいいのかな?」

「え? え、ええ。問題ありません。リョージ様の慈悲深さにイオルス神もお喜びになるでしょう」

 神官から了承を貰った亮二はストレージからアップルパイを取り出して切り分けると、土属性魔法で皿とフォークを作り出して、果実水と一緒に配り始めた。

「ほら。これが今、王都で大流行しているスイーツとジュースだよ。全員分あるから仲良く食べな」

「わぁぁ。すごい! あまい! おいしい! お兄ちゃんありがとう! マルビナちゃんにも上げたかったな」

「ああ。紙芝居を見に来ていた女の子だよね? じゃあ、明日に紙芝居を見に来てくれたらマルビナちゃんにもアップルパイを上げるね。もちろん、皆にも用意しておくからね」

 亮二は明日の紙芝居する場所でもアップルパイを用意する事を伝えると、周りに集まっている子供達から大歓声が上がるのだった。

 □◇□◇□◇

 ヴェンダーは壇上でミサを早めに切り上げ、娘のアーリーを()(たた)えていた。

「我が娘のアーリーは幼き頃より回復魔法を使え、教会にとって無くてはならない存在として活動してきた。そんなアーリーも大人になり、そろそろ婿を迎えて次世代の回復魔法の担い手を育てる時が……。どうしました? なにやら大歓声が上がっているようですが?」

 最初はヴェンダー枢機卿のミサに喜んで参加していた信徒達だったが、長時間に渡る娘自慢に疲れ始めていた。壇上に居るヴェンダーは手元に置いてある水を定期的に飲んでいたが、信徒達には用意されていなかったのである。

「えっ? 水を頂けるのですか。助かります」「果実水なんて高価なものをよろしいので?」「ねぇ。あの方達ってどなたかしら?」「神官様の話ではドリュグルの英雄のリョージ様らしいぞ」「えっ! あの教皇様やエリーザベト様と学友の?」「子供達には高価な見たこともないお菓子を配ってるらしいよ」

「ライト!」

 信徒達のざわめきが最高潮になったタイミングを見計らって、亮二は蛍光灯をイメージして作った魔法で辺りを明るくすると信徒達は大歓声を上げ、壇上のヴェンダーは仰天した表情で亮二を見詰めた。

「リョ、リョージ・ウチノ大公?」

「こんにちは! ヴェンダー枢機卿。ミサの後の歓談中にごめんね。信徒さん達が喉が乾いて疲れているように見えたから、許可を得ずに水を配ってしまったけどいいよね? みんな幸せそうな顔をしてるもんね」

 呆然と自分の名前を呟いているヴェンダーに対して、一方的に告げた亮二は満面の笑みを浮かべながら壇上に登った。

「突然ごめんね。神都でミサを見たいと思っていたら、ヴェンダー枢機卿が貴重なミサをしているって聞いたんだよ。だから途中だけど参加させてもらおうと思ったんだけど、ミサは残念ながら終わっててさ。それで周りを見てたら、人が集まって暑くなっているようだから余計なお世話をしてしまったよ」

「い、いえ。こちらこそ、大事な信徒に気遣いが出来ておらず恥ずかしい限りです。ち、ちなみに、ここに居る信徒全員に水を配られたので?」

 ヴェンダーが集まっている信徒を眺めながら(たず)ねた。ざっと見ただけでも五百人以上は集まっており、亮二の魔法で明るくなっている状態で改めて信徒達を眺めると、すし詰め状態になっていた。

「ああ。それにしても暑いよ。水を配るだけじゃ信徒さん達が可哀想だよね。よし!」

 亮二が右手に水球を作り出して空中に固定をしつつ、その周りに風属性魔法を使って冷たい空気を流し始めた。空冷機の要領で冷風が流れ始め、暑くなっていた温度を徐々に下げ始めるのだった。
まじで会場が暑いんだけど!
よければこちらもご覧下さい!

召喚されたおっさんには異世界知識もチートもないけどいいですか?

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