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異世界は幸せ(テンプレ)に満ち溢れている 作者:うっちー(羽智 遊紀)
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31話 駐屯地での滞在最終日 -充実した2日間ですね-

知識を持つのは大事です
 ”試練の洞窟”がある駐屯地での2日間の滞在は、特に強制イベントの様な事は何事も起こらず経過していた。亮二は駐屯軍兵士との一騎打ちや一時的なパーティーを作って連携しながらの模擬戦や、授業の講師としてカレナリエンや回復魔法を使える兵士を対象とした日本で学んだ応急処置を伝えるなど充実した内容になっていた。

 特に応急処置については今まで怪我をしても傷口を洗わずにいたため、その傷が原因で感染症を発症して死んでいる者が多いとの話に、亮二が発見した“ウォーターボール”の威力を最低限に抑えて、その状態を維持したまま患部にある傷口を洗ってから回復魔法を掛けると治りが早くなる方法を伝えた時には、部隊長を始め講習に参加していた全員から絶賛を受けた事に亮二自身が驚いていた。

「それにしても、リョージさんは何でもご存知ですな。衛生兵との名称を持つ兵士を育成する件については、上から許可が出なくても私個人で行う事を決めました」

「衛生兵って言っても応急処置が出来て、死亡率が少し下がる程度だから過信しちゃダメだよ」

 部隊長からの賛辞に亮二は照れくさそうに返事を返した。亮二としては、教えた応急処置は「傷口に水を掛けて消毒してから回復魔法をかける」や「骨が折れた場合は接ぎ木をしてから回復魔法をかける」などを基本とした情報が中心であり、“ウォーターボール”を使って傷口を洗い流すなどのセーフィリアでしか出来ないこと以外は、会社の社員教育の一貫で習った救命講習資料に載っていた内容をそのまま伝えただけの内容なのでそこまで絶賛されると照れくささが先に来るのだった。

「いえいえ、大したものです。私達は怪我した場合は神の奇跡である回復魔法をかければ何とかなると思っていました。回復魔法は確かに傷を癒してくれますが、場合によっては骨折した部分が曲がったまま治ってしまって引退した兵士や、傷口に回復魔法をかけた為に怪我は治っても、その後に高熱が続いて死んでしまった人間もいますからね」

 衛生兵の概念を伝えてくれた亮二に対して敬語が混じった話し方になった部隊長だったが、腕が曲がった事により剣が振るえなくなり兵士を辞めて田舎に帰った将来を有望視されていた部下や、魔物に傷を負わされて掛けた回復魔法で、結果的には死んでしまった友人の事を思い出して苦しそうな顔をしていた。

気遣わしげな亮二の視線に気づくと我に返った部隊長は軽く首を振り、亮二に対して握手を求め「今後の生存率向上の為に私を始めとしてしっかりと知識を身に付けます」と伝えるのであった。

後に伯爵領から始まった衛生兵制度はセーフィリア全土に広がり、戦争が無い地域においても医者の代わりを兼ねるなど住民の生存率アップに大きく貢献していくのであった。

 ◇□◇□◇□

「リョージさん、伯爵から連絡がありました。『今回”試練の洞窟”広間での攻防に参加した兵士20名と部隊長である私、リョージ、マルコ、カレナリエンはドリュグルの街に帰還する事』との命令です」

「ドリュグルの街に帰還はいいんだけど、ギルドに依頼完了報告してもいいかな?」

「それに関しては、申し訳有りませんが後日でお願いします。シーヴさんへの薬草納品に関してはこちら側で対応済みです」

 3日目の朝にくつろいでいると部隊長から連絡が入った。依頼完了報告の件については後日にして欲しいと言われた亮二は何気にマルコとカレナリエンを見ると、2人から「そりゃそうだ」「そうでしょうね」と返事が返ってきた。

「分かりました。まずは伯爵様への報告が先って事ですね」

「それも有りますが、ちょっとしたパレードをしますので、今回主役であるリョージさんには伯爵への報告よりも先にそっちに参加して頂きたく存じます」

 亮二の問いかけに、今度は部隊長からではなくドリュグルの街から来た伝令兵が答えた。

「パレード?」

 亮二のいかにも不思議そうな顔にマルコは事情を説明した。

「そりゃそうだろ。今回の”試練の洞窟”での戦闘は一歩間違ったらドリュグルの街まで被害が出ていたんだ。いくら箝口令を出してもどこからか情報は漏れてしまう。だったら、さっさと公表して英雄を作ってしまった方が手っ取り早いだろ」

「英雄?誰が?今回の皆のこと?」

 まだ、納得はいっていないようだが他にも疑問点が出てきた件についてはカレナリエンが答えてくれた。

「今回の件についてはリョージさんが間違いなく英雄さんですよ。他の駐屯軍兵士さんや私達も体裁を整えるためのオマケとしてパレードに参加しますが、メインはリョージさんですからね」

 笑顔で話してくれているカレナリエンを見ながらリョージは1人、心のなかで焦っていた。

 - え?パレードってどんな感じなの?あれか?オリンピックでメダルラッシュの時のパレードレベルか?いやいや、ちょっとしたパレードって言っていたから高校レベルだよな?壇上で「亮二くんが県大会で優勝しました」位と思っといて大丈夫だよな -

「伝令さん。そのパレードで俺が何か話す様な時間ってありますか?」

「そうですね。伯爵様の後に一言で良いのでお願いします」

 先ほどまでの気楽な表情でなくなり、若干焦り気味の亮二の顔をみたマルコは「ひょっとして人前で話すのは苦手か?」とニヤニヤと嬉しそうに肩を叩くのだった。

「当たり前だろ。たくさんの人前で話すことなんて滅多に無いんだからな!覚えてろよマルコ!絶対に巻き込んでやるからな!」

 からかわれている事に気づいた亮二は真っ赤な顔でマルコにそう言い切るのだった。
どうしてこうなったんでしょう?
よければこちらもご覧下さい!

召喚されたおっさんには異世界知識もチートもないけどいいですか?

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