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異世界は幸せ(テンプレ)に満ち溢れている 作者:うっちー(羽智 遊紀)
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291話 初戦の前奏曲5 -決着が付きましたね-

一気に勝負を決めます。
「結局、いいところを全てリョージが持って行ったか」

「そんな事はありませんぞ。貴方達が援軍として来て下さったお蔭で命が繋がりましたからな」

 マルコが亮二の戦いぶりを眺めながら呟いていると、意識を取り戻したアマンドゥスが体を起こして感謝を述べてきた。マルコは感謝の言葉に特に返事せずに軽く片手を上げて応えると、引き続き亮二の戦いぶりを眺めていた。

 ゾンビ化したワイバーンを一刀両断した亮二は、虚ろな目の兵士達に突っ込むと大剣を振り回しながら次々と縦や横に分断していっていた。属性付与も順番に試しているようで光り輝いた後は、炎や氷に水などが遠目にも見て取れた。

「本当にあいつの魔力は節操なしだな。属性を1体ごとに切り替えてやがる」

「しかも、あの魔剣は魔石の残量が無いと言っていたので、リョージ伯爵自身の魔力で戦っていると。あの小さな身体にどれだけの魔力を宿しているんでしょうな。流石はドリュグルの英雄でイオルス神に愛されている御仁ですな」

 テンション高く大剣を振り回して戦っている亮二を見ながらマルコとアマンドゥスはため息を吐きながらも、吸い込まれるように亮二の戦いを見続けるのだった。

 ◇□◇□◇□

「終わった! これだけ細切れにしたら動かないだろ」

「ワイバーンはアイテムボックスに収納するのに、細切れにした兵士は収納しないのか?」

「当たり前だろ! なんで細切れにした人間を収納するんだよ。一か所に集めて燃やすよ。その方が死体達も嬉しいんじゃないか?」

 ワイバーンを収納している亮二に近付きながら質問してきたマルコに、亮二は風属性魔法で細切れにした兵士を集めると一気に燃やし始めた。燃え尽きるまでの間、亮二やマルコ、ユーハンにアマンドゥス、騎士達も死後もゾンビとして戦わされた兵士達に黙とうを捧げていた。

「それにしても、今のって普通のゾンビじゃないよな? 無理やりゾンビにしたような印象を受けるんだが? 死者を冒涜するような魔法なんてあるのか?」

「ああ。だが、ワイバーンは体内に魔力を内蔵している魔石を持っているから、死んでからもゾンビ化するのは納得だが、虚ろな目をしていた兵士達は体の状態を見ても死後それほど経っていないだろ。普通はダンジョンで死んだ人間に魔力が溜まってゾンビ化するんだがな。少なくとも、そんな魔法があるなんて聞いたこともないぞ」

 亮二の呟くように質問にマルコが代表して答えたが、結局のところなにも分からないと言う事だけは分かり、討伐するには火属性魔法で焼き尽くすか神官に祝福を受けた剣で攻撃するしかないとの事で意見は一致した。

「あれ? なあ、マルコ。人間に魔石って無いよな?」

「なに言ってんだよ。人間に魔石なんてあるわけ無いだろ」

 かなりの高温で燃やしたので灰しか残らない状態だったが、亮二が灰の山に光るものを見つけて近付くと一つ手に取ってマルコに手渡した。

「本当に魔石だな。しかもかなりの純度がある魔石だ」

「もしかして、死んだ人間に無理やり魔石を埋め込んで使役していたのか?」

 ユーハンが亮二とマルコに近付きながら話に参加してきた。亮二がユーハンに視線を向けると嫌悪の表情を浮かべていた。

「死者を冒涜するような魔法があるとはな。帝国の第二王子はなにを考えているのだ!」

「さすがに、これは無いな。おい、リョージ! この魔石をどうするつもりだ?」

「ん? とりあえずは俺が収納しておくよ。戦いが終わったら墓でも作って弔ってやろうぜ」

 ユーハンの吐き捨てるような台詞を聞きながら、マルコが亮二に問い掛けると真面目な顔をして魔石をストレージに収納すると、アマンドゥスに大剣を返却しながら話し掛けた。

「もう大丈夫?」

「ええ。マルコ殿のお陰で回復できましたぞ。それにユーハン伯爵も援軍有難うございました。我が騎士団の者達は無事に逃げられましたか?」

 亮二の問い掛けにアマンドゥスは大剣を受け取りながら元気である事を伝えると、ユーハンに向かって感謝を述べながら自分の騎士団の安否の確認を行った。

「ああ。安心して下さい。少し離れた所で我が騎士団が持っていたポーションを使って回復中ですよ。それにしても見事でしたね。殿(しんがり)を務めて5名の戦死者で済んだのですから」

「えっ? 5名も死者が出たの?」

 ユーハンの言葉に亮二が驚きの表情をしながら問い掛けてきた。あまりにも驚いた表情をしている亮二を見たマルコは、意外に思いながら問い掛けた。

「どうしたんだよ? 戦争をしてるんだから死者が出るのは当然だろ? しかも退却戦で戦死者が5名で済んだんだぞ? アマンドゥス騎士団長の配下の騎士がそれだけ優秀だって事だ」

「でも、俺がもっと早く駆けつけてれ…… 痛ぃ! な、なにすんだよ!」

 戦死者が出た事に亮二が悔しそうな顔をしていると、マルコが軽く亮二の頭を叩いた。

「馬鹿か? リョージ伯爵様におかれましては頭がオカシクなられましたでしょうか?」

「な、なんだよ! そんな言い方って…… 「ドリュグルの英雄と言われて慢心しているんじゃないか、リョージよ! これから帝国と衝突したら死者は必ず出るんだよ! お前が1人で片付けようにも、広い帝国を賄いきれる訳がないだろ! なんでも自分一人で出来ると思うな! その為に俺達も参戦しているんだよ! それに、5名に対しても失礼だ。異国の地で力尽きた5名の方が悔しいに決まっているだろ」」

 マルコの言葉に亮二は反論しようとしたが、正論を叩きつけるようにまくし立てられると間違っているわけでは無いので反論出来ずに思わず視線を逸らして俯いてしまった。その様子を眺めていたアマンドゥスだったが、亮二を庇うようにマルコに話し掛けた。

「その辺にしてやってくれぬか。マルコ殿。そこまでリョージ伯爵に思って頂いた部下達は幸せだろう。さっきの虚ろな目をした兵士達に比べればな」

 マルコはアマンドゥスを見ながら軽くため息を吐くと、「言い過ぎた」と亮二に軽く謝罪をして陣形を再編成する為に騎士達の元に向かうのだった。
この内乱が終わったら墓を作らないと。
よければこちらもご覧下さい!

召喚されたおっさんには異世界知識もチートもないけどいいですか?

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