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異世界は幸せ(テンプレ)に満ち溢れている 作者:うっちー(羽智 遊紀)
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183話 貧民対策6 -報告を受けますね-

作業は順調に進んでいます。
 酒場で飲んでいた男性に、別の男性が飲み物を注文しながら勢いよく話しかけてきた。

「おいおい、聞いたか?今回の貧民対策は、最近伯爵になったばかりの“ドリュグルの英雄”リョージ伯爵がしてるらしいぞ。結構な給料を出してくれて3食付で工事期間中の1年間は住む所も提供してくれるらしい。この貧民対策は全部、伯爵であるリョージ様が自らしているとの噂だが実際のところは未成年で経験が足りない分をハーロルト公爵やサンドストレム王室が人の援助をして、彼を盛り立てているらしいぞ。教皇とも仲が良くて、今回の神都への街道整備につながったらしいぞ」

「お前の話はいつも『らしいぞ』ばかりじゃないか。俺でも知ってる情報が多いから、もうちょっとマシな情報を持ってこいよ!」

「仕方ないだろ!俺も新聞でしか見たことがないんだから!じゃあ、噂の情報だけどよ、リョージ伯爵ってのは、背丈が2メートル以上あって全身をミスリル装備で守っていて、剣もミスリルで出来てるらしいぞ。魔法も打ち放題で、“試練の洞窟”で魔物が大量発生した時は1人で600体の魔物を倒したそうだ。それに、気が荒くて喧嘩した貴族が行方不明になった事もあるらしい」

「魔物を600体討伐?それはさすがに嘘だろう。喧嘩した貴族が行方不明って。貧民対策する貴族様がそんな恐ろしい事をするかよ!話を盛り上げるために嘘まで吐くなよ」

「俺も噂で聞いただけだから仕方ないだろ!しかも討伐した魔物の中には牛人やドラゴンも居たらしいぞ」

「まあ、お前の話を話半分に聞いてもリョージ伯爵ってのは凄いよな。それだけ力があって、貴族で、金も持っているなんて夢のようだよな」

「しかも、婚約者が2人いて!愛人も20人以上もいて!歩くたびに愛人が増えるらしいぞ!しかも!相手から『愛人にしてください』と言われるらしい!」

「よし!リョージ伯爵は今日から俺の敵に認定だ!ちょっとは、こっちに遠慮して断るって事を覚えやがれってんだ!」

 亮二が主催した貧民対策は多くの者から絶賛され、亮二が枠を買い取って発行した新聞や、その前から流れている噂が混じり、そこに王国民の旺盛な好奇心がプラスされて新たな噂が様々な場所で生まれていた。

 基本的にゴシップは笑い話として楽しまれ、さらに大きなゴシップ話となり、貧民対策は尊敬の念を持って迎え入れられていた。また、貧民対策に協賛しているハーロルト公爵や教皇派の貴族、サンドストレム王室、オルランド教皇を筆頭に教会への評判も良い意味で日々高くなっていくのだった。

 ◇□◇□◇□

「はっくしょん!いま、絶対に誰かが俺の事を噂にした」

「くしゃみをしたら噂された事になるんですか?確かに最近は王都で流れる噂の7割くらいはリョージ様の事ですもんね。昨日は愛人が20名以上いるって聞きましたよ?大丈夫ですよね?愛人なんていないですよね?リョージ様は王都で一番の有名人なんですから誘惑されないで下さいね」

 くしゃみが出た事に噂が立ったと呟いた亮二に対して、カレナリエンが温かいお茶を用意しながら心配そうに亮二へ注意を行った。

 亮二は自分の国ではくしゃみをすると噂されていると言われている事と、愛人の件はここまでくれば何人まで増えるかある意味楽しみであると達観した表情と諦めの境地に入った眼でカレナリエンに語りながらも「愛してるのはカレナリエンとメルタだけだからね」とフォローすると、目の前に座っているリカルドに工事の進捗状況を報告するように伝えた。

「おぉ…、俺の前でイチャつくなよ。じゃあ、報告を始めるよ。工事の進捗は3割ほど進んでいるけど特に問題は無いし、働いている人達からも『リョージ伯爵に感謝の言葉を伝えといてください』との伝言を預かってる。ただ、初期から働いている人達から『俺の方が仕事が出来るのに給料が変わらない』って愚痴が出始めてるね。俺から見たらやってる仕事は同じなんだけどな。その辺りの説明をしても理解してくれないんだよ」

「じゃあ、平日に休みを取って俺が訪問するよ。そこで、ちょっとしたイベントをしよう。色々と考えるから楽しみにしておいて。作業員の人たちにもそう伝えといてよ。話は変わるけど、今の役職になって2ヶ月経つけど、どんな感じ?」

 リカルドは工事進捗と、ここ最近で出始めている小さな愚痴を報告しながら、亮二と出会って聞きたかった事を確認するために居住まいを正して質問した。

「リョージ様。訪問の件については頼むよ。こっちも話は変わるけど、せっかくなんで今まで聞けなかった事を聞いてもいいか?」

「もちろん」

「じゃあ、遠慮なく。なんでいつもの言葉で話すように言ったの?敬語を使わなくていいから楽だけどさ。それに、俺の家族だけ良くしてもらってるのはなんで?それと、俺をこの役職に付けた理由は?」

 リカルドの真剣な表情に亮二はカレナリエンが淹れたお茶を飲むと、ゆっくりと話始めた。

「敬語は無しの方が俺としては話がしやすいから。年が近い奴に敬語で話しかけられるのは面倒くさい。それと家族の事を良くするのは当たり前。仕事を頑張っていて成果を出している家来に対して冷たくしてどうするの?リカルドの所程じゃないけど他も良くしてるよ。手厚い保障を与えて『主人の為にもっと頑張ろう』って思ってもらわないと。俺の国では福利厚生って言うんだけど、福利厚生が充実している会社…じゃなくて領地は繁栄していたよ。最後の質問は答えるのすら馬鹿らしいけど、理由なんて一つだろ?リカルドが総監督の仕事が出来るようになったからだよ。俺の期待に応えて頑張ってくれてるじゃん!これで答えになった?」

 亮二の答えにリカルドは自分が今まで働いていた場所を思い出していた。日が昇る前から夜の帳が下りるまで働いて銅貨3枚の場所もあった。ミスをすると木の棒で叩かれる事もあった。「働いていない!」と難癖を付けられて給金を貰えないこともあった。それを考えると今の場所は、3食満足するほど食べることが出来て、寝る場所もしっかりと確保されている。家族の心配をすること無く働くことが出来る。

 なにより、自分も気付いていなかった能力を伸ばしてもらえ、総監督まで任されている。これほど恵まれた環境は他には出会えないと思ったリカルドは亮二に向かって「有り難うございます。俺はこれからもリョージ伯爵のために働きます」と伝えるのだった。
やる気になってくれたようで何よりです。
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召喚されたおっさんには異世界知識もチートもないけどいいですか?

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