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異世界は幸せ(テンプレ)に満ち溢れている 作者:うっちー(羽智 遊紀)
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閑話 - 退場する人にも色々ありますよね -

クリストフェルとセルビアの事が書かれていないとの感想がありましたので、始めて閑話を入れてみました。

もっと簡単に書いて、本編のアップをする予定でしたが、思ったよりも時間が掛かってしまいました…。

本編まで手が回らなかった事にちょっぴり反省しています。

特にグロくはないので、安心して読んでください。
 なぜ、こんな事になった?クリストフェルは混乱した頭で、昨日から今日の出来事を振り返っていた。

 いつものように明日の教授会に向けた議題の内容確認をして特に問題はなかった。自分が学院長として就任して、初めての臨時職員会より上がってきた緊急議題の件を除いては。

「自らの議題を取り下げて違う議題に差し替えるとは。シャルロッタは、せっかく私が与えた好意を無下にするとは無礼な奴め。また同じチャンスが与えられると…な、なに?」

 シャルロッタに恩を着せる為に入れ込んだ議題を取り下げられ、苛立っていたクリストフェルの声が途中で止まった。シャルロッタから提出された議題の表題に“特別クラスのリョージパーティとエリーザベトパーティによる“初級探索者ダンジョン”クリアについて”と書かれていたからである。

 クリストフェルは貪るように内容の確認を始めた。いままで誰もクリア出来ないと説明を受けていた大部屋の攻略。その下にあるチャレンジ部屋に居た“2つ首ドラゴン”の討伐。それによって“初級探索者ダンジョン”がクリアされたこと。そしてクリストフェルの目を最大に引かれたのが、特別報酬の金額と素材の一覧表だった。その金額は王家から支給される10年分以上を軽く超えていた。

 クリストフェルが議題内容を何度も確認をしていると、ノックの音が部屋に響き渡った。夜分の訪問者に首を傾げながら扉を開けると、セオドアが緊急議題を握りしめて興奮した表情で立っていた。

「夜分の遅くに申し訳ありません。明日の議題の件について、学院長にお話がありまして」

「リョージとエリーザベト嬢が“初級探索者ダンジョン”を攻略したことか?」

「学院長はすでに確認済みでしたか。では、前置きは無しで本題を述べさせて頂きます。リョージ達が手に入れた報酬の内、素材は全てを徴収。金貨は3000枚を徴収でいかがでしょうか?」

「それはさすがに徴収し過ぎではないか」

「いえいえ。リョージは最近、伯爵になったとはいえ未成年。さらには学生です。我々が導いてやらねば強欲な人間に騙されてしまうでしょう」

「確かにな。彼に教育の機会を与えるのが我々の義務か。それにそれだけの金額があれば、私の学院をさらに発展させる為の活動が出来るな」

 クリストフェルは徴収した金額で、派手なロビー活動が出来る計算を立てると、セオドアの提案に頷いて、当日の対応についてはセオドアに一任するのだった。

 ◇□◇□◇□

 教授会を終えたクリストフェルは、自宅に戻り書斎に篭ると慌てた様子で荷造りを始めていた。ハーロルトの介入による教授会での失態は、とてもではないが取り返せるものではなかった。

「全てセオドアの失態ではないか!あやつからの提案など了承するのではなかったわ!今までの恩を忘れて、私が築き上げた地位を台無しにしおって!あの役立たずのゴミ屑が!」

 クリストフェルはセオドアに対する罵倒雑言を並べ立てながら、アイテムボックスに当座の生活を保証できる資金や、今まで手に入れた魔道具や宝飾品などを詰め込んでいた。

 当座の生活どころか、豪遊しても死ぬまで暮らしていける金額をアイテムボックスに詰め込んだクリストフェルが、扉に向かおうとすると突然左腕に違和感を感じた。

「人の悪口は控えた方がよろしいかと。それに、こんな夜分にどこに行かれるのですかな?クリストフェル前学院長殿」

「腕が!左腕が動かん!貴様なにをした!」

「あぁ、まずは自己紹介が先でしたね。私はハーロルト公爵直属のクロと申します」

 左腕が“なにも感じない”違和感に恐怖を感じとりながら声の方を向くと、全身黒で統一された衣装を着た男が立っていた。クリストフェルからの激昂した問い掛けに反応する事なく、自己紹介をしたクロは無造作にクリストフェルに近付くと右腕を触った。

「なっ!なにをした!右腕も動かん!や、やめろ!来るな!」

 右腕にも動かなくなったクリストフェルは、脂汗を額に浮かべながら拭う事もできずに後ずさりながら叫んでいた。

「ハーロルト公爵からの伝言です。『貴族を舐めた行動と態度は、その身で払ってもらおう。今後の事は責任を持って面倒を見てやるから安心するがよい』との事です」

「悪かった!私が愚かだった!反省している!リョージに全てを渡す!だから助けてくれ!金ならやる!」

「分かりました。それが貴方からの最後となる言葉ですね。しっかりとハーロルト公爵にお伝えさせていただきます」

 クロは無表情にクリストフェルの足や目を触ると、その場から立ち去るのだった。

 ◇□◇□◇□

 翌朝、クリストフェルは書斎で倒れた状態で発見された。助けた家族の話では、クリストフェルは意識はあるようだが、四肢は動かずに喋る事も頷く事も出来ないとの事だった。同日にセオドアも同じ症状で倒れているのが発見されたが、特に噂になる事はなかった。

 人々の耳に入ったのは、クリストフェルとセオドアの体調不良による学院長職、教授職の退職依頼が問題なく受理され、代わりにシャルロッタが学院長として選出されたとの事と、教授や講師に大量の退職者が出た話だった。
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