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169話 戦闘終了後の一コマ -景色がピンク色ですね-

戦闘が終わったのでお宝確認ですね。

「それにしても圧勝だったね!リョージ君が強いのは“ドリュグルの英雄”だから納得だけど、オルランドも負けないくらいに凄かったよ!なんで、そんなに強いの?学院に来る必要ある?」


「あぁ、それは僕もリョージ君と同じで小さい頃から鍛えられていたからだよ。ただ、魔法についてはちょっと苦手だから学院で勉強しようと思って来たんだよ」


 マテオの興奮した声にオルランドは微笑みながら答えていた。エリーザベトはマテオとオルランドの話を聞いていたが、意を決したかのような顔をするとオルランドに話しかけた。


「オルランドさん。実は物凄く強かったのですね。なぜ、私をリーダーとして認められていたのですか?勲章の色も【赤】ですが、本当は私と同じ【紫】か、リョージさんの【黒】レベルじゃないのですか?」


「そんな事は別にいいんじゃないかな?それよりも覚えている?貸しがあるんだけど?」


 エリーザベトの詰問を軽く流すと、オルランドは逆に大部屋でのやり取りを持ち出してきた。


「え?貸しですか?あ、あの時はとっさに言っただけで、別に特別な意味は…「えぇ!公爵令嬢が約束を違えるの?あのエリーザベトさんが?」。分かりましたわ!このエリーザベト!オルランドさんに借りた恩を公爵家の名に懸けて返しますわ!」


「ありがとう。流石はエリーザベトさんだね。じゃあ、一つ目はこれからエリーザベトさんの事をエリーって呼ぶから」


「えっ?」


 オルランドの言葉にエリーザベトが胸を張って約束は守ると告げると、オルランドは嬉しそうに「これからはエリーって呼ぶね」と宣言するのだった。


 ◇□◇□◇□


「え?うっ?え、エリーですか?お父様とお母様、お兄様以外に言われた事はないんですが…」


「じゃあ、ぼくが家族以外で初めてだね。エリー」


 オルランドの宣言に耳を赤くしながら反論しようとしたが、オルランドからエリーと呼ばれると顔を真っ赤にして俯いてしまった。


「2つ目だけど、ハーロルト公に会わせてくれる?挨拶をしときたいから。僕の名前で手紙を書くから、ハーロルト公に渡して欲しい。会うのは1週間後でいいかな?」


「ちょ、ちょっと待って下さいませんか!話の流れが速すぎてついていけませんわ!」


 オルランドから怒涛のごとく話を進められているエリーザベトは、パニックになりながら落ち着こうとして、全員の視線が自分達に集まっている事に気付いた。


「なんで、盗み聞きされてるんですの!あまり、いい趣味ではありませんわよ!」


「えぇ!あれだけ、私達の前で2人の世界を作っといて、趣味が悪いって酷くない?」


「取り敢えず、椅子とテーブルを出すから2人はゆっくりと話したらいいよ」


 亮二は【土】属性魔法で椅子とテーブルを作り出して飲み物を手渡すと2人を座らせ、残りの一同を連れてクエストクリアで用意された賞品の場所へと移動を始めた。


「後は若い者に任せて、俺達は賞品の確認をしようぜ!」


「みんな若いからね!言いたい事は分かるけど!」


 真っ赤な顔をしているエリーザベトと、そんな彼女を微笑ましそうに見ているオルランドの状況に興味津々の一同に対して、亮二は「賞品の確認をしよう!」と攻略報酬が置かれている“2つ首ドラゴン”の場所まで移動してきた。


「それにしても大きいね。リョージ君はこんなに大きいドラゴンと戦って怖くないの?」


「改めて見ると、かなりの大きさだよな。不思議と戦っている時は大きさを感じないんだけどね。むしろ、大きいから動きが読みやすくて助かるって感じかな?」


 亮二とマテオは“2つ首ドラゴン”の前で会話をしていたが、ルシア達はエリーザベトとオルランドが気になるようで、意識を2人に合わせて聞き耳を立てているのだった。


 ◇□◇□◇□


「趣味が悪いよ。ルシア」


「だって!気になるじゃない!見てよ!エリーザベトさんが物凄く真っ赤な顔をしているのよ!あっ!いきなり立ち上がった!と思ったら座った?あれ?今度は青い顔をしてる?なんで?え?また顔が真っ赤になって涙目になってる?!」


「真っ赤な顔なのは、さっきの『エリーって呼ぶね』発言がまだ頭に残っている状態で、もう一度エリーって言われたからで、いきなり立ち上がったのはオルランドに『これくらいで赤くなるなんて可愛いね』と言われて怒ろうとした。青い顔をしているのはオルランドが本気なのが分かって身分が合わないと青ざめた。で、オルランドが『身分なんて関係ない!君の事が好きなんだ!』と熱く語って、エリーザベトさんが嬉しさのあまり涙目になりながら顔が赤くなった。って感じじゃない?」


「リョージ君の説明は具体的すぎて面白味がないから嫌だ」


 興奮したルシアに解説をしていた亮二を、横から眺めていたマイシカが面白く無さそうに解説の感想を述べるのだった。


 ◇□◇□◇□


「じゃあ、ラブラブ解説も終わった事だし、賞品の確認をしようか。その前に“2つ首ドラゴン”が邪魔だよね。ちょっと片付けるよ」


 亮二は“2つ首ドラゴン”をストレージに片付けると“2つ首ドラゴンの財貨箱”を開けようとしたが、一同の視線が亮二の腰に集まっているのを見て首を傾げると代表してロサが話し掛けてきた。


「前から、聞こうとは思ってたんだけど、リョージ君のアイテムボックスって非常識すぎない?なんで“2つ首ドラゴン”が丸々入るの?」


「そんな事を言われても、ウチノ家代々に伝わっている専用のアイテムボックスだからね。どんな理屈になっているか、俺にも分からないんだよ」


 亮二の説明にもなっていない説明に一同は「リョージ君だからいいか」と溜息を吐くのだった。

オルランドが怒涛の攻めをしたようです。

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