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168話 ダンジョン攻略終了 -報酬が凄いですね-

イオルスとのお話も終わりました。

 オルランドを包んでいた光が消えると、”2つ首ドラゴン”の咆哮がチャレンジ部屋に響き渡った。時間が流れ始めた事を確認した亮二は警戒をしながら、オルランドに向かって話し始めた。


「イオルス神を召喚するような詠唱をしてたけど、どうなるの?」


「そうだね。神の力をこの身に宿す事で、僕の力と魔法の威力が跳ね上がるね。それと素早さと体力も上がるかな」


「それって、やっぱり教皇としての力も上がる感じ?」


 亮二の何気無い一言を聞いたオルランドは硬直すると、ぎこちなく視線を亮二に向けながら質問をしてきた。


「え?な、なんの事かな?」


「教皇ってコトは誰にも言わないから安心していいよ。エリーザベトさんとの仲も応援するから頑張れよ!」


「うっ?え、エリーザベトさんの事な…「落ち着いて。防音だから観客席には聞こえてないから」え?え、うん、分かった。諸々な事は置いといて、なんで僕が教皇なのを知ってるの?」


「オルランドに宿ったイオルス神から聞いた。って言ったら信じる?」


 オルランドは亮二から「イオルス神から聞いた」と言われても不思議には思わなかった。身体に満ちているイオルス神の力が、いつもの詠唱で得ている力よりも満ち溢れていた事と、神の声が頭の中に残っていたからである。


「信じるよ。だって、いつもに比べてイオルス神の力を強く感じるし、囁くように『彼の力になりなさい。ダメなら“ハリセン”よ』って声が聞こえてきたからね。ちなみに“ハリセン”ってなに?」


「この戦いが終わったら教えてあげる。って事で、さっさと“2つ首ドラゴン”を倒してしまおう。俺がブレスを吐く方をやるから、反対側の気を引いてくれ」


「リョージ君は僕の事が教皇と分かっても態度が変わらないね。なんで?」


「変わって欲しいなら変えるから言ってよ。でも、イオルス神と喋った俺からすれば、教皇なんて下っ端じゃん」


 オルランドからの言葉を亮二は笑い飛ばすと元気よく答えて”2つ首ドラゴン”に向かうのだった。


 ◇□◇□◇□


 亮二は”2つ首ドラゴン”に向かって突っ込むと、【土】属性魔法で壁を作って”2つ首ドラゴン”の背後に回り込んだ。”2つ首ドラゴン”は目の前に突然現れた壁に驚きながらも速射性ブレスで壁を破壊すると、壁の奥にいる亮二に対して止めを刺そうと突撃を行った。


「それはハズレだよ!」


 オルランドは叫びながらイオルス神の力が宿った身体をフルに使って、”2つ首ドラゴン”の右足を切断した。“2つ首ドラゴン”はあまりの激痛に、攻撃をしたオルランドに向けて速射性ブレスを吐こうと身体を向けて大きく息を吸い込んだ。


「そんな近距離でブレス攻撃をさせるわけないだろ!」


 亮二は自分に対して背を向けた“2つ首ドラゴン”の背後に、【雷】属性魔法を三重掛けした“ミスリルの剣”を突き立てた。首の付根に当たる部分に剣を刺された“2つ首ドラゴン”は、暫く速射性のブレスを吐きながら暴れていたが、ブレスが止まった瞬間を見計らったオルランドの一撃で首を落とされると徐々に生命活動を止めるのだった。


 ◇□◇□◇□


「意外と簡単に倒せたな」


「いや、リョージ君の三重掛けの属性付与攻撃のお陰だと思うけど?」


 動かなくなった“2つ首ドラゴン”の前で2人は話し合っていた。改めて“2つ首ドラゴン”を見ると“盤面の森”で倒したドラゴンよりも大きく、1人だったら討伐するのに苦労したのは間違いなかった。亮二はオルランドに向かって“コージモの剣”を返すように伝えると、名残惜しそうに手渡してきた。


「ねえ、“コージモの剣”って売ってもらう事は出来ない?」


「いま、注文が殺到してるから、早くても半年先になるよ」


「そこは教皇の力で周りに圧力を掛けるからさ」


「物騒だなオイ」


 亮二とオルランドが話し合っていると、部屋に無機質な女性の声が響き渡った。


「チャレンジ部屋の攻略おめでとうございます。攻略時間28分となり、最短記録及び最少人数の記録更新となりました。記録更新されたプレイヤーに対し、特別報酬として“2つ首ドラゴンの財貨箱”“ミスリル鉱石10Kg”“ドラゴンの魔石15個”“”火炎の剣”“どこでもシャワー”となります」


「おぉ!ものすごく豪華じゃん!ちなみに“どこでもシャワー”について説明して!」


「ご質問にお答えします。“どこでもシャワー”は蛇口の形をしており、壁に取り付けると大人2人が入れる大きさのシャワー室が出来ます。お湯と水は蛇口の状態で【水】属性魔法と【火】属性魔法を注ぐ必要が有ります」


「どこでもシャワーが出来る!まじでか!凄いじゃん!オルランド!これ!この“どこでもシャワー”を俺にくれ!どこでもシャワー出来るんだぞ!しかも、場所を選ばないんだぞ!」


「わ、分かったから!最初の約束通り、報酬は全てリョージ君が受け取ってくれていいから!それにしてもシャワーでそんなに激しい自己主張する?シャワーだけでなくて全部上げる約束だったから気にせずに貰ってね。でも、“火炎の剣”はくれると嬉しいな。“ミスリルの剣”と“コージモの剣”を持っているから使い道ないでしょ?」


「ああ、別にいいぞ。でも、本当にそれ以外は要らないのか?結構な金額になるぞ?」


「いいよ。教皇ってお金は要らないからね。必要な物は全部準備されるから」


 亮二の言葉にオルランドは気楽に答えていると、観客席からエリーザベトやルシア達がチャレンジ部屋に入ってくるのがみえたので、オルランドは「僕が教皇なのは秘密でお願い。教えたい人には自分で言うから」と頼み込むのだった。

シャワーが使えるって嬉しいですね。本当は”どこでもお風呂”とか有れば最高なんですが…。

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