表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
170/435

164話 ダンジョンでの大規模戦闘2 -一区切りつきましたね-

大規模戦闘はテンションが上ります!

 亮二は魔物の群れの左翼に突っ込み、目の前にいた魔物に対して”ミスリルの剣”で一刀両断にすると、中央に陣取っている魔物に向けて”ファイアボール”を連続で叩き込んだ。中央を陣取っていた魔物達は亮二が危険であると判断すると亮二に対して殺到し始めた。


「ルシア!攻撃の指揮は任せた!」


「了解!エリーザベトさんと”青の勲章コンビ”は向かって来た魔物に対して防御を主体とする事!マテオとロサは右翼の魔物に対して牽制攻撃で戦線の膠着状態を維持!マイシカと私はリョージ君のサポート!」


「「「了解!」」」


 亮二から攻撃の指揮を任されたルシアは、それぞれに指示を出すと亮二が戦っている左翼に対して”ファイアボール”を2連続で撃つと、マイシカに場所を譲って目の前に”ファイアアロー”を固定した状態で待機を行った。


「ルシアさん!リョージさんが戦っているのに”ファイアーボール”を撃ちこむなんて何を考えてらっしゃるの!」


「大丈夫!リョージ君を巻き込まないように範囲を計算して撃ってるから!そんな事より、エリーザベトは大丈夫なの?魔物への注意力が散漫になってるわよ!”ファイアアロー”!」


 エリーザベトの悲鳴交じりの抗議にルシアは叫びながら答えると、エリーザベトに襲いかかろうとしていた魔物に対して”ファイアアロー”を撃ちこんで撃退した。


「マイシカ!ちょっとだけ指揮を交代!マテオをこっちに向かわせるわ!私はエリーザベトのサポートをするから!」


「了解!でも早めにお願いね。まだちょっとリョージ君を巻き込まないように連続で魔法を撃つのは苦手だから!」


 ルシアの言葉にマイシカは笑顔で答えると、亮二が戦っている場所には範囲が及ばないように”ファイアーボール”を撃ち続けるのだった。


 ◇□◇□◇□


 エリーザベト達は呆然とした表情で亮二達の戦いを見ていた。亮二達のパーティーは誰が指揮を任されても自分で考え仲間の動きも把握しながら指示を与えており、縦横無尽に立ち位置を変えながら魔物に対して魔法を撃ち続けていた。亮二が突っ込んだ左翼の魔物は亮二とマイシカとマテオの魔法攻撃で壊滅状態になっており、生き残っている魔物も戦意喪失したのか入ってきた場所へ逃げるように潜り込んでいた。


「左翼は片付いた!これから中央を切り崩していくので、左翼はマイシカが引き続き対応を!中央は俺一人で、右翼をルシア、ロサで攻撃!マテオはエリーザベトさん達を護衛しながらタイミングを見て攻撃参加!オルランドは好きに動いてくれていいよ!」


「「「「了解!」」」」


 亮二は指示を出した後に中央部分に向かいながら”ミスリルの剣”に【雷】属性魔法を二重で掛けると、飛びかかって来た魔物を横薙ぎの一撃で命を奪い、返す刀で横から飛びかかろうとしていた魔物の足を切り裂いて行動力を奪った。


 戦闘時間はすでに15分を超えようとしていたが、ルシア達はエリーザベトの護衛を休憩所として設定する事で上手くローテーションを組みながら疲労が溜まらないようにしていた。


「それにしても、皆さんは戦いに慣れておられるんですね。どのような訓練をされたのか教えて下さっても構いませんか?」


 エリーザベトの質問に、周りを警戒しながらローテーションで休憩をしていたマテオは一瞬遠い目をすると、訓練内容を思い出したのか若干震えるように説明を始めた。


「エリーザベトさんが地下4層に進んでいた時に僕たちは地下3層で、順番にリーダーとなって地下3層を攻略していたんだよ。知ってた?”初級探索者ダンジョン”は一度攻略した部屋では魔物が出ないんだけど、リーダーを変更するって仲間内で決定すると魔物が再度発生するんだよ」


「えぇ!そんな事は知りませんでしたわ!」


「で、リーダーとしてみんなを引っ張っていくんだけど、リョージ君は危機的状況にならない限りは絶対に助けてくれないんだよ。ライナルト主任教授がリョージ君の事を教官のように恐れながらも尊敬しているのがよく分かるよ」


「どういう意味ですか?」


「リョージ君は『リーダーなら1人で戦って死ね!仲間を巻き込むな!』って言ってたな。他にも『周りが見えるようになったら、どう“動いて欲しい”かとリーダーの考えが分かるようになる。それが出来ないなら死ぬ覚悟を持ってリーダーが言っている事を盲目的に遂行しろ!』だってさ。言いたい放題だよね。ライナルト主任教授も同じように鍛えたって言ってたよ」


 マテオの説明にエリーザベトは自分との違いに愕然とする思いだった。自分は仲間を引っ張っていく事しか考えていなかった。自分がリーダーだから全てを自分が決めるべきだと思っていた。その結果が、1人が重症で2人はパニックになり亮二達のパーティーの救援が無ければ、死人が出てもおかしくなかった。それに対して亮二は誰がリーダーとしても対応できるようになってから地下4層にアタックしており、大量の魔物に対しても問題なく余裕を持って対応できていた。エリーザベトは安全部屋で亮二たちよりも進んでいると有頂天になっていた自分が恥ずかしく、オルランドの忠告が今になって身に染みてくるのだった。


 ◇□◇□◇□


 亮二達の活躍により大量にいた魔物はほぼ全滅しており、生き残っている魔物達も退却を開始していた。一同は警戒レベルを下げて合流するとエリーザベト達から魔物が大量発生した理由を聞いていた。


「なるほど、『欲しければ、力を示せ』とは分かりやすいね。これで力を示したことになるのかな?」


「金貨に触ってみていい?」


「「「「「「駄目だよ(ですわ)!」」」」」」


 ルシアの呟きに亮二が皿の中にある金貨を触ろうとしたが全員からツッコミが入り、オルランドは「触ったら面白かったかもしれないのに」と残念そうに呟くのだった。

この金貨って持って帰れないのかな?

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ