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155話 ダンジョン初日終了 -結構疲れますね-

みんなの視線が気になります。

「じゃあ、さっきの戦闘についての説明を始めようか」


「個人的にはリョージ君のアイテムボックスについて聞きたいんだけど?なんでそんな凄い物を持ってるの?」


 ロサが亮二のアイテムボックスと言っている革袋をじっと見ながら問い掛けると、カレナリエンも重ねるように亮二に質問をしてきた。


「そう言えば、リョージ様は“ミスリルの剣”の他にイオルス神が持っていたとされる装備をほとんど持ってますよね?それもウチノ家の家宝なんですか?」


「ちょっ、カレナリエンまで何を言い出すの?その話は俺の気が向いたらするから、今はさっきの戦闘についてでしょ。ルシアだったらどうしてた?」


「なんか誤魔化されたような気がするけど乗ってあげる。私がリーダーだったら詠唱しながら部屋に入って、敵を見たら一斉で攻撃するかな?マイシカだったらどう?」


 亮二が話を逸らすようにルシアに質問をすると、「貸しだよ」と小さく呟きが聞こえた。亮二が苦笑しながら頷くとルシアは嬉しそうに自分だったらどうするかを答えた後にマイシカにバトンを渡すのだった。


「わ、私だったら、ちょっとだけ扉を開けて中にどんな魔物が居るか確認するかな。だって、入ってみたら物凄い魔物が居るかもしれないじゃん」


「僕だったらどうするだろう?取り敢えず突入してから考えるかな?で、誰が一番正解に近いの?リョージ君」


 それぞれの意見を聞いた亮二は頷くと説明を始めた。


「そう、今みたいに人によって戦い方が違うんだよね。だからリーダーが『こうする!』って決めても自分の意見はしっかりと言っといた方がいいよ。かかってるのは自分の命だからね」



「じゃあ、さっきはロサとほとんど話もせずに突入したリョージ君はどうなの?」


 亮二の話を聞いてマイシカが首を傾げながら質問してきた。


「あぁ、それはロサが冒険者としての経験を結構積んでるって聞いていたから、臨機応変の対応をしても大丈夫だと思ったのと、中にいる魔物が大した事ないと判断したからだよ。“初級探索者ダンジョン”の最初の部屋で対応が不可能なレベルの魔物は出ないだろ?牛人5体とかだったら厳しいけどね」


「ぎゅ、牛人5体って。間違いなく国が対応する状況でしょうね。でも、リョージ様は牛人3体を同時に相手にして倒されてるんですよね」


 亮二が話した内容の最後に、カレナリエンですら自分とはレベルが違う事を改めて認識させられ、ルシア達からは「なんでリョージ君は学園に来たの?」と質問をされる亮二だった。


 ◇□◇□◇□


 一同は亮二が【土】属性魔法で作った椅子に座って休憩をしていた。テーブルの上には王都の屋台街で買った食べ物が乗っており、「ダンジョンにいる事を忘れそうですね」とカレナリエンから苦笑されていた。


「じゃあ、俺がリーダーだけど、次の戦闘からは指示を出さないから、順番にリーダーをやってみよう」


「え?私たちがリーダーをするの?」


「そう、戦闘の時だけね。もし、今後冒険者として活動中にリーダーが不在になった状態でも、リーダーの経験をしとけば最悪の事態は逃れられるかもしれないだろ?それにリーダーの気持ちが分かるのも大事だよ」


「そうですね。全員の命を預かってくれるのがリーダーですものね。私のパーティーはマルコがリーダーですが、彼に任せっきりでしたので負担を掛けてたかもしれないですね」


 亮二の言葉にカレナリエンが神妙な顔で呟いていたのを聞いた亮二は笑いながら話しかけてきた。


「マルコだったら大丈夫だよ。何だかんだ言いながらもリーダーが出来る男だからね。冒険者って職業が天職なんだと思うよ。よし、休憩はこれまでにして先を進もうか?3部屋くらい進んだら帰らないとシャルロッタ先生が言っていた時間に間に合わなくなるからね」


「意外と最初の部屋で時間を取っちゃったね。今後に役立つ情報だから構わないんだけど。でも、よくよく考えると扉を開けたら魔物が居る状態って、全然攻略が進まないんじゃないかな?」


 マテオの言葉に一同が「そうだよね」と話していると、カレナリエンが説明を始めた。


「それは大丈夫ですよ。パーティーリーダーが冒険者として登録していると、最後に魔物を倒した部屋までは敵が出ないようになってますから。なんでそうなってるかは分からないんですけどね。だから、初心者向きなんで学院用に開放されてるんです」


「なるほどね。他にも色々ありそうだね。この“初級探索者ダンジョン”は」


 説明を受けた亮二が探りを入れると微妙に顔を逸らして追及を逃れるカレナリエンだった。


 ◇□◇□◇□


 その後はルシア、マテオ、マイシカの順にリーダーを体験して、時間が来たので戦闘についての改善点を亮二に指摘されながら来た道を戻ると、入り口にはすでにエリーザベト一同が待っていた。


「遅いですわよ!リョージさん」


「え?時間的には問題ないと思うけど?ですよね?シャルロッタ先生」


「ええ、大丈夫ですよ。エリーザベトさんのパーティーは1階の最深部まで到達されたので早めに帰って来られただけです」


 シャルロッタの説明に「どうですか?リョージさん」と言わんばかりにエリーザベトは胸を張っていた。亮二は苦笑しながら「凄いですね」と答えるとエリーザベトは嬉しそうに仲間に向かって「私たちの勝ちですわ!」と宣言するのだった。

で、最優秀生徒は誰になるんだろ?

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