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153話 ダンジョンに潜る前の一コマ -静かにテンションが上りますね-

やっと、ダンジョンに潜ることが出来そうです。

「では、これから“初級探索者ダンジョン”へのアタックを行います。パーティーは事前に決めた通りでリョージ君とエリーザベトさんがリーダーとなってみんなを引き連れて下さいね。今日は初日ですから、王都でも名前の知られている高ランク冒険者の方がサポートをしてくれるので安心してアタックをして下さいね」


 シャルロッタが挨拶をしながら後方を見ると2人の冒険者がやってきた。


「カレナリエンとマルコじゃん!確かに高レベル冒険者だけどさ!」


「あら、私のサポートでは物足りませんか?リョージ様?」


「お前のお陰で辺境領に帰るのが伸びたんだから、小遣い稼ぎくらいさせろや」


 亮二のツッコミに笑いながらカレナリエンとマルコが近付くと、エリーザベトとパーティーを組んでいる生徒達とエリーザベトからどよめきが起こった。


「“精霊の愛娘”と“ドリュグルの守護神”ですって!」「そんな高名な冒険者がサポートしてくれるの?」「でも、カレナリエンさんはリョージ君の事をリョージ様って言ってたよ?」「あぁ、それはカレナリエンさんがリョージ君の婚約者だからだよ」「えぇ!カレナリエンさんが婚約者?って、なんでオルラントさんが知ってるんですの?」「男には秘密が色々有るんだよ」「意味が分かりませんわ!」


 一同がパニックになっている中、亮二がマルコに語りかけた。


「なんだよ、マルコも凄い二つ名を持ってるじゃん。俺のと交換してよ」


「ん?”ドリュグルの英雄”とか?それだったら別に構わねえよ」


「本当?よし!今日からマルコは”キノコを極めし者”だ!」


「そっちかよ!そんな二つ名はいらねえよ!お前だけだよ、“きのこの森”でキノコのお化けを1000体以上討伐してるのは!」


「さすがマルコ!相変わらず切れのあるツッコミ!マルセル王からツッコミ担当との言葉をもらった男は違うよな!」


「もうそれはいい…。頼むからその件については忘れてくれ」


「え?急にどうしたの?」


 途中まで亮二との突っ込み合戦のような事をしていたマルコだったが、亮二からマルセル王の名前が出ると急に元気が無くなって来たので問い掛けると、元気の無いままの声が返ってきた。


「マルセル王から勲章が届いたんだよ。リョージが言った通りの“ツッコミ担当”の勲章だよ。おい!どうなんだよ!“ツッコミ担当”の勲章って!どう考えてもおかしいだろ!サンドストレム王国の国王が認めたんだぞ!俺がツッコミ担当だって!勲章をもらった日は意識がなくなるまで酒を飲んだわ!」


「お、おぉ。そ、それは良かったな。勲章を貰ったんなら金一封も有ったんだろ?」


 マルコは元気が無い状態から、いきなりトップギアが入ったようにまくし立て始めた。亮二はフォローのつもりで圧倒されながらも返事をすると、マルコから何かに取り憑かれたかのような目になってブツブツと言い始めた。


「金一封な。金貨5枚と”棒”だぞ。“棒”ってなんだよ。これで穴を見つけて突っ込めってか?やかましいわ!」


「マルコ帰って来い!どうせ金貨5枚分はもう飲んだんだろ?今日のダンジョンへのアタックが終わったら俺が奢ってやるから」


「おっ!約束だからな!おい!お前ら!今日のダンジョンへのアタックが終わったらリョージが奢ってくれるらしいぞ!ここにいる先生に一番認めてもらった奴は、リョージが個別にお願いを聞いてくれるらしいぞ!」


「おぉい!マルコ、何を言ってんだよ!勝手に…「リョージ様!それ私も参加していいんですかね?」何言っちゃてんの?駄目に決まってんじゃん!カレナリエンが参加したら一瞬で終わるから駄目だよ!」


 マルコの宣言に生徒達から歓喜の声が上がり、シャルロッタは苦笑を浮かべながらも公認し、カレナリエンが「リョージ様に個別にお願いが出来る?」と目を輝かせて参加表明するなど、混沌とした状態になり30分ほど騒動が落ち着くまでかかるのだった。


 ◇□◇□◇□


「では、そろそろ出発をしましょう。各自準備は大丈夫ですか?」


「「「「はい!」」」」


 シャルロッタの声に生徒達から勢いのある返事が返って来たのを確認すると“初級探索者ダンジョン”の入り口に潜るように指示を出した。ダンジョンに足を踏み入れると、思ったよりも綺麗に整備された通路が前面に広がっており、どこからか光が入るのか全体的に明るくなっていた。


「おぉ、思ったよりも明るいな。でも、この道って一本道だけど、2パーティーはどこで別れるんですか?」


「リョージくん、良い質問ですね。もう少し先に行くと小さい部屋があって、そこで左右に別れてもらいます。今日は初日なのでカレナリエンさんとマルコさんに付いてもらいますが、次回からは皆さんだけでアタックする事になりますので十分に注意して下さいね」


「「「「分かりました!」」」」


 暫く歩くと小部屋に到着した。小部屋は13人が入るには手狭であり、小部屋に入ったパーティーリーダーの亮二とエリーザベトは、どちらの道に行くのか決める相談を始めた。


「どうする?エリーザベトさんはどっちに行きたいとか有る?」


「私はどちらでも構いませんわ!お好きな方を選んで下さって構いません。それと、リョージさん忘れないで下さいね!今日の働きで先生に一番評価された人がリョージさんにお願いを何でも聞いてもらえるって!」


「何でもじゃないからね!それにマルコが勝手に…「では!選ばれないのでしたら私は右に行きますわ!約束を忘れないで下さいね!皆さん!右の扉を進む事になりましたわよ!では、マルコさんよろしくお願いします」」


 亮二の話を途中で遮るとエリーザベトはメンバーとマルコと一緒に右の扉をくぐって行くのだった。

エリーザベトさんは本当に人の話を途中で遮りますよね。よく有るテンプレですけどね。

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