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139話 私的魔法学校2限目の続き -魔法を使えるようになりましょうね-

今日の授業で魔法を使えるようになろう!

 鉄で作った"ミスリルの杖"のカバーは、亮二以外では魔力を注ぐ事が出来ないと分かったので別の素材を使う事が決まった。


「でも、鉄じゃなかったら何にする?木?銀?金?」


「"銀の杖”でも結構な品になるよ。”金の杖”は成金ぽくって嫌だ。やっぱり木かな?」


 亮二の疑問にマイシカが「銀でも高いし、金は成金だ」と答えたので、最終的には木を使って"ミスリルの杖"のカバーを作る事になった。亮二はストレージに収納されている"杖"を取り出してマイシカに見せたが、亮二が持っている"杖"は普通に武器屋で売っている“杖”ではあり得ない素材だったらしく「こんな木を見た事が無いよ」と参考にならないとの事だった。


「じゃあ、王都の武器屋で"杖"を買いに行くとするか。って、買いに行くならマイシカのお父さんの店が良いだろ?」


「別にお父さんの所で買わなくても大丈夫だけど、出来れば買ってくれると嬉しいな」


「もちろん。売り上げに貢献させてもらうよ。そうは言っても"杖"しか買わないだろうけどね」


「大丈夫だよ。リョージ君がうちで買ってくれるだけでも宣伝になるから。“あの”ドリュグルの英雄“が贔屓にしている店!”って店の玄関に貼っとくよ」


 亮二がマイシカの店で“杖”を購入する事を約束すると、マイシカは嬉しそうに頷きながら亮二を店の宣伝に使うと宣言するのだった。


 ◇□◇□◇□


「じゃあ、杖問題はこれでほぼ解消として、今度こそ授業の続きをしよう。よし全員”ミスリルの杖”を構えて!魔力を通して!その状態で我慢!」


「リョージ君。意外とキツイ!魔力が物凄い勢いで減っていくよ?大丈夫なのこれ?」


 亮二の号令の下に”ミスリルの杖”に魔力を流した状態を維持していた一同から悲鳴が聞こえてきた。亮二はストレージから駐屯地で作っていたマナポーションを取り出すと机の上に並べて説明を始めた。


「これはウチノ家特製のマナポーションで、店に売っているマナポーションに比べると5倍の効果があるよ。飲んだら魔力が目に見えて回復するからギリギリまで頑張って!で、ギリギリまで魔力を注ぎ込めたら【火】属性に繋がるようなイメージを浮かべて!“熱い炎”が自分の目の前に1本の矢として現れるよ!」


「うわぁ!出た!リョージ君見て!出来たよ!」


「私も出来たわ!凄い!」


「これって、ひょっとしなくても革命的な場面に遭遇しているんじゃないの?詠唱無しで“ファイアアロー”が目の前に固定されたままで展開されてるわ」


「魔法の使い方をまだ習ってないのに、こんな事が出来る様になるなんて!やっぱりリョージ君って凄いよね!」


 一同から絶賛を受けた亮二は両手を挙げて満面の笑みを浮かべると「まだまだ行くよ!」と再び“ミスリルの杖”に魔力を注いで属性をイメージするように伝えるのだった。


 ◇□◇□◇□


「リョージ先生。もうさすがにお腹が“たぷたぷ”なんですよ。今日のところはこれで勘弁してもらえませんかね?」


「え?お腹が“たぷたぷ”?やっぱり飲み過ぎてお腹が膨れるよね?なんでポーションの類って飲み物なんだろう?何回も飲んでたらお腹が膨れて飲めなくなるよね?」


 マテオの限界宣言に、ポーションが飲み物で有る事に亮二が首を傾げながら疑問に思っているとロサから呆れた声が返ってきた。


「当たり前じゃない。ポーションを飲む時って戦闘中の場合も有るのよ。飲み物じゃないと、とてもじゃないけど食べながら戦うなんて無理だわ」


「そっか、すぐに飲めるようにしとかないと駄目なんだね。でも、それだったら戦闘中以外に回復する場合の“食べるポーション”が有ってもいいかもね」


 亮二が呟いた内容にルシアが激しく喰い付いてきた。


「リョージ君!それってすぐに作れるの?材料は干し肉にするの?私に手伝える事がある?ねぇ!私にも一枚噛ませてよ!リョージ君!」


「ちょっ!近い!近いってば!ルシアはテンションが上がると顔が近い!」


 詠唱破棄の時と同じ勢いで近付いてきたルシアの顔を再び両手で押さえながら、亮二は説明を始めた。


「取り敢えず思い付いただけだから、今から詳細を考えていかないと駄目なんだけど、マイシカのお父さん関係で道具屋さんとか居ない?」


「それだったら私のお父さんを紹介するよ。王都で道具屋やってるから」


 亮二はマイシカに道具屋の知り合いを紹介してもらおうとしたが、ルシアから実家が道具屋である事を聞くと思わず突っ込んでしまった。


「今までそんな事を1回も言わなかったじゃん!」


「だって、聞かれなかったからね」


 亮二のツッコミを軽く躱すとルシアは満面の笑顔で「材料費を考えると販売価格は…」と呟き始めた。マテオやロサは呆れた顔で、マイシカは「当然よね」と商人顔で納得の表情で頷いているのだった。


 ◇□◇□◇□


「はい!では、これ以上はポーションを飲みたくないって事なんで今日の授業はこれまでにしとくね。今日の課題は軽く魔力を“ミスリルの杖”に注いだ状態で【火】属性魔法をイメージしてみて。こんな感じかな?」


 亮二は”コージモの剣”の発動具を取り出すと、【火】属性魔法を発動させて見本を見せると「頑張ってね」と笑顔で伝えるのだった。

明日は食べるポーション作りかな?

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