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135話 私的魔法学校の開講 -魔法の勉強を始めますね-

これから授業の始まりです。

「大丈夫ってどうするの?」


 マイシカの疑問に亮二は嬉しそうにストレージから“ミスリルの杖”を取り出すと4人に渡した。4人は亮二から受け取った”ミスリルの杖”をまじまじと見つめた。杖の長さ自体は30cm程だが、その先には大きめの魔石が付いており、ひと目見ただけでかなりの高級品である事が分かった。


「リョージ君、こ、これは?」


「俺からのパーティー結成のプレゼント。もし、普段使っている方が良いのだったら返してくれていいよ」


 ロサからの震えるような問い掛けに亮二は爽やかな笑顔で「俺からのプレゼント」と言われた4人は呆然としながら“ミスリルの杖”を眺めていたが、亮二から「要らなかったら返してくれていいよ」と言われて慌てて杖を取られないように抱えると一斉に答えた。


「貰うに決まってるじゃない!こんな高級な杖を持ってる訳が無いでしょ!」


「嬉しいけど、こんな高い物をもらっても何も返せないよ?」


「私も貰うよ!でも本当に貰っていいの?お父さんに見せたら引っくり返る勢いの金額だと思うよ?」


「私も貰うけど、本当に大丈夫?冒険者の目線で見ても、これは1級品よ?どこから4本も手に入れたの?」


 3名から勢い良く言われ、ロサからは入手経路を聞かれた亮二は嬉しそうに説明を始めるのだった。


 ◇□◇□◇□


「素材を持ってたから皆の為に作ったんだよ。杖の部分はミスリルで、先端の魔石はワイバーンの魔石になってるよ。普通の杖の倍くらいの威力は有るんじゃないかな?威力だけじゃなくて、魔力を通すのも楽だと思う。デザインは俺の個人的な興味でドラゴンにしてみました」


「え?ミスリル?銀じゃないのこれ?そ、それにワイバーンの魔石?デザインを考えた?え?これリョージ君が作ったの?」


 マイシカの困惑した質問に亮二が答えようとしたが、その前にルシアがマイシカの肩に手を置いて軽く首を振ると「リョージ君だから」と小さく呟いた。


「おい!ルシア!今、「リョージ君だから」って言ったろ!それ禁止!あんまり言うなら“ミスリルの杖”を返してもらうぞ!」


「やだよ!もう貰ったもんね!返せって言われても返さないから!こんな物も作れるなんて「さすがリョージ君だね」!」


 舌を出しながら嬉しそうに”ミスリルの杖”を構えると、くるくると回って喜びを表現するルシアとマイシカに苦笑を浮かべながら、亮二はストレージから“コージモの剣”を取り出すのだった。


 ◇□◇□◇□


「じゃあ、“第1回魔法使いになります”の授業を始めます。パチパチパチ。はい!皆さんも拍手!」


 亮二のテンション高い開催の合図にマイシカと意外とロサがテンション高く乗ってきた。ルシアは冷めた目でマテオは恥ずかしそうにしながら拍手をするのを確認すると、亮二は授業の説明を始めた。


「まずは”ミスリルの杖”を使う前に魔力の使い方を覚えたいと思います。ロサ君!」


「え?ロサ君?どうしたの急に?」


「ロサ君は冒険者をしていた時の職業は何ですか?」


「え?私の質問は無視?いいけど、冒険者時代は”魔法使い”をしてたわよ。だから学院に入学したんだから」


 亮二の心の中のイメージで学校を想定して生徒を君付けで呼んでいるが、もちろんそれが4人に伝わる事なく困惑した表情が返ってきたが、亮二は気にせずに話を続けるのを聞いて「リョージ君だからね」と諦めながら話を聞くのだった。


 ◇□◇□◇□


「では、魔法も使えますよね?」


「もちろん使えるわよ。【火】【水】の魔法は使えるわよ。それがどうしたの?」


「では、【水】属性の魔法で何か見せてもらえますか?」


 突然の亮二からの指名で魔法を使うように指示されたロサは、亮二が【土】属性魔法で作った椅子から立ち上がると、“ミスリルの杖”を構えて詠唱を始めた。


「我、ここに清き流れを呼び出し、敵を撃たん!”ウォーターアロー”」


 詠唱が終わるとロサの目の前に”ウォーターアロー”が現れ、的として用意した5m先の木片に当たると、木っ端微塵になって砕けた。


「え?リョージ君、これって通常の杖より倍以上の威力が出てるように感じるんだけど?それに、魔力の通りが全然違うんだけど?


「さっき同じ事を私が言ったよね。でも期待通りの反応を有り難うロサ君。では、先ほどの授業の続きを始めよう。第一に…あぁ!面倒くさい!元の口調に戻すね」


「いや、誰もお願いしてないよ?」


 マテオのツッコミを華麗にスルーすると亮二はロサの質問に対する回答と、魔法についての説明を始めた。


「ちなみにロサが感じた魔法の威力が強いのは”ミスリルの杖”のワイバーンの魔石のお陰で、魔力通りがいいのはミスリルのお陰だね。それと、ロサが“ウォーターアロー”の魔法を撃つまでに手順が有ったんだけど、どれだけの手順があるか分った?」


「え?”ウォーターアロー”を撃つの1手順じゃないの?」


「いや、さっきのロサの動作の中には“魔力を杖に込める”“魔力を【水】属性に変換する”“敵を認識する””敵に向かって魔法を放つ”の過程が有ったんだよ。これを意識する事で魔法を使えるようになる。大事なのはイメージだから、まずは魔力を”ミスリルの杖”に注ぐイメージをしてみよう」


 亮二の説明に全員が納得して”ミスリルの杖”に魔力を注ぐ練習を始めた。2時間程で全員が魔力をスムーズに注ぐ事が出来たのを確認すると、全員に課題を出すために説明を始めた。


「じゃあ、今日の授業はこれまでとして課題を出すね。今日の課題は“ミスリルの杖”に魔力を込める事と、全員が持ってる【火】属性のイメージを固める事。その為に、これから魔石を渡すから【火】のイメージを魔石に注いでみて。こっちは出来ても出来なくても大丈夫だから」


 亮二は課題として魔石を1人3個渡すと「頑張ってね」と伝えるのだった。

ダンジョンに潜る前に全員が魔法を連射出来るようにする!

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