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127話 屋敷購入の報告とパーティーの準備 -周りには助けられますね-

それにしてもライナルトは嬉しそうだったな。

 ライナルトが意気揚々と帰宅した後に、メルタとカレナリエンが買い物を終えて帰って来た。誰も居ない事に気付いたメルタが荷物を置くと、周りを見渡しながら尋ねてきた。


「ご学友とライナルト様は帰られたのですか?」


「ライナルトは研究する題材を与えたら、弾むような勢いで帰って行ったよ」


「学院主任教授に研究の題材を与えたって…、相変わらずリョージ様は規格外ですね」


 亮二の軽く返ってきた内容に溜息を吐きながらメルタは荷物を片付け始めたが、カレナリエンの手には小さい手荷物が有るだけだった。不思議に思った亮二はカレナリエンに尋ねた。


「なんでカレナリエンは荷物が少ないの?じゃんけんで勝ったから?」


「”じゃんけん”が何か分かりませんが、私はアイテムボックスが有るので細々した物を担当してるんです。リョージ様のアイテムボックスみたいに大きさに関係なく何でも入れば良いんですけどね」


 亮二がカレナリエンと話していると、メルタが慌ててリビングに戻って来て焦ったように話しかけてきた。


「リョージ様!確認して無かったのですが、屋敷を購入する話をユーハン伯爵とマルコに話してますか?」


「え?そう言えばして無かったな。勢いで買った感じだもんな。時間も有るし報告に行くか」


 亮二は2人に「報告してくるから引き続き家の方をよろしく」と伝えると宿舎に向かうのだった。


 ◇□◇□◇□


「すまん、もう一回説明をしてくれるか?リョージ?」


「だから自分の屋敷を買ったんだって!」


 マルコが眉間を押さえて、上を向きながらしてきた質問に亮二は満面の笑みで答えた。亮二から「学院から近い」「誰も住んでなくて、ほぼ新築」「庭も広くて、ポーションを作る小屋も作った」「明日から住む予定」と立て続けの説明を聞いていたユーハンが最後まで聞き終わってから亮二に尋ねた。


「学院から近いとなると高額物件だと思うんだが大丈夫だったのか?」


「大丈夫ですよ。ライナルトがかなり勉強してくれたので格安で購入できました」


「え?ライナルトから屋敷を購入したのか?確か彼の屋敷は魔術論文の功績と主任教授就任を祝って渡された物件じゃなかったか?」


 ユーハンから聞かれた内容に亮二は「大丈夫ですよ。使ってないから買って欲しいと言われましたので」と答えるとマルコが渋い顔で重ねるように質問をしてきた。


「お前”試練の洞窟”での勢いで、無理やり値引きさせたんじゃないだろうな?ちなみに幾らで買ったんだよ?」


「大丈夫だって!ライナルトが主任教授って事が分かってから、彼の顔に泥を塗るような真似をしてないよ。ちなみに金額はライナルトが「金貨500枚」って言ってきたのを「金貨1000枚」にしてもらった」


「格安で買ったって言ってるのに何で値上げしてるんだよ」


「だって、『王都の学院に近い物件で同じようなのを購入しようとしたら「金貨2000枚」は必要ですね』って不動産屋に言われたんだよ。だから、さすがに金貨500枚は駄目だなって思ってライナルトと交渉した結果が金貨1000枚だったんだよ。不動産屋の店主は変な顔で見てたけどね。買い手が「それは安い!金貨1300枚」売り手が「それは高い!金貨600枚」ってやり取りしてるんだから」


「ま、まあ、いざこざなく契約が結べたのなら問題ない。明日から住み始めるなら私の方で王家には連絡しておこう」


「有難う御座います。あっ!明日は学院で知り合いになった友人達とパーティをするので、時間が有ればお越し下さい」


 ユーハンから貴族は王都に滞在中は「何処にいるのかを分かるように最低でも滞在先を伝える必要が有る」と聞いた亮二がユーハンにお礼を言っていると、マルコが嬉しそうな顔で割り込んで来た。


「もちろん俺も行って良いんだよな?」


「多分、20人くらい来る予定で色々と用意するから、たらふく食べて派手に飲んでくれて良いぞ。奥さんに怒られない程度でね」


「お前は一言多いんだよ!じゃあ、俺ら以外にも何人か連れて行って良いか?」


「おう!それだったら30人前は用意するから、ちゃんと連れて来いよ!」


「任せとけ!」


 亮二はマルコ達に明日の開始時間を伝えると宿舎を出て市場に向かうのだった。


 ◇□◇□◇□


「おぉ!やっぱり王都は違うな」


 市場にやって来た亮二はその規模に圧倒されていた。初日は市場を遠目に眺めていただけだったので「凄いね」くらいにしか感じていなかったが、実際にやって来ると同業店舗の多さ、店舗単位での扱っている品数の多さ、買いに来る人の多さ、全ての”多さ”がドリュグルの街とは比較にならない規模であった。


 暫く市場を眺めていた亮二だったが、今回はパーティーのための出来合いを購入する為に市場の中にある屋台街にやって来たのを思い出して、人気投票に参加した屋台の店主を探して捕まえると挨拶をするのだった。


「やっ!どう売上は?」


「リョージさんじゃないですか!あの日からお客さんが来過ぎて昼前には店を仕舞っている状態ですよ!本当にリョージさんは神様ですよ!それで今日はどうしたんです?」


「急だけど明日って空いてる?昼から学院で出来た友達と入学祝いのパーティーをしようて話になってね。8店舗の誰かに来て貰えないかなと思ってやって来たんだよ」


「そんな事なら俺が行きますよ。もちろん材料代は出して貰えるんですよね?」


「当たり前じゃん!利益を含めて請求してよ。それとも前金を渡しといた方がいい?」


 店仕舞いをしていた店主は「喜んで行きますよ」と返事をして、亮二から前金を受け取ると他の店にも声を掛けると約束するのだった。

これで準備は万全かな?

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