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125話 屋敷を購入 -いい物件が手に入りましたね-

実にいい物件が手に入ったのでホクホクです。

「それではこちらが契約書でございます。本当に賃貸ではなくて売買契約でよろしかったんですか?」


「ええ、維持費も馬鹿になりませんし、元々住んでないのでそのままだと傷んでしまいますからね。ぐんそ…リョージ子爵に住んで頂けるなら私としても鼻が高いですよ」


 ネイハムの父である店主が契約書を用意しながら最後の確認を行ってきた。ライナルトは満足気に頷くと問題ない事を伝え、契約書にサインをして亮二に差し出してきた。


「助かるけどさ。ライナルトも気にせずに遊びに来てくれるよね?」


「ええ、もちろん。庭に小屋を作られるんですよね?何か研究されるんですか?」


「あぁ、駐屯地でも作っていたポーションを作ろうと思ってね。アウレリオから『早急にポーションを送って下さい!作れたら順次発送をお願いします』って手紙が来たんだよね」


「ポーションですか。”試練の洞窟”で使っていた秘薬ではなくて?」


「そうなんだよ。秘薬は俺も作り方を知らないから手持ちの分しか無いんだよね。いま市場に出回っているポーションより効果は5倍くらいのしか作れないから、それをドリュグルの街と駐屯地で販売しているんだよ」


「それでポーションを作るための小屋を建てると。今後の参考のために、小屋を建てられる時は呼んでもらってもいいですかね?」


「いいよ。この後で小屋も造るから一緒に屋敷まで行こうか」


「造る?建てるじゃなくてですか?」


「まあ、見たら分かるから楽しみにしといてよ」


 亮二はライナルトと会話しながら契約書の内容を確認して問題ないと判断すると、サインをしてカレナリエンに手渡した。契約書を受け取ったカレナリエンは何やら聞き取れない言語で契約書に語りかけると契約書が淡く光り始め、亮二とライナルトを包み込んだ。何回見ても自分の中に光が入っていくだけで契約完了になるのが不思議だった亮二はカレナリエンに聞いてみた。


「ねえ、俺はカレナリエンから3回の契約魔法を受けてるけど、特に変化は無いみたいなんだけど?」


「見た目は何も変わりませんよ。ですが証明書に契約内容が記載されていますので確認されてみてはどうですか?」


 証明書

 名前:リョージ ウチノ

 職業:戦士

 ランク:B

 討伐:286,960ポイント

 賞罰:”試練の洞窟”での牛人討伐、ユーハン伯爵付け名誉騎士、ぷりん名誉料理長、あいす名誉料理長、”試練の洞窟”での牛人3体討伐、”試練の洞窟”の開放、”暴走する巨大な角牛”の討伐

 契約:金貨300枚貸借契約(カレナリエン)、ポーション検査及び名義貸し(ドリュグル魔術師ギルド長)、屋敷販売契約(ライナルト=ノスケ)


 亮二は久しぶりに証明の賞罰を眺めてひっくり返りそうになった。


「ねえ、この”ぷりん名誉料理長””あいす名誉料理長”の賞罰って、ひょっとしなくてもエレナが犯人?」


「そうですね。やっと気付かれましたね。その2つの賞に関しては王室から早急に与えるようにと連絡があった事を覚えています。晩餐会でのマイセル王から”ぷりん伯爵”の称号を与えるの噂がありましたが、今のところは特に連絡はないですね」


 契約内容を見るだけのつもりだったのに賞罰の方に気を取られて危うく本題から逸れそうになった亮二だった。


 ◇□◇□◇□


 契約も無事に締結し、料金に関してもライナルトには宝石で手数料は金貨で支払った亮二は店主から鍵を受け取ると早速屋敷に向かった。不動産屋から出て徒歩で15分ほどで屋敷に着いた亮二達は屋敷に入って再度確認を行った。


「必要な物を買えば、今日にでも入居できそうですね」


「そうだね。住むのに必要な物に関してはメルタとカレナリエンに一任していいかな?結局、ドリュグルと駐屯地の時と同じように丸投げだけど頼むよ」


「もちろんです。その為にメイド長に選んで頂いたんですよね?ちゃんとカレナリエンも使って明日には住めるように致しますのでご安心下さい」


 亮二から準備を一任されたメルタは「お任せ下さい!」と胸を張ると、早速カレナリエンを伴って市場に買い物に出るのだった。


「ところで、リョージ君。私達はいつまで付き添ったら良いのかな?」


「ゴメン!そうだよね。今日は1日付き合ってくれて有難う。お礼に何かしたいけど、どうしたらいい?」


「別に楽しかったからいいよ。ライナルト主任教授とも今日で仲良くなれたし」


 ルシアから声を掛けられた亮二は結局1日引っ張りまわした事を謝罪し、お礼を用意すると伝えたが、ルシアとマテオから『次の入学お祝いパーティーで奮発して』と笑って断られた。そんな様子を眺めていたライナルトとネイハムに亮二が語りかけた。


「今日は1日有難う、ネイハム。出会いは兎も角、今後もよろしく頼むよ。今度、パーティーをするから一緒に参加してくれるよね?」


「え?俺もお邪魔していいんですか?あんな対応したのに?」


「それについては謝罪してくれたじゃん。今日1日で仲良くなったつもりだったんだけど、俺だけだったのかな?」


「とんでもない!喜んで参加させてもらいます!俺の方が年上だけど、これからは”兄貴”と呼ばせてもらいます!」


 パーティーの参加を打診したネイハムから困惑の声が挙がったが、亮二が軽くプッシュすると喜んで参加すると返事が返ってきた。『”兄貴”って何だよ!お前の方が5才以上も年上じゃん」とツッコンだが「ハイ!兄貴!」と返事が返ってきたので「もうそれでいいや」と諦める亮二だった。

早速、小屋を作っていこう!

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