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第7話 いきなりダンジョン伝説。 10日間で1000pt溜めるダンジョンマスター

それからの日々は大したことは無い。




1日目  103pt + 回復量 110pt =213pt


此処で僕はポイント銀行を利用することにした。

このポイント銀行は、マスターがダンジョンの外にポイントを行き来させる際、

円滑に進めることができる上に、更に手数料が安くなる。

自分の最大ポイント量を超えると、それ以上回復できなくなるところを、

自分の最大ポイントと同じ分だけ、銀行に預けておくことができる。

ダンジョンがボロボロにされてもその修復にマスターから無理矢理ポイントをもぎ取ることもなくなる。

…ただしその場合ダンジョンに食われてしまうこともあると摂理が言っていた。


使用料は初期料金50pt。

これでもセール中らしい。

更に月の中日に月額10ptの支払いがある。

但し預けているポイントが50pt以上なら5pt。

100pt以上なら1pt。

500pt以上なら無料になるらしい。


早速僕は50ptを払って100ptを預けた。

小さな妖精さんが来て、100ptを持っていったが、

先日の男よりは遥かに好印象だった。


あっ、遥かに好印象ってギャグじゃないからね。

そう言えば今日は朝は紅茶だけだったな。


「摂理。」


「はい。」



「食事は朝昼晩しっかり取ろう。

そういうところを削ると心まで貧しくなる。」


「わかりました。」


衣食足りて、礼節足る、だ。





今日の食費は朝が紅茶のみ。

ランチがアドリア風のパスタと紅茶。

ディナーはコーンクリームを塗ったトーストと紅茶。


締めて2pt。

まずまずだ。



姫宮遥の残りポイント 61pt(銀行 100pt)







2日目  61pt + 回復量 115pt =176pt (銀行 100pt)



今日は食費を浮かせるために第一階層の浅瀬に海藻を取りに来た。

モンスターがまだあまり強くないからやれることだ。

一応150ptを使って、

『ダンジョンマスター戦力化』を使用する。

これで万が一モンスターに襲われても大丈夫だ。


折角なので

礁湖雀蜂(ラグーンヴェスパ)

の様子を見に来た。




相変わらずプライドが高そうな態度だ。

何処か親近感を感じる。

暫く見詰め合った後、僕はその場を後にした。



途中で御剛沙蚕(ゴゴゴカイ)がダンジョンマスターたる僕に襲い掛かって来たけれど、

『ダンジョンマスター戦力化』によって強化された僕のパンチでのびていた。

のびた奴に対し他の御剛沙蚕(ゴゴゴカイ)が喰らいついていた。


へー……共食いもするんだ。


その他にも砂浜でも何匹か御剛沙蚕(ゴゴゴカイ)を見つけた。

……まさかもう繁殖していないよね?していないよね?




エリアから帰って摂理に経過を話すと、

150ptの『ダンジョンマスター戦力化』を無駄遣いと怒られてしまった。


代わりに食事を豪華にして、子羊のステーキを出して、

更に百合の花とそれが映える花瓶。ふりふりのレースが付いたワンピースをプレゼントしておいたら、

機嫌がよくなった。6pt使った


姫宮遥の残りポイント 20pt(銀行 100pt)






3日目  20pt + 回復量 120pt =140pt (銀行 100pt)


この日は海藻をたくさん取って、

朝昼晩海藻を食べた。



姫宮遥の残りポイント 140pt(銀行 100pt)






4日目  140pt + 回復量 100pt =240pt (銀行 100pt)


お腹を壊してしまった。海藻が中ったのかはわからないが、可能性はあるだろう。

自然回復量が下がっていた。


姫宮遥の残りポイント 240pt(銀行 100pt)



5日目  240pt + 回復量 110pt =350pt (銀行 100pt)


まだ体調は悪いがやや持ち直した。

今日は僕と摂理の2人とも朝昼晩おかゆにした。

なんと6食セットで1ptだった。



姫宮遥の残りポイント 349pt(銀行 100pt)



6日目  349pt + 回復量 120pt =469pt (銀行 100pt)


今日もおかゆセットだ。

体調はだいぶ持ち直した。

ディナーは点心飯と餃子だ。1pt使った。

ここで銀行に400ptを振り込んだ。




姫宮遥の残りポイント 68pt(銀行 500pt)





7日目  68pt + 回復量 140pt =208pt (銀行 500pt)


体調は完全に回復した。

懲りずに海藻を取りに行き、

今日も海藻漬けの朝昼晩だ。


摂理、呆れた顔で見ないでくれないか。



姫宮遥の残りポイント 208pt(銀行 500pt)





8日目  208pt + 回復量 145pt =353pt (銀行 500pt)



このままいけば順当だろうそう思ったときに事件は起こった。

8匹ほどの御剛沙蚕(ゴゴゴカイ)が一斉に礁湖雀蜂(ラグーンヴェスパ)の幼虫を襲っていた。

仕方がないので僕も戦闘に加わろうとしたところ、

礁湖雀蜂(ラグーンヴェスパ)自身が邪魔をするなというような仕草をしたので、

ポイントを使って大量の飼料と、

エサになる海藻などを大量に発生させた。

145pt消費した。


礁湖雀蜂(ラグーンヴェスパ)の危機を救ってあげたが、

逆に嫌われたような気がする。

プライドを傷つけたのであろうか。


この日の食費は、

モーニング フレンチトーストとソーセージと紅茶 1pt

ランチ   醤油風味エッグカレ         1pt

ディナー  サメの干物揚げ           1pt



姫宮遥の残りポイント 205pt(銀行 500pt)





9日目  205pt + 回復量 150pt =355pt (銀行 500pt)



朝起きた時に気が付いたことがある。

「このままいけば、足りなくなる可能性がある。」


「何故ですか?

遥さんのポイント自然回復量は5ずつ増えてきています。

明日はこのままいけば155pt回復。

現在の銀行と合わせたポイントは855pt

締めて合計1010pt。

1000pt払っても10pt残りますよね。」



「愚かだな。摂理は。」

それとも僕を騙そうとしているのか?


「へっ?間違ってました?」

……素なのか?




「明日の僕の予想ポイントは510pt。そして銀行には500pt。

それぞれからあの借金取りと名乗る奴に、500ptを支払い、1000pt。

そこまではいいよ。

だけれど…。」


「けれど?」




「貯金が無くなったら銀行からは10ptの請求が来る。」


「そんな。……でも絶食コースなら何とか…。

……ワカメだけでも我慢しますよ。」




「不慮の体調不良で身体を崩しても困る。…今更だけど。」


「…今更ですね。…策はあるのですか?」




「ある。一つだけ。」


「なんですかっ、それは。」




「…だから、以前使った僕達の水着を銀行を通じてオークションにかければいい。

僕達の写真付きで、だ。」


「………」




「……駄目か?」


「……本気ですか?」




「やってみるしかないだろう。」

僕だって嫌なんだ。


「……。はい。」



結果から言うと水着は合計15ptで売れた。

ただ、僕の水着が10ptで摂理の水着が5ptで売れたことに摂理は納得がいかず、ひどく傷ついたらしい。

この日は暫く膨れていた。









そして10日目



「ちわーす。借金取りでーす。おい、金は用意してあるんだろうな。」

またあのいけ好かない男がやってきた。


「借金取りという言い方はおかしいだろう。

僕は物件を買うんだ。不動産屋とでも名乗ったらどうかな。」




「なんでもいいけどさ~。1000pt用意できたんだよねぇ。」


「金ならある。

さぁ、この500ptと銀行の僕の口座の500ptを持って、

このダンジョンは僕のものであるということを誓約しろ。」




「そんな…馬鹿な………。

超級特待プレイヤーを甘く見過ぎたか。」

ふふふ、チャラい口調はどうしたのだろうね?



「……合わせて、パートナーの使用料金も請求することにする。」


「幾らかな?」



「月額10pt。購入なら500ptだ。」


「なら来週また来てくれ。その時に彼女を買い取ろう。

取り敢えず、10ptだ。」





そして次の週僕は同様に『摂理』を買い上げた。


「さあ摂理。今日から君はただ僕の命にのみ従い、

他の誰にも命じられることは無い僕だけのしもべだ。

改めてよろしく、摂理。」

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