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第40話 ラピスラズリの海で

勇者たちを退治してから数日後。

迷宮(ダンジョン)の階層も5階層増えた。


合計30階層になった事で、

フィールドの設定に、

『浅瀬』の上位の『海』などの上位フィールドであったり、

『火山』、『温泉』などのレアフィールドも選べるようになったようだ。


早速取りかかる。

1~9階層 浅瀬 浅瀬 海 海 海 海 深海 深海 極深海

 10階層 浅瀬

11~15階層 死の砂漠

16~20階層 罠部屋群

21~25階層 山麓 山地 高山 山脈 超高山帯

 26階層 未定

 27階層 未定

 28階層 未定

 29階層 未定

 30階層 未定

と現在はなっている。



 これに、26~29階層には『海』を30階層には『火山』を入れて繋げる。

1~9階層 浅瀬 浅瀬 海 海 海 海 深海 深海 極深海

 10階層 浅瀬

11~15階層 死の砂漠

16~20階層 罠部屋群

21~25階層 山麓 山地 高山 山脈 超高山帯

26~30階層 海 深海 深海 極深海 海底火山


こうなった。

以前よりも早く『極深海』に至ったのは恐らく余分な砂が無いことなどが原因だろうね。





合わせて以前から放置していた希少種(レア)怪物(モンスター)の解放に掛かろうと思う。

護られた隔離部屋でいつまでも過ごさせるのも面白くない。

一応他にも理由はあるのだけれど。


だけれど、もうそろそろ第一線で十分以上に生き延びていられる程度には成長したと判断したから。

これだけ時間をあげて滅ぼされるようならばそれまでだ。



幼雛鶚(チックオスプレイ)は、雛鶚(リトルオスプレイ)を経て、

岩鶚(ロックオスプレイ)潜水鶚(ダイバーオスプレイ)という共にCランクの協力モンスターに成長した個体も多く、

中には、鋼翼鶚(メタルオスプレイ)という、Bランクの個体にまで成長し、所帯を持っているものまでいる。


ところで、

各ランクの強さを具体的にいうと、


初級

RANK F 運と得物と努力と工夫次第で一般的な成人男性なら倒せる。


RANK E それなりに上物の武具を持った鍛えた戦士なら倒せる。


中級

RANK D 倒せれば小さな村なら間違いなく村一番を名乗ってもいい。

相応の経験と才能と武器が必要。


RANK C ここまで倒せるのは一握り。


上級

RANK B 伝説級の武具を持った世界基準で有数の戦士なら倒せる。


RANK A 斃せれば奇跡。


超上級

RANK S このランクのモンスターを倒せるのは伝説の類。


神災級

RANK SS もう人類に為すすべはない。神災級、場合によっては神域級と呼んでも十分。

広い意味ではAランクからでも神災級と呼ぶ場合もある。


神域級

RANK SSS THE END


越域級

RANK EX 存在せず。



ということらしい。

この時点で、僕のモンスター達や、

そのモンスター達を屠ってきた勇者組の戦闘能力が窺えると思う。


この世界の人間たちが普通に弱すぎるのもあるけれど、

それを責められるのは、成人男性が全員熊殺し経験者な所の生まれくらいだろう。



その他の希少種(レア)怪物(モンスター)も、着々と成長し、

進化しないまま成長し続ける蒼蓑海牛(ブルーシースラッグ)は、

既に体長9,8mどころか、15mに届きそうなものもたくさんいる。

原始に回帰した訳でもないにも拘らず。


15m級の遊泳性ウミウシの化け物がうようよいるという状況は、

絶望するのはクラゲだけでは無い筈だ。

勿論、主食であるクラゲたちの気持ちなど考えるまでもない。

どうでもいいことだけれど、これらの個体のモチベーションの維持の為に、

エサとなるクラゲは繁殖率が高く、サイズの大きめのクラゲのモンスターである、

庭球海月(クラゲオウジ)を多めに容れておこうと思う。


庭球海月(オウジクラゲ)は名前の読みは全く理解できない。

姫なクラゲなら姫海月(ヒメクラゲ)というのがいて、こちらの読みはそのままだった。


別に御洒落に変身するわけでもなく、サイズも庭球海月(オウジクラゲ)ほど大きくは無いけれど、

凡そのクラゲ系のモンスターは無性生殖できるものも多いものの、

ほぼすべてのクラゲ系モンスターと大量の卵を産める特性を持つので、併せて蒔いておいた。


姫というよりは、売女だとか、卵を産む機械だとかそういうことを言うと、

元の世界だと、大批判を喰らうことになっていたと思う。


肝心の庭球海月(オウジクラゲ)なのだけれど、元の世界で言うと、

エチゼンクラゲに近いと思われる。

サイズは2倍以上違うけれども。


ふむ…?エチゼン、クラゲ?


…そういうことなのだろうか?

重りを付けていて体重を誤魔化したり、ミュージカるアレなのだろうか?

それ以上考えるべきではないだろうね。



まあ結局のところ、

クラゲ系モンスターは、基礎腔腸(メガポリプ)というランクF---の非常に弱いモンスターで産まれて、

何になるかはランダムな所があるらしいので、

取り敢えず、どう育つかまでは考える必要もないだろう。

どうでもいいことを考えるのは時間がもったいない。

そんな暇があったら茶葉について考えている方がよほど有意義だね。




浅瀬鼬(ラグーンミンク)に関しては、ランクCである海鼬(シーミンク)に成長して、

沖まで泳げるようになっていた。

だけれども、礁湖雀蜂(ラグーンヴェスパ)

更にいえばデュカリスも成長して海雀蜂(シーヴェスパ)という、

ランクA級のモンスターとなってしまい、

つい最近音符角蜻蛉(ノートホーンフライ)育成の為に一時的に場を放してはいるけれども、

デュカリスの娘達も海雀蜂(シーヴェスパ)に進化し、

思いっきり生活環境が被るために、恐らく碌な結果にはならないだろう。


瑠璃嬢雀鯛(ラピスダムゼル)天使嬢雀鯛(エンジェルダムゼル)に進化していた。

瑠璃色からほんのり程度赤に近づいた淡い色をしたスズメダイのモンスターになっている。

といってもまだまだ強いモンスターだとは言いにくい。

泳ぎも非常にうまく、幅広い温度にも耐えれるのが特徴の種族だけれども、

正直他のモンスター達と混泳させるには早い気がしないでもない。



魚喰蝙蝠(フィッシャーバット)に関しては既に実践で活用したので、

そのまま1~9階層に全て放り込んで問題は無い。

今では、大魚喰蝙蝠(ビッグフィッシャーバット)

巧魚喰蝙蝠(プロフィッシャーバット)、を経て、

魚狂喰蝙蝠(ツリキチバット)にまで進化したものまでいる。



「所で摂理、摂理としては意見はあるかな。」


「そうですね、個人的には見た目で海鼬(シーミンク)天使嬢雀鯛(エンジェルダムゼル)が好みですけど、

天使嬢雀鯛(エンジェルダムゼル)の方には可愛らしさと何処かいけ好かなさを感じます。

戦術的には蒼蓑海牛(ブルーシースラッグ)は宝箱のガードに使えますし、

巧魚喰蝙蝠(プロフィッシャーバット)なら超音波だけで侵入者を撃退できます。

可愛くない2匹の方が使い勝手はよさそうですね。

(オスプレイ)系統は鋭い嘴と、返しのついた爪、高い飛行制御能力。

見ての通りで普通に戦力になりますから敢えて述べる必要もないと思われます。」

他には特にありません。」


十分だ。十分だけれども、

天使嬢雀鯛(エンジェルダムゼル)の進化前は瑠璃嬢雀鯛(ラピスダムゼル)

『るり』ととことん相性が悪いのか、

単に天使の名前を本家がいるにも拘らず名乗るのが苛立つのか、

どちらなのだろうね。


「遥さん、今誰か女性の事を考えられていました?」


「別に、どうでもいいことを考えていただけだよ。」



「そうですか。」

最近摂理の感が働きすぎている気がする。

幾らなんでも僕の思考を理解しようとし過ぎてるのではないだろうか…。

…いつもの癖だ。

他人を一切信用せず、

危険な可能性を全て排除しようとする癖がどうやら出てしまったようだ。

けれども、それは間違ってはいない、

はずなんだ。



取り敢えず、天使嬢雀鯛(エンジェルダムゼル)は海底火山を含む26~30階層に移しておこう。

蒼蓑海牛(ブルーシースラッグ)と、(オスプレイ)系、海鼬(シーミンク)系は今のところは1~9階層で構わない。



「あの、遥さん、一ついいですか?」


「何かな、摂理。」



「それだと、結局は天使嬢雀鯛(エンジェルダムゼル)からみれば、

安全地帯にはそう変わりは無いんじゃないですか?

勿論、現在モンスターの自然発生を切っている10階層と、

そうでないそれ以外である26~30階層では違いはありますが…。」


「いいところに気が付いたね。

摂理、これでこの10階層のモンスターはどうなる?」



「0です。」


「その通りだよ。

誰にも荒らされていない僕の思い出の砂浜のままさ。

何の気兼ねも心配もなく、

久しぶりに、海水浴でもしようか。」



「はいっ喜んで。」

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