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第25話 メタなことを言わせてほしい。第24話のタイトルを見ただけで結末がわかったじゃないかって?そんなことは――――

王国軍が攻めてきたあの日、

僕のダンジョンは10階層にまで成長した。



中にいる侵入者が死んで得をするのは僕だけではないということかな。

会員カードを使うと安くなる上にポイントも溜まるようなものか。


この世界(システム)も、僕が死ねば成長するのだろうか?





それはいいとして、

今回の戦いで思ったことがある。

今回で僕のダンジョンは強大な国家の軍隊をほぼ丸々食い物にしたとして一躍有名になった。


結局ロムレス王国は軍を失い弱小化したことで、

他の国に攻め入られて壊滅した。


僕に大量のポイントを貢ぐために国家が丸ごと消滅した訳だね。






正直、今回の敵は最初は厳しい戦いになるかと思っていたけれど、

モンスターが消耗していく以上に、モンスター生産・維持以上のポイントが回復できる。

どうやって負ければいいのか途中からわからなくなったぐらいだ。


人員を迷宮内部で消耗すると、

それだけ迷宮を強化することになる。

だから大量の人員を消耗するわけにはいかない。


だからこの世界(システム)は持っているはずだ。

一騎当千の何かを作り出す、とっておきを。


「あるんだろう?摂理。

この世界における迷宮の(ダンジョンマスター)殺しというものが。」




「…あります。

勇者システム。英雄システム。その他にも各種格や種類が違うものはありますが、

何れも個人に凄まじい力を与えるものが存在します。」

だろうね。


「ところで、それ、僕も手に入れられるかな。」


「無理だと思われます。ダンジョンマスターはその対極存在ですから。」

そうか、それも予想はしていた。

それに、



「まあいいさ。僕は迷宮の支配者(かんりしゃ)であって勇者(ろうどうしゃ)ではないからね。」


僕はそう言うとダンジョンの設定に掛かることにした。



1~4階層 浅瀬 海 海 深海

  5階層 浅瀬

  6階層 未設定

  7階層 未設定

  8階層 未設定

  9階層 未設定

 10階層 未設定



現在こうなっているわけだけれど、

これを、

1~4階層 浅瀬 海 海 深海

  5階層 浅瀬

  6階層 浅瀬

  7階層 浅瀬

  8階層 浅瀬

  9階層 浅瀬

 10階層 浅瀬


として、いつも通りリフォーム。

結果、


1~9階層 浅瀬 浅瀬 海 海 海 海 深海 深海 極深海

 10階層 浅瀬


となった。

本来発生しないはずの地形である意味オリジナルの地形、

『極深海』は余りの超圧力に侵入者は入ると同時に潰れてしまうだろう。

…そもそも其処まで行けるかどうかもわからないけどね。


『極深海』はほぼ6割ほど砂で埋まってしまっている。

この場所での戦闘は面白いものが見えそうだ。




地形の設定は面白い。

だけれども、そんなことがどうでもいいと思えるようなことがあった。



「極深海、凄い場所ですね。補助装置の顕現で、管理者権限の、

『地形無効』が無ければ死んでいました。」


「別にそんなことはどうでもいいさ。」



「酷いっ。それはあまりにも酷くないですかっ!?」


「『極深海』が出来たことは大きい。

でもそれ以上に大きなこともあったからね。」



「ああ、そちらでしたか…。

てっきり私は―――――」


「私は?」



「てっきり私が死んでもいつものようにどうでもいいのかと…。」


君の命の事かと?

「君に死んでもらう予定はない。

僕には君が必要だ。」



「はっ遥さんっ!?…いつもそんな言い方されると心臓に悪いです。」


対天使用のブロックワードか何かがあるのだろうか?

…今はどうでもいいか。



「…まあそんなことよりも、だ。

礁湖雀蜂(デュカリス)が遂に羽化したんだ。」


「そんな事って…。

私と礁湖雀蜂(むし)とどっちが大切なんですかっ。」



礁湖雀蜂(ぼく)摂理(たにん)

摂理、君は自分と僕とどっちが大事かな?」


「それは…、あのっ、私はっ、その…。はる…――――」


言いたくないなら無理に言わなくてもいい。

摂理は人間味がある女性だから、正直に自分だとは言いにくいのだろう。


「摂理が言いたいことは解かっている。

僕だってそうさ、気にする必要は無い。」



「あのっそれって、つまり両…―――」


「人は誰だって自分が大事だよ。

その為なら他者を排除することを厭わない。

僕にとって唯一の例外は…、お母様だけだ。」

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