7/8
閑話、休題。
本編とはあまり関連ありませんが
話が進むとともに重要になってきます。
それは、月の無い夜のこと。
天高くそびえる月桂樹の下。
一人の女性と、一人の少年が立っていた。
女性は少年の前にしゃがみ込み
悲しそうに言った。
「ごめんね……化物の血なんか
継ぎたく、なかったよね……本当に、ごめんなさい」
だが、少年の表情は変わらない。
言葉の意味を理解しているのか、していないのか
ただ、無表情で女性を見つめている。
そんな少年に、女性は苦笑をもらし
微かに震えている少年の身体を
優しく、抱きしめた。
「貴方はこれから、『最後の十字架』として生きていくことになる……
私たちの罪を貴方にだけ、背負わせてしまうのは
とても辛いけれど……
私は、貴方に生きてて欲しい」
女性の頬を、透明な雫が伝う。
「大好きよ。『 』」
その後
月桂樹の樹の下には
少年だけが残された。
次は本編に戻ります。