9/10
ビッグ・ハート2
『俺たちつき合うことになりましたぁ!いぇーい!』
「ッちょ!はじめ先輩!今こんなところで言わなくても!」
『いいじゃん!やっと俺の望みが叶ったんだから自慢くらい!』
本当ははじめ先輩なんか好きじゃないのに…
本当に好きなのはこうき先輩なのに…
なんで昨日あんなこと言ったんだろう…
暑かったからかな…?
でも、はじめ先輩がこうき先輩を忘れさせてくれると言うなら…
私が暑さで倒れた次の日
はじめ先輩は私がはじめ先輩の彼女であることをあらゆるところでいいはじめた。
夏休みだったのもあって噂はそんなに広がらなかった。
同じ部門の先輩などに
どうやって口説いたの?
などと聞かれた。
まぁ、あんなにかっこいいんだもんそうだよね。
普通に考えたら私みたいな女がはじめ先輩みたいな人と付き合うなんてありえない。
『はじめと付き合うなんてやるなぁ“一年生”』
こうき先輩…。
そう言ってこうき先輩はどこかへ行ってしまった。
ーん!?ー
今…悲しそうな顔しなかった?
そう感じたのは私だけ?
もし本当だとしたら…
こうき先輩のあんな顔見たくない…
ますます忘れられなくなる。